介護老人保健施設とは
介護老人保健施設(老健)とは、在宅復帰と在宅療養支援を行うための施設です。
厚生労働省によると、老健はリハビリテーションを提供する心身機能の維持・改善の役割を担う施設とされています。
主に長期入院をしていた方が、退院して家庭に戻るまでの間に利用されることの多い施設で、特別養護老人ホームなどと同様に、介護保険が適用される公的な施設です。
入所中は介護・看護といったサービスに加えて、医師のサポートを受けられます。
また理学療法士や作業療法士など、リハビリを行うスタッフが常勤しているのも老健の特徴の一つです。
目的は在宅復帰のためのリハビリや医療ケア

老健は専門スタッフによるリハビリを通じ、入所者が在宅復帰することを目的としています。
「入院はもう必要ないけれど、自宅の暮らしに戻るのはまだ不安」…という方におすすめの施設です。
老健には介護士のほかに医師や看護師が配置され、入浴や排泄などの介護サービスに加えて、リハビリ・医療ケアも充実しています。
自宅や老人ホームでの生活の準備が整うまでの待機期間を安心して過ごすことができます。
介護保険法により5つの区分に分けられている
介護保険法により、老健は以下の5つの区分に分けられています。
- 基本型
- 強化型
- 超強化型
- 加算型
- その他型
その中で特に強化型、超強化型、加算型の3種類は、厚生労働省が規定する要件をクリアした在宅復帰と在宅支援機能が高いと認められた老健です。
老健の活用方法は人によってさまざま
老健は短期間だけ入所したり、定期的に通ったりとさまざまな活用方法があります。
以下で詳しく解説していきます。
施設サービス(入所)

施設サービスは老健に入所した場合に受けられるサービスで、要介護度1~5であることが条件です。
日常生活への復帰を目的としたリハビリや、介護や看護・医療が主な内容です。
入所期間は3~6ヵ月程度が目安で、3ヵ月を過ぎると(施設の方針によって違いますが)入所を継続する必要性があるか否かを施設側に審査されます。
ショートステイ

短期間だけ老健に入所してサービスを受けられるのが「ショートステイ」です。
自宅での介護・看護生活を一時的に続けられなくなった場合におすすめです。
受けられる内容については入所サービスとほぼ変わりません。
リハビリや介護・看護といったサービスを、一般の入所者に混ざって受けられます。
通所リハビリ(デイケア)

通所リハビリは、老健の近所に居住する高齢者におすすめのサービスです。
老健に通って、リハビリなどのサービスを施設専任のスタッフ(理学療法士や作業療法士、言語聴覚士)から受けることができます。
施設によっては、自宅への送迎をしてくれるところもあります。
また、通所リハビリテーションを受けるには、要介護1~5または要支援1~2の認定を受けている必要があります。
老健の入所条件
老健の入所は、原則65歳以上で「要介護1」以上の介護認定を受けていることが条件です。
また、40歳から64歳の特定疾病による要介護認定を受けている方も入所が可能です。
そのほか伝染病などの疾患がなく、病気での長期入院などを必要としないことなど、施設によって条件が異なります。
施設に入所を希望する際には、あらかじめ施設へ入所条件を確認しましょう。
【介護保険】特定疾病とは?16種類一覧と診断基準、覚え方(第2号被保険者も対象に)
認知症の方も入所できる
老健は認知症の方も入所が可能です。
なかには、認知症ケアを専門とした施設もあるので、どのような対応をするのか事前に確認すると良いでしょう。
先ほども述べた通り、40〜64歳の方も特定疾病による要介護認定を受けていれば、入居対象となります。
特定疾病には若年性認知症も含まれており、若年性認知症の方も老健への入所が可能です。
老健の他にも、認知症に対応する施設をお探しの方は以下のボタンからお探しください。
老健の居室・生活設備
介護老人保健施設の居室や生活設備は基本共有で、個人用の設備はほとんどありません。
以下で詳しく解説していきます。
居室
老健の居室は以下の4種類になります。
- 多床室
- 従来型個室
- ユニット型個室
- ユニット型個室的多床室
老健で主に利用されている多床室は、複数人が同じ部屋で共同生活を送る大部屋です。
従来型個室やユニット型個室と比べてプライバシーの確保が難しいですが、費用を抑えることができます。
共有スペース
老健の設備の特徴として、機能訓練室が充実していることがあります。
老健はリハビリを専門とした施設なため、リハビリに取り組むうえで欠かせない器具が多くあります。
そのほか、生活を送るうえで必要なキッチンやトイレ、浴室等の共有スペースも完備されており、これらの設備は入所者であれば誰でも利用することが可能です。
老健の人員体制
続いて、老健の人員体制を紹介します。
老健は在宅復帰が目的の施設のため、他の施設と比べてリハビリ専門スタッフの体制が手厚いことが特徴です。
以下で詳しく解説していきます。
介護・看護職員は入所者3人につき1人

老健の人員配置は、法令により細かく規定されています。同じ介護保険施設である特養と比較しながら解説していきます。
職種 | 老健 | 特養 |
---|---|---|
医師 | 常勤1人 | 1人(非常勤可) |
看護職員 | 9人 | 3人 |
介護職員 | 25人 | 31人 |
リハビリ専門 | スタッフ1人※ | ― |
表内は利用者100人に対しての人数です
※理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれか資格を持つもの
介護・医療以外でも手厚い人員体制が整えられている
そのほか、入所者100名いるときに最低1名配置が義務付けられている職種は以下の通りです。
- 栄養士
- ケアマネージャー
- ソーシャルワーカー
また、事務や調理スタッフも、人数に関する指定はないものの運営側は必ず配置する必要があります。
さらに、入居者の投薬管理を行う薬剤師や、入退所の相談や入居後の日常生活に関する相談援助を行う専門職である支援相談員が、各施設に1人以上配置されています。
リハビリ専門スタッフがいることが大きな特徴
老健には理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士などのリハビリ専門スタッフが常駐しています。
それぞれの役割は以下の通りです。
- 理学療法士(PT)
- 身体機能回復のためのトレーニングや麻痺のある方の動作改善、運動療法などの物理療法を専門的に行う
- 作業療法士(OT)
- 日常生活をスムーズに送るための動作を訓練する専門職で、入浴や着替え、排泄、掃除などの日常生活の動作を行うことが難しくなった方に、レクリエーションを交えながらサポートする
- 言語聴覚士
- 失語症や聴覚障害、嚥下障害など言葉によるコミュニケーションや食べることに関して問題がある方の自立を支援するためのリハビリを提供する
老健はこれらのリハビリ専門スタッフと共に、在宅復帰を目指す施設です。
老健のサービス内容

ここでは、老健の入居者が受けられるサービスの内容についてまとめました。
リハビリだけでなく、医療や看護、栄養管理、介護も徹底していて、入居者や家族にとって安心できる内容となっています。
リハビリ

特養や介護療養型医療施設にない特徴として、老健はリハビリ専門スタッフの配置が義務付けられており、リハビリを行う体制が整えられています。
老健では、看護師やリハビリを目的とする理学療法士・管理栄養士などの専門スタッフがサポートする形で自宅復帰を目指しており、個人の状態に合わせたリハビリサービスが受けられます。
「在宅復帰」が目的の老健
”在宅復帰”が目的である老健は、利用者に対して適切なリハビリテーションを個別プログラムで提供できるような体制が整っています。
病院からの退院後の在宅復帰に向けたステップとして、もしくは在宅介護生活を改善するための手段として、しっかりとしたリハビリテーションを受けたい方に最適な施設です。
リハビリの回数 | 1週間で2回以上 |
---|---|
リハビリの時間(1回) | 20~30分 |
医療・看護

老健には必ず1人以上の医師が常勤していて、入居者の体調管理を行っています。
看護師の数も特養と比較すると充実していて、たん吸引やインスリン注射、経管栄養などに対応しています。
ただ、医師・看護師ともに、施設によっては日中しか常駐しないことがあります。
老健は基本的にリハビリが必要な人が入所する施設なので、医療ケアが必要な方の入所を広く受け入れています。
特に、床ずれの予防・対応やたん吸引など、日中に限らず深夜にもケアが必要な人にとっては、最適な施設でしょう。
医師の常勤が義務づけられている
老健では入所定員100人あたり最低1人の医師が常駐し、利用者の医療ケアや健康管理、緊急時対応などを行うことが義務づけられています。
特別養護老人ホーム(特養)の人員体制と大きく違うのがこの点。特養では医師の配置は義務づけられているものの、非常勤でもかまいません。
また、看護師の配置人数も特養より多く、24時間体制で看護師を配置している施設も多く、インシュリン注射や経管栄養、たんの吸引などの医療行為が必要な方にも対応できます。
透析患者については受入不可が多いですが、透析クリニックと連携している場合など、環境が整っている施設であれば受け入れ可能です。
手厚い医療ケアが受けられる施設は以下のボタンから紹介していますので、是非ご覧ください。
介護と生活支援サービス
老健は、特別養護老人ホーム(特養)や介護療養型医療施設、介護医療院と同様に介護スタッフが職員数の中でも最も多い施設です。
食事や入浴、排泄や着替えの際に助けが必要であれば、状況に合わせた介助を受けられます。
また、居室の掃除、洗濯、買い物といった生活支援サービスも受けられます。
栄養管理
定員100人以上の老健には、栄養士を1人以上配置することが定められています。
そのため、老健の毎日の献立は、栄養士の監修下で決められており、バランスの良い食事を摂ることができます。
また、利用者の持病や嚥下能力などに合わせた配慮も受けることができます。
老健の費用
続いて、老健の費用について説明します。
老健は公的施設で国や自治体からの補助金があるので、比較的安い費用で利用が可能です。
以下で詳しく解説していきます。
施設サービス(入所)を利用した場合の費用
入所の条件 | 要介護 |
---|---|
入所期間 | 3~6ヵ月程度 |
入所一時金 | なし |
月額利用料(目安) | ユニット型個室:15万円 多床室(相部屋):9万円+医療費 |
※月額利用料は居住費(賃料)と食費と日常生活費(1万円と仮定)の合計
老健は介護保険法で定められた公的施設で、基本的に費用が安く済みます。
介護保険が適用されるので、自己負担額は1~3割に抑えられます。
さらに、老健の居住費、食費、介護サービス費として支払った費用は、医療費控除の対象になるので、納めた税金を取り戻せるケースもあります。
ただ、リハビリをはじめとしたケアサービスを受けていると、その分費用がかさみます。
薬代は施設側の持ち出しであるため、高い薬ほど施設の負担が大きくなるので、高額な薬の服用は基本的に難しいです。
おむつ代については介護サービス費で給付されるので、入居者側の負担はありません。
費用面で問題が生じそうなときは、早めにケアマネージャーに相談したほうが良いでしょう。
また、収入によっては減免措置が受けられます。
費用の負担軽減制度
老健の費用負担を減らす方法の一つが、軽減制度の利用です。
「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)制度」を利用すれば、住居費と食費が安くなります。
また、介護サービス費の自己負担額が高額なったときは、上限額を超えた分が返還される「高額介護サービス費制度」を利用することで、負担軽減が可能です。
生活保護を受給していても入所できる場合もある
老健の中には、生活保護を受給している方でも入居できる施設があります。事前に入居費用を保護の支給内でまかなうことができるかどうか、施設側に問い合わせましょう。
なお、ユニット型タイプの施設などでは、施設側が生活保護の方を受け入れていないこともあるので注意が必要です。
老健の費用については以下の記事で詳しく解説しています。
老健のメリット
老健の特徴がわかってきたところで、続いて老健のメリットを紹介します。
機能訓練が充実している

老健の最大のメリットは、リハビリサービスの質の高さです。
専門的な資格を持つスタッフが指導を行ってくれるうえ、利用できる器具や装置も質の良いものが選ばれます。
希望すれば、自分ひとりのためにプランを立ててもらうこともできます。
老健の費用は比較的安い

老健は介護保険法にもとづいて設立された公的施設で、入所一時金は不要です。
月額の料金も、介護保険の自己負担分は1~3割になり、食費や居住費といった生活費を加算しても10~15万円ほどで済むことが多いです。
この額は、有料老人ホームのような民間の事業者が運営する施設より割安です。
また、収入にゆとりがない世帯であれば、食費などに対して減額措置が適用されますよ。
手厚い医療ケアが受けられる

医師が常勤している上に、看護スタッフも一定数勤務しています。
看護師については夜間の常駐が義務付けられているわけではありませんが、最近は24時間交代制で常駐しているところが増えています。
以上の理由から、経管栄養のような本格的な医療措置に対応できます。
医薬品に関しても施設内で処方可能です。
要介護1から入所できる

老健の入所条件は、要介護度が1以上です。
要介護度が3以上が入居条件となっている特別養護老人ホームと比べ、要介護度が1や2の高齢者も入所することができます。
老健のデメリット
老健のメリットは、利用料が安く手厚い介護・医療ケアが受けられることですが、その分デメリットもあります。
以下で紹介していきます。
内服薬が制限される
老健には常駐の医師がおり、施設内で薬を処方されます。
しかし、入所中は医療保険の適用を受けられないため、原則、介護保険の範疇で医療サービスを利用するしかありません。
施設としても、薬の費用は介護報酬でまかなうことになるため、なるべく安価な薬を勧めたいという一面もあります。
また、今まで服用していた薬があっても老健に勤務している医師の判断で薬が変更になる可能性もあります。
服用している薬がある方は、入所する前に施設に確認しましょう。
生活支援サービスやレクがやや少ない
老健では食事・入浴・排せつの介助など身体介護サービスは充実していますが、買い物代行や洗濯などの生活支援サービスは十分に提供されない場合があります。
また、老健はリハビリに注力する施設であるため、レクリエーションや行事は機能訓練の一環として位置づけられています。そのため多くの施設では、入居者同士で楽しめるレクリエーションや行事は行われていません。
多床室はプライバシーの確保が難しい
厚生労働省の「平成28年介護サービス施設・事業所調査の概況」によると、老健の居室タイプで最も多いのは個室ですが、多床室(とくに4人部屋)も多くなっています。
多床室を選ぶ場合、プライバシーの確保が難しいところは難点です。
入居期間が原則3ヵ月
老健の入居期間は原則3ヵ月です。3ヵ月ごとを目安に、リハビリでの改善や回復が見られたか、施設の継続は必要かといった審査が入ります。
審査の結果、回復したと判断されると退去となります。
ただし、必ずしも3ヵ月で退去ではなく、長い方で1年ほど老健に入居しているケースもあります。
【一覧表】老健とほかの施設との違い
老健についてわかったところで、続いてほかの施設とどのように違うのか解説していきます。
特養との違い
老健とよく比較されるのが、特養こと特別養護老人ホームです。以下で一覧表で比較しました。
介護老人 | 保健施設特別養護 | 老人ホーム|
---|---|---|
主な目的 | 要介護高齢者の在宅復帰を目指す施設 | 要介護高齢者が身体介護や生活支援を受けて居住する施設 |
入所条件 | 要介護1以上 | 要介護3以上 |
サービス | 在宅復帰を目指す医療ケアとリハビリ | 身体介護が中心の自立支援 |
費用 | 入居一時金:なし 月額利用料:8.8~15.1万円 |
入居一時金:なし 月額利用料:10~14.4万円 |
入所・ | 入居期間原則3ヵ月 | 終身利用 |
入所・ | 入居難易度特養と比べると比較的入所しやすい | 入所待機者が多く数ヵ月以上待つ可能性が高い |
居室面積 | 8㎡以上 | 10.65㎡以上 |
サービス面でも、老健はリハビリが中心ですが特養は安定した日常生活とそれを支援するための介助などが中心です。
老健と比べて特養の方が、長期的な介護サービスを期待できるため、人気が高くて待機者も多い傾向にあります。
有料老人ホームとの違い
有料老人ホームは民間の事業者が運営できる施設です。
「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類があり、自立~要介護の方まで幅広く入居できます。
老健は原則として年齢65歳以上の方が入居対象ですが、有料老人ホームだと自立の方でも入居可能な施設であれば60歳以上から入居できる施設が多いです。
また、特養と同じく長期入所が前提の施設となるため、医療・介護体制が整っている施設で看取り対応まで可能な施設もあります。
介護サービスについては、「介護付き」であれば毎月定額で施設側が提供。「住宅型」であれば在宅時と同じく訪問介護やデイサービスなどを利用します。
さらに有料老人ホームは老健とは違い、レクリエーションやイベントが多く、娯楽の部分が充実しており、他の入居者と交流する機会が多くあります。
公的施設ではないので老健よりも入居費用はやや高めですが、その分設備・サービスが充実しています。
老健を検討している方におすすめの施設
老健について理解は深まったでしょうか。
老健は充実したリハビリや医療ケアを受けることができる施設ですが、長期入所ができません。そのため今回は他の施設も併せて紹介します。
退院後の方は介護老人保健施設
老健はリハビリに特化した施設。退院後、自宅に帰ることに不安がある方が利用します。充実した器具を使いリハビリに励み、不安要素をなくして自宅に戻れるようにサポートを受けることができます。
入居条件は65歳以上の要介護認定を受けた方です。医師や看護師が配置されているので、リハビリだけでなく医療ケアも受けられます。経管栄養や喀痰吸引など、本格的な医療措置にも対応可能です。
一人暮らしが不安に感じてきた方はサ高住
サ高住は見守りや生活相談サービスがあり、一人暮らしに不安を感じた方におすすめの施設です。
必要に応じて外部の介護サービスを利用できるので、高齢者に人気の施設です。自立〜軽度の要介護度の方が生活しており、ほかの施設よりも自由度は高めです。好きなタイミングで出かけたり、居室内のお風呂に入ったりできるので、ストレスを溜めにくいでしょう。
料金は一般的な賃貸住宅の相場とほとんど変わらないため、費用を安く抑えたい方は、賃料の安い地方のサ高住がおすすめです。
老健を利用した後に住み替え先としてサ高住を利用する方も多くいます。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?入居条件や食事・認知症対応を解説(有料老人ホームとの違いも)

老健へ入所するまでの流れ
老健は入居の申し込みをしてから即入居できるとは限らず、入所判定の結果が出るまで数週間かかることもあるので、早めに準備を進めましょう。
入居までの基本的な流れを以下にご紹介します。
- 要介護認定を受ける
- 老健は原則として要介護1以上の方が入居対象であるため、まずは要介護認定を受ける必要があります。
- 入居の申し込みをする
- 入居の申し込みは施設に直接申し込みます。病院に入院中は医療ソーシャルワーカーに、在宅介護を受けている場合は担当のケアマネージャーに相談しましょう。
- 面談を受ける
- 施設側が入居する本人とその家族と面談し、要介護度や現在の心身状態、生活状況、医療ケアの必要度などを確認します。
- 各種書類を提出する
- 施設利用申込書や健康診断書(診療情報提供書)など、必要書類を施設側に提出します。
- 入所判定の結果を待つ
- 提出された書類と面談の内容をもとに入所判定が行われるので、結果を待ちます。
- 契約し、入居する
- 入所可の判定が出れば、施設側と正式に入居契約を締結し、入居日を決めます。
老人ホームの入居までの流れは以下の記事で詳しく解説しています。
老健に入る前に知っておきたいこと
介護老人保健施設での1日の流れ
時間 | スケジュールの内容 |
---|---|
午前6時~7時 | 起床と着替え |
午前7時~8時 | 朝食 |
午前10時~11時 | バイタルチェック、リハビリ |
午後0時 | 昼食 |
午後1時~2時 | リハビリ、レクリエーション |
午後3時 | おやつの時間 |
午後4時 | 入浴 |
午後6時 | 夕食 |
午後8時~9時 | 就寝 |
老人ホームの1日の流れは以下の記事で解説しています。
待機期間は3ヵ月程度

入所者の在宅復帰が目的のため、老健の平均在所日数は約1年と、ほかの入所型介護施設に比べて短い傾向にあります。
そのため、申し込みから3ヵ月~半年くらいで入所できるケースが多くなっています。
特別養護老人ホームよりは早く入れるとはいえ、申し込みから入所までの期間はそれなりに必要です。
また、施設によっても人員体制や定員の関係で入所基準・条件は異なります。
だからこそ、早め早めに申し込みや情報収集をして、計画的に入所までこぎ着けられるように心がけていきましょう。
在宅復帰率が高いのかを知っておく

利用者の在宅復帰を目指す老健は、在宅復帰率がリハビリの効果を図る指標となります。
在宅復帰率が高いほど、信頼できる施設だという見方もできます。
「全国老人保健施設協会」が実施した「介護老人保健施設における在宅復帰・在宅療養支援を支える医療のあり方に関する調査(2012年度)」の報告書では、在宅復帰率の高い老健の特徴として以下の特徴が指摘されています。
- 病院や診療所が母体となっている割合が高い
- 通所定員・通所者数、ショートステイ利用者数が多い
- 在宅復帰率50%以上の施設は待機人数が多い(平均63.4%/全国平均38.6人)
- 施設や関連医療機関の医師が24時間365日駆けつけられる体制がある
自宅に早く戻りたい、リハビリを集中的・有効に頑張りたいという方にとっては、ひとつの指標となるかもしれません。
老健でのターミナルケアの方針・状況
ターミナルケアとは、病気などで余命がわずかになった方に行うケア、いわゆる看取りのことを指します。
以下は、老健に対して「ターミナルケアの実施」について尋ねたアンケートです。
また、実際にターミナルケアを行うための専用部屋の有無は以下の通りです。
他の人はこちらも質問
介護老人保健施設とはどれか?
介護老人保健施設は、介護保険が適用された公的施設です。
在宅復帰を目的に、リハビリ・医療ケアを中心としたサービス提供をしています。入所条件は原則65歳以上、要介護1以上の要介護認定を受けた高齢者です。さらに、認知症の方の入所も可能です。
介護老人保健施設はどんな生活?
介護老人保健施設では在宅復帰を目指したリハビリがメインですが、食事や入浴などの介護サービスも提供しています。また医師は常勤しており、看護師が24時間常駐する施設も多く、充実した医療ケアを受けられます。
介護老人保健施設は要介護何から?
介護老人保健施設は、要介護1以上の認定を受けた方を入所対象としています。要支援1・2の認定では入所できません。
介護老人保健施設への入所を考えるのであれば、市町村の窓口で要介護認定の申請を行います。
介護老人福祉施設は何する?
介護老人福祉施設は特別養護老人ホームとも呼ばれ、食事、入浴、排泄などの介護サービス、健康管理、機能訓練などを行う、介護保険が適用される公的施設です。
対象者は常に介護を必要とする原則65歳以上の要介護3以上の方です。