【一覧表】ケアハウスとサ高住の特徴の違い
ケアハウスとサ高住では入居条件や料金、受けられるサービスにそれぞれ特徴に違いがあります。
ケアハウスとサ高住の違いは以下の通りです。
ケアハウス | サ高住 | ||
---|---|---|---|
自立型 | 介護型 | ||
施設の | 目的自宅での生活が困難の方に生活支援と住まいを提供する施設 | 高齢者のための住居 | |
入居 | 条件自立の | 60歳以上要介護1以上かつ65歳以上 | 自立かつ60歳以上 |
入居 | 一時金0円~30万円 | 0~27万円 | |
月額 | 利用料7.5~12.4万円 | 11.1~20万円 | |
介護サービス | なし | あり | 外部のサービスを利用※ |
ケアハウスは自立した生活が難しい高齢者向けの施設
ケアハウスは、自立した生活が難しい60歳以上の方に、不安なく暮らせる場所を提供することを目的とした介護施設です。
ケアハウスは「軽費老人ホーム」の一種で、「軽費老人ホームC型」とも呼ばれています。
軽費老人ホームにはA型、B型、C型、都市型などの種類があり、このうちA型とB型は1990年以降新設されていません。
このうちのC型にあたるケアハウスが、軽費老人ホームの主流となっています。
自立型と介護型の2つがある
ケアハウスには大きくわけて、「自立型」と「介護型」の2種類あり、どちらも費用が安いという点では共通しています。
しかし、自立型は「自立した生活を送ることに不安があるものの、要介護認定を受けていない60歳以上の方」を入居対象としているのに対して、介護型は「65歳以上で要介護1以上の認定を受けている方」を入居対象としています。
また、自立型では食事や洗濯、部屋の掃除といった生活支援サービスがメインなのに対し、介護型では介護保険サービスの「特定施設入居者生活介護」が提供されています。
そのため、同じ特定施設認定されている、介護付き有料老人ホームなどと、同水準の介護・看護を受けることができます。
【特徴がわかる】ケアハウスとは?入居条件や費用・軽費老人ホームとの違い
サ高住は生活に不安がある高齢者向けの住宅
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者が安心して生活できる環境を用意し、安否確認と生活相談のサービスを提供している住まいです。
ケアハウスとの違いの1つが、賃貸形式の「住宅」であるという点です。そのため、生活の自由度は高いです。
また、入居する際に一時金などは必要なく、月額利用料も地域の家賃相場が基準になっています。
一般型と介護型の2つがある
サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類があります。
一般型は自立した生活が可能な方、もしくは軽度の要介護度の方向けの施設です。入居後は安否確認や生活相談、洗濯や掃除などの生活支援のサービスを受けながら、自由な生活を楽しむことができます。
介護サービスを利用するときは、訪問介護やデイサービス、デイケアなどの介護サービスの利用が必要です。サ高住側から直接介護は行われないため、各介護サービス提供事業所と個別にサービス利用の契約を結ぶ必要があります。
一方、介護型は「特定施設」の指定を受けた施設で、ケアハウスの介護型と同じく、介護保険の「特定施設入居者生活介護」のサービスを提供しています。
24時間介護スタッフが常駐していることに加え、所属する看護師による健康管理や医療ケア、さらにリハビリテーションなどの体制も完備されており、要介護認定を受けている方が安心して生活できる環境が整っています。
サービス付き高齢者住宅を探すケアハウスとサ高住の入居条件
ケアハウスとサ高住の入居条件の違いを説明していきます。
ケアハウス・サ高住ともに、タイプによって入居条件も異なるので注意が必要です。
ケアハウスの入居条件は自立型と介護型で分かれる
ケアハウスの入居条件は以下の通りです。
区分 | 入居条件 |
---|---|
自立型 | 60歳以上の方で、身寄りがないなどの理由により自立した生活が困難な方 |
介護型 | 原則65歳以上で、かつ要介護1以上の認定を受けている方 |
サ高住は「60歳以上」が入居条件
サ高住の入居条件は以下の通りです。
区分 | 入居条件 |
---|---|
一般型 | 60歳以上で自立~軽度の要介護度の方 |
介護型 | 60歳以上で自立~要介護5の方 |
介護型の施設は「特定施設」に指定され、介護保険の「特定施設入居者生活介護」のサービスを利用できるため、一般型とは違い、基本的に要介護度が重い方でも入居可能です。
夫婦での入居も可能
サ高住は、入居の際には60歳以上の者または要介護認定を受けているのが条件です。
また、同居者も以下の条件を満たす必要があります。
- 配偶者
- 60歳以上の親族
- 要支援・要介護認定を受けている親族
- 特別な理由により同居の必要があると都道府県知事が認める人
他にも、以下のページで夫婦で入居可能な施設を紹介していますので、是非ご覧ください。
夫婦で入居が可能な施設を探すケアハウスとサ高住の設備の違い
続いてケアハウスとサ高住の設備面での違いを見ていきましょう。
ケアハウスとサ高住には、制度上定められている設備基準があります。バリアフリー構造であることなど両施設の設備基準には共通点も多いですが、いくつか違いがあるので、以下で詳しく紹介します。
ケアハウスの居室は原則個室
ケアハウスの設備基準では、居室の床面積は個室21.6平方メートル以上、2人部屋の場合は31.9平方メートル以上と定められています。
ただし、館内に共同生活室が設置されている場合は、これらよりも多少狭くなっていても問題ありません。
居室は地下に設けてはならず、緊急連絡用の手段(緊急通報装置など)の整備も義務付けられています。
館内はバリアフリー設計がされている
ケアハウスの館内は完全バリアフリー設計がされています。食堂や浴室、機能訓練室、一時介護室などの共有スペースは適切な広さと機能を備えています。
サ高住の居室は広め
サ高住の設置基準では、居室の面積はケアハウスよりも広く、床面積は原則25平方メートル以上と定められています。
ただし、リビング・キッチンや食堂など、複数の入居者で共同利用できる場所がある場合は、18平方メートル以上であれば問題ありません。
設備は施設ごとに自由に設置されている
サ高住もケアハウス同様、館内はバリアフリー設計となっています。
バリアフリー以外の設備については、施設ごとに自由に設置されています。温泉施設や図書館、レストラン、映画館など、さまざまな設備が館内にあり、提供するサービスは施設によって大きく異なります。
サービス付き高齢者向け住宅を探す受けられるサービスの違い
ケアハウスとサ高住の提供されるサービスの違いをみていきましょう。
入居の際には両者の違いを踏まえ、自分が希望するサービスを受けられるかどうかを事前にしっかりとチェックしておきましょう。
ケアハウスは24時間スタッフが常駐している
ケアハウスの施設スタッフは基本的に24時間体制で館内に常駐し、入居者の急な体調変化に対応できる体制を整えています。
各居室内には緊急呼び出し装置があり、ボタンが押されれば夜中であってもスタッフが駆けつけてくれるので安心です。
施設ごとにアクティビティが実施されている
ケアハウスでは施設ごとに多様なアクティビティが実施されています。
お正月や花見など四季にちなんだ行事が行われたり、囲碁や将棋、茶道、華道といった趣味活動を取り入れたりする施設も多いです。ほかにも、心身機能を高めることを目的に、体操などが定期的に開催されていることもあります。
サ高住のサービスは生活支援と安否確認のサービスがある
サ高住はケアハウスとは異なり、制度上で「生活相談」と「安否確認」のサービス提供が義務付けられています。
生活相談・安否確認に加えて、施設によっては買い物代行や居室の清掃、洗濯といった代行サービスが行われていることもあります。また、体調不良時や災害発生時など、緊急時対応のサービスを完備している施設も多いです。
食事提供がない場合もある
サ高住では食事提供は施設によって提供していないところもあるので注意しましょう。
食事を用意してもらいたい場合は、対応可能な施設を選ぶ必要があります。食事の提供を行っている施設でも、館内に調理室があるケースや業者に弁当を発注しているケースなど、食事への対応方法は施設によって様々です。
ケアハウスとサ高住の費用
続いて、ケアハウスとサ高住の費用について解説していきます。介護サービスを提供している「介護型」の方が費用は高くなっています。
ケアハウスの費用
ケアハウスとサ高住の費用の違いは以下の通りです。
ケアハウス | サ高住 | |||
---|---|---|---|---|
自立型 | 介護型 | 一般型 | 介護型 | |
入居 | 一時金0円~30万円 | 0~27万円 | ||
月額 | 利用料7.5~12.4万円 | 11.1~20万円 |
入居時の費用として、ケアハウスは入居一時金が発生するのに対して、サ高住は敷金などの初期費用が発生します。
ケアハウスの入居時の費用
ケアハウスに入居する際、初期費用として入居一時金や保証金が必要になる場合があります。
ケアハウスの入居時の費用は、全国平均で0~30万円程度です。
入居一時金0円の施設もあるので、入居先を探す際は入居時にどのくらいの負担が必要となるのか、しっかりと確認しておきましょう。
ケアハウスの月額利用料
ケアハウスの月額費用の相場は9,2万円~13,1万円です。
内訳としては、居住費や生活費、サービス提供費、介護保険サービスの自己負担額(利用している場合)などがかかり、サ高住に比べるとやや安めです。
サ高住の費用
サ高住の入居時の費用
サ高住の入居費用は一般的な賃貸物件と同様です。初期費用に敷金がかかるほか、家賃やサービス料金、光熱費などを負担します。
入居時に必要となる初期費用・敷金はおおむね賃料の2~3ヵ月分で、一般的には0~27万円程度となるケースが多いです。
サ高住の月額利用料
サ高住の月額料金は、自立の方で家事支援などの生活サポートを受ける「一般型」の場合は、月額10万円~30万円です。
一方、要介護の方や認知症の方が入居して介護サービスなどを利用する介護型の場合は月額15万円~40万円程度です。
ケアハウスとの大きな違いは、家賃の前払い金である入居一時金がかからないという点。
ただし、サ高住の介護型は月額費用がやや高めなので、家計状況を踏まえ、毎月無理なく支払える額かどうかをしっかりと見極める必要があります。
介護サービス費は決められた額を支払う
ケアハウスとサ高住は介護保険適用の介護サービスを利用できます。
しかし、介護サービスの提供については自立型、介護型で異なるため注意が必要です。
どちらも介護型は一定額の支払いをする
ケアハウス、サ高住の介護型は、どちらとも毎月一定額で介護サービス費を支払います。
介護型は介護付き有料老人ホームなどと同じ「特定施設入居者生活介護」の介護サービスを利用し、要介護度に応じて、毎月一定額の支払い(自己負担額は1~3割)をします。
一般型は利用した分だけ支払う
ケアハウス、サ高住は一般型では施設から介護サービスが提供されないため、利用した外部の介護サービスの分だけ支払いをします。
外部の介護サービスは、在宅介護と同様に訪問介護や訪問看護、デイサービスなどを利用します。
必要な分だけの介護サービスが利用でき、利用した分の自己負担額(所得に応じた1~3割)を毎月支払います。
ケアハウスとサ高住のメリット・デメリット
ケアハウスとサ高住、それぞれの入居条件や費用は理解できたでしょうか。続いてそれぞれの施設のメリット・デメリットを紹介していきます。
ケアハウスのメリットとデメリット
メリット:価格が他の施設と比べて安い
ケアハウスの最大のメリットは費用が安いことです。ケアハウスは自治体から助成金などを受けて運営をしているため、費用が安く設定されています。
さらに、所得次第では事務費が軽減され、月額利用料が下がる制度もあります。
そのほかのメリットに、レクリエーションが充実しているという点があります。ケアハウスではレクリエーションやイベントが盛んに行われ、レクリエーションを通して健康増進効果を図ります。
さらに全個室で、プライバシーが確保できるのもケアハウスの特徴です。
デメリット:入居が困難なこと
一方、ケアハウスのデメリットとして、入居が困難な点があります。
ケアハウスは民間の有料老人ホームなどに比べても入居費用が格安であるため、入居希望者が殺到している施設が多いです。
そのため、申し込んでも即入居できることは少なく、入居待機となるのが一般的です。早ければ1ヵ月程度、長い場合は1年以上待ち続ける例もあります。
サ高住のメリットとデメリット
メリット:施設数が多く希望に合った条件から選ぶことができる
サ高住は自分のニーズに合わせた自由度の高い生活を送れます。
設備やサービス内容は施設ごとに違います。自分が受けたいサービスや施設の特徴から、自分に合った施設を探すことができます。
また、利用料は一般的な賃貸物件とほぼ同じ賃料で、施設の数が多く、比較的入居しやすいです。
一般型では自立〜軽度の要介護、介護型は自立〜要介護5と幅広い入居条件で、自分の身体の状況に合わせた施設のタイプの選択が可能です。
そのほかに、安否確認や生活相談、掃除や洗濯などの生活支援サービスを受けられ、安心した暮らしができます。
デメリット:要介護度によって入居が厳しくなる場合もある
一方、デメリットとしては、一般型のサ高住では介護度が重くなったときに退去の可能性があるという点です。
一般型のサ高住は自立~軽度の方を入居者として想定していて、施設側による介護サービスの提供はありません。
なお、介護型のサ高住であれば介護・看護体制が整っているため、介護度が重くなってもそのまま居住し続けられるのが一般的です。
【まとめ】あなたにおすすめの施設
ここまでケアハウスとサ高住の違いについて紹介をしました。ここでは、それぞれの施設がどのような方におすすめなのか、詳しく説明をしていきます。
ケアハウス:費用をとにかく抑えたい方
ケアハウスは自立型と介護型があり、自分の身体状況に合わせて施設を選ぶことができます。また、レクリエーションが盛んに行われ、適切なサービスを受けながら趣味やイベントを楽しめます。
費用は比較的安いので、費用面を重視する方にもおすすめです。低所得の方も入居でき、所得に応じて事務費が軽減する制度があります。
【一覧表でわかる】老人ホーム8種類の違いと特徴(介護度別・認知症対応)
サ高住:希望のニーズに合った自由度の高い生活を送りたい方
サ高住は自由度の高い生活を送りたい方におすすめです。
入居条件は自立〜要介護5と幅広く、介護度の低い方の入居も可能です。また、一般的な賃貸物件と同じ位置づけなので、入居一時金は不要です。そのため、入居者は自由に暮らすことができます。
一般型は外部の介護サービスを必要な分だけ利用し、介護型は施設での介護サービスが提供されます。
サ高住では施設ごとに個性があり、独自のサービスや設備を展開する施設が多いです。そのため、自分が希望するニーズに合わせて施設を探し出せるので、自分にぴったりの施設を見つけることができます。
- ケアハウスにはレクリエーションが充実しており、プライバシーも守りやすい
- サ高住は生活の自由度が高く、介護度が低めの要介護者でも入居しやすい
- ケアハウスには入居一時金・保証金が発生するが、サ高住は敷金の支払いが必要になる
- サ高住には安否確認・生活相談という独自のサービスが提供されている
- ケアハウスとサ高住の違いを理解し、どちらが自分に合うかを吟味して、施設を選ぼう
ケアハウスとサ高住に関するQ&A
サ高住って何の略?
サ高住はサービス付き高齢者向け住宅の略です。
介護度の高くない、自立した日常生活を過ごすことが可能な方を対象としています。施設内にはバリアフリーが完備しており、安心した環境が用意されています。
ケアハウスとはどういうところですか?
ケアハウスとは、自宅で生活が難しい60歳以上の方が生活する施設です。
食事や洗濯などの生活支援サービス、レクリエーションなどが豊富です。また低価格な特徴もあり、所得の低い方でも安心して入居できます。介護型ケアハウスであれば、介護度が重たくなっても入居可能です。
高齢者住宅は何歳から入居可能ですか?
サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は60歳以上、要支援または要介護の認定を受けている方です。介護付き・住宅型有料老人ホームの入居条件は65歳以上、健康型は60歳以上となっています。
有料老人ホームは何法?
有料老人ホームの目的は、老人福祉法第29条第1項にある心身の健康を保持して、生活の安定を図るためです。