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【アンケート】親が認知症かもと思ったら何をするべき?5つ初期症状と診断後の対応

【アンケート】親が認知症かもと思ったら何をするべき?5つ初期症状と診断後の対応

もの忘れが増えたり、理解力が低下していたりとちょっとした変化に「親が認知症かも」と疑ったことがある方も居るのではないでしょうか。一度、疑問に感じると心配でいっぱいになりますよね。

みんなの介護では在宅介護者を対象に「親の認知症を疑った瞬間」についてアンケートを実施。2,946件もの回答が寄せられました。

アンケート結果をもとに「認知症を疑った初期症状」「その後の対応」について解説しています。さらに認知症と診断された方が入居できる「グループホームの特徴」も紹介しているので参考にしてください。

みんなの介護アンケート

「親が認知症かも」と疑った瞬間はなんですか?
05001,000
 もの忘れがひどくなる(927件)
 場所や時間がわからなくなる(865件)
 理解力や判断力が衰える(574件)
 すぐに怒るなど人格の変化する(413件)
 作業に集中できなくなる(167件)

※複数回答可

親が認知症かもと疑った初期症状5つ

認知症の初期症状には以下の5つがあります。

  1. もの忘れがひどくなった
  2. 場所や時間がわからなくなる
  3. 理解力や判断力が衰える
  4. すぐに怒るなど人格が変化する
  5. 作業に集中できなくなる

みんなの介護が実施したアンケート「親の認知症を疑った瞬間」に対する回答も交えながらみていきましょう。

1. もの忘れがひどくなる

「明日は仕事?」「今度の日曜日は休みなの?」など、親が同じことを何度も質問してきたり、話したりすることがあります。

また、つい最近買ったものと全く同じものを買ったり、外出の予定や約束を守れなくなったりするのも、もの忘れに該当します。

もの忘れと認知症の見分け方

指輪の場所が分からず、頭を抱えて悩む高齢女性

「知人の名前やものを置いた場所を思い出せない」といったケースは年齢や認知症の有無に関係なく、起こりうるもの忘れです。

一方で、認知症は「知人が誰か思い出せない」「食事を取ったかどうかがわからない」など、日常生活の体験自体を忘れてしまいます。

もし、後者のような症状がみられた場合は、一度医療機関への受診をおすすめします。

2. 場所や時間がわからなくなる

認知症の初期症状でよくみられるのが「自分の年齢、今日の日付を尋ねても答えられないこと」です。

特に、今いる場所がわからなくなると外出したら戻れなくなり、徘徊といった行動につながる可能性があります。

認知症は変化するものから分かりにくくなると言われています。よって、コミュニケーションの中で、時間や日付、約束を忘れてしまう等違和感があれば、認知症を疑う必要があります。

3. 理解力や判断力が衰える

認知症の初期症状による理解力・判断力の低下している場合は以下の行動がみられます。

  • かんたんな計算ができなくなる
  • コミュニケーションがうまく取れなくなる
  • 靴を履かずに外出してしまう
  • 交通量が多い場所でも駆け出してしまう

このように日々の生活に少なくない影響があらわれるだけでなく、危険回避能力も低下している状態です。

もし、このような症状がみられた場合は外出時は誰かが付き添うなど、事故に巻き込まれない対策が必要です。

4. すぐに怒るなど人格の変化する

前触れもなく怒ったり、泣き出したりと感情の起伏が激しくなることがあります。

こうした変化を「感情失禁」といい、意欲の低下や抑うつ状態といった症状がみられることもあります。

感情の起伏が原因で、介護者に対して暴言・暴力といった行動に出てしまうおそれもあるので注意しましょう。

5. 作業に集中できなくなる

記憶力だけでなく、集中力や作業能力の低下がみられることがあります。以下はその一例です。

  • 部屋が片付けられなくなる
  • 本を読み終えずに手放してしまう
  • 映画やドラマのストーリーを追えなくなる

家事などができなくなるケースも多く、実家に帰ったら「家の中が散らかっていた」といったときは初期症状のサインの可能性があります。

【事例】その他

上記のほかに、以下の事柄に当てはまる場合は注意が必要です。

  • さっき聞いた話を思い出せない
  • ATMの利用方法を覚えていない
  • 料理や掃除、洗濯を途中で放り出す
  • 料理の味付けが毎回異なる
  • 口数が少なくなる

こうした症状に思い当たる節がある場合は、一度医療機関を受診しましょう。詳しくは次の項目で解説します。

認知症の方が入居できる施設を探す

親が認知症かもと感じたら医療機関へ

認知症ケアにおいて最も重要なのは、認知症の早期発見です。

症状が軽い段階でケアを始めることで、衰えた機能を回復させたり、症状を遅らせたりすることが可能です。

もし前項目で挙げたような症状がみられた場合はできるだけ早く医療機関を受診し、認知症ケアについて話し合いましょう。

以下では認知症の種類や受診先、親に医療機関への受診を促す方法などを解説しています。

軽度認知症(MCI)は治療できる

軽度認知障害(MCI)とは、認知機能に低下がみられるものの、日常生活に支障をきたすほどではない状態のことを言います。健常者と認知症の中間に位置している「認知症予備軍」に該当します。

認知症と違い、軽度認知障害は専門医による治療が可能です。

認知機能を取り戻したり、認知症への移行を遅らせたりする例もあり、症状の改善や予防が期待できるでしょう。

以下は「アルツハイマー病による軽度認知症(MCI)」と「アルツハイマー型認知症」で日常生活動作にどのような違いがあるかをまとめた表です。

軽度認知症と認知症の違い
日常生活動作
(ADL)
軽度認知症 アルツハイマー型
認知症
基本的ADL まる ばつ
手動的ADL ばつ ばつ

※○:正常 ×:障害あり
※基本的ADL:食事や入浴、トイレ、着替えなど最低限必要となる動作
※手段的ADL:買いもの、家事、金銭の管理など少々複雑な動作

軽度認知症では日常生活を送るうえで必要となる基本的動作は問題なくできることがわかります。

認知症の種類

代表的な認知症の種類は以下の通りです。

アルツハイマー型認知症
女性に多い認知症で、もの忘れから始まり記憶力の低下や妄想など、認知機能が低下します。
レビー小体型認知症
幻視や手足の震えが起こるパーキンソン症状が起き、次第に注意力や視力が低下します。
血管性認知症
男性によくみられる認知症で、記憶力や言語能力が低下します。また、感情のコントロールが難しくなる症状もみられます。
前頭側頭型認知症(ピック病)
穏やかな性格から怒りっぽくなるといった人格の変化が現れ、重度の記憶障害がみられます。

認知症の種類について詳しく知りたい方は以下の記事もあわせて確認してみましょう。

受診先

続いて、認知症の受診先についてみていきましょう。代表的な受診先としては以下の3つが挙げられます。

1. かかりつけ医
認知症は服薬や発症している疾患などの情報が必要です。それらを把握するかかりつけ医に相談することで適切な対応が受けられます。

また、かかりつけ医が認知症の専門外でも、脳神経内科や精神科など認知症に詳しい診療科を紹介してもらうことも可能です。
2. もの忘れ外来
老化のもの忘れ、認知症のもの忘れのどちらであるか調べて、認知症の早期発見・治療を行います。

検査内容は日常生活での困りごとなどのヒアリングや血液検査、MRI、CTなどです。
3. 認知症疾患医療センター
認知症疾患医療センターは全国に180ヵ所あり、地域の認知症医療の中核とした専門医療機関です。

認知症の初期症状や急性期の対応、さらには医療機関などの紹介、家族向けの研修の開催など、多方面で認知症の対応をします。

親に認知症の診察を促す方法

虫眼鏡を持って脳についての話をする若い白衣を着た看護師

「親が認知症かも」と感じても、医療機関の受診を勧めにくい方もいるでしょう。そこでこの項目では、診察を促す3つの方法を紹介します。

健康診断を活用する

健康診断として通院を促してみましょう。

健康診断であれば両親も通院してもらいやすく、認知症のほかに体の健康状態も確認できます。

診断結果から認知症が疑われる場合も、かかりつけ医から「脳の検査も行いましょう」と伝えてもらうことで、抵抗なく検査を受けてもらえるでしょう。

ほかの人の体験談を話す

両親が元気だったり病院嫌いだったりする場合は、知人が認知症の診断を受けた体験談を話してみましょう。

他人の実体験を聞くことで、認知症の診察の必要性を感じて前向きな受診を考えてくれることがあります。

第三者に協力してもらう

主治医など、両親が信頼している第三者の方に診察を受けてもらうように促す方法もあります。

家族や若い世代では、認知症のイメージを掴みにくいため、両親と同じ年代の第三者が認知症の診断や症状などを伝えると効果的です。

また、精神科や脳神経内科などの医師は認知症に詳しいため、それらの先生に相談してみることもおすすめです。

受診を嫌がったときの対処方法

上記で紹介した方法を試してみてもなお、医療機関への受診を強く拒むケースがあります。

その際は無理に病院へ連れて行くのではなく、親の気持ちに寄り添いましょう。

以下では受診を嫌がったときの対応について解説します。

認知症について理解する

認知症の症状を理解しておくことで「なんでこんなこともできないの」といったネガティブな感情を介護者が持つこともなくなりますし、接し方のヒントが見つかります。

また、認知症の症状は個人差があることから「何ができて、何ができないのか」を見極めることで、通院への糸口がつかめることもあります。

嫌がる理由を聞いてみる

親が認知症に対してマイナスなイメージを持っていたり、認知症かもしれない自分を受け入れられなかったりする場合に受診を嫌がることがあります。

そんな状態で家族が無理強いしてしまうと、家族の焦る気持ちが親にも伝わり、さらに不安や不信を与えてしまいます。

そのため、受診を嫌がる理由を聞き、一人ひとりに適した対応を心がけましょう。

地域包括支援センターに相談する

地域包括支援センターは、地域に住む認知症の方とその家族をサポートします。

認知症に関する情報、専門医や認知症医療疾患センターとの架け橋になり、受診への支援を行います。

ただ、第三者への相談は親が「自分の恥を晒された」と感じやすく、さらに状況が悪化する場合もあるため、まずは家族のみで相談しましょう。

親が認知症と診断されたときの対応

親が認知症と診断されたとき、家族はどのような対応が求められるのでしょうか。

この項目では、医療機関で認知症と診断された際の対応方法について解説します。本人に告知するときの注意点や接し方、介護方法なども紹介します。

認知症の告知方法

認知症と診断された旨を本人に直接伝えるか頭を悩ます家族も多いかと思います。結論、仮に認知症と診断されたとしても必ずしも告知する必要はありません。

人によっては、認知症と告知されてショックを受け、立ち直れないことがあります。

ただ、親が判断能力の衰えを気にしている場合は告知をすると良いでしょう。原因がわかることで、不安な感情が解消され、「もの忘れなどの症状は認知症のせいだ」と安心できます。

現在、認知症を完全に治癒する薬や治療はありません。そのため、予後は本人が「穏やかに」「誇りを持ち」生活することが大切です。

認知症の方への接し方

認知症の方と接するときはいくつか注意点があります。

話しかけるときは正面から目をみて、「自分が呼ばれている」と認識してもらいましょう。また、できるだけ短くわかりやすい言葉で伝えると、相手に伝わりやすいです。

そして何よりも、本人の言葉や行動を受け止めて共感しましょう。

認知症の方は「自分のことを理解してくれた」と感じると、気持ちが落ち着いたり安心感を抱いたりします。

一方、やってはいけない認知症の対応は「否定すること」です。

家族からみて間違った言動であっても、本人は真剣に伝えています。そのため、否定的な言葉で返されると、ひどく落ち込み傷つくため注意が必要です。

グループホームへの入居を検討する

親が住む地域から遠く離れている場合や在宅で介護ができる状態でない場合は、グループホームへの入居を検討してみましょう。

グループホームは認知症の方を対象に、認知症の進行を遅らせたり症状を緩やかにしたりするケアを受けられます。

原則、要支援2以上の認定を受けた65歳以上の方を対象に、1ユニット最大9人の少人数グループで共同生活をしています。

続けて、グループホームの特徴をもう少し詳しくみていきましょう。

グループホームを探す

認知症ケアが手厚い

グループホームでは認知症に関する専門知識を持つ職員から、日常生活を送るうえで欠かすことのできない日常生活行為(食事・入浴・排泄・移動等)の支援を受けながら、可能な限り自立した生活を送ります。

施設内で提供されるレクリエーションは認知症の進行を遅らせる効果が期待できるものが多く、入居者も楽しみながらケアを受けられます。

また施設によっては、地域住民と交流する場を設けているところもあり、人とのコミュニケーションを楽しめます。

慣れ親しんだ地元で暮らせる

グループホームの入居条件のひとつに「施設と同一の市区町村に住民票がある方」という決まりがあります。

選べる施設が限定される一方で、入居者にとっては慣れ親しんだ地域で暮らし続けられるといったメリットがあります。

なお、認知症の方は環境の変化にストレスを感じやすい特徴があります。この点、グループホームは安心できるでしょう。

少人数だから人間関係も築きやすい

グループホームの居住人数は5〜9人のユニットが2つある少人数施設です。

同じ入居者と毎日顔を合わせることで、入居者同士で打ち解けやすいメリットがあります。

また、入居者の入れ替わりも少なく、顔と名前も覚えやすい点もグループホームの特徴です。

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みんなの介護 入居お祝い金の進呈について

認知症の方の相続対策

認知症の症状が進行した場合、両親の判断能力が失われたと判断されます。そうなると、両親のお金を銀行から引き出したり、財産を管理したりすることができなくなってしまいます。

そのような状況にならないために、早いうちから成年後見制度などを活用することが大切です。

成年後見制度とは
認知症などにより判断能力が低下した方に代わり、後見人が本人の財産管理や契約締結を行う制度のこと

詳しく知りたい方は以下の記事もあわせて確認してみましょう。

まとめ

「親が認知症かも」と疑ったときは、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

認知症は早期発見・治療によって、衰えた機能を回復させたり症状を遅らせたりすることができます。そのため、家族が親に寄り添いながら「心配している」気持ちを伝え、診療を勧めましょう。

認知症と診断された際は、本人の言葉を否定せずに受けとめることが大切です。

また、遠距離介護などにより介護が難しいときは、認知症ケアに特化したグループホームへの入居を検討しましょう。

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よくある質問

認知症の初期症状は?

【回答】
もの忘れや理解力・判断力の低下などが挙げられます。

【解説】
認知症の初期症状でみられる物忘れは置いた場所を忘れる、買い物する内容を忘れるなど、一般的な物忘れとほとんど変わりません。一方で認知症の症状が進むと物忘れの自覚がない、体験したこと自体を忘れるなどの特徴があります。

理解力・判断力の低下では周囲の会話のスピードについていけない、料理や家事の手順が曖昧になるといった症状がみられます。

【詳細を知る】
認知症の初期症状の詳細は、「【アンケート】親が認知症かもと思ったら何をするべき?5つ初期症状と診断後の対応」のページで解説していますので、ぜひご覧ください。

認知症はどれくらいで進行していく?

【回答】
本人が置かれている環境や認知症の種類によって異なります。

【解説】
例えば、認知症の一種である「アルツハイマー型認知症」は緩やかに進行し、8〜10年ほどで症状が悪化するケースが多くみられます。
別の種類でもある「レビー小体型認知症」は中期以降で症状が早くなる場合があります。また「血管性認知症」は再び脳血管障害が起きた場合、症状は一気に悪化します。

このように症状の進行速度が定まっていない点も、認知症ケアの難しさを物語っています。

【詳細を知る】
認知症の初期症状の詳細は、「【アンケート】親が認知症かもと思ったら何をするべき?5つ初期症状と診断後の対応」のページで解説していますので、ぜひご覧ください。