ショートステイとは？サービス内容、利用期間や料金を解説！

ショートステイとは

ショートステイは、在宅介護が一時的に難しくなった際に、要介護者が短期間だけ施設に入所し、介護サービスを受けることができる支援です。

これは、例えば冠婚葬祭や出張、介護者の体調不良など、急な事情で自宅を空ける必要がある時に非常に役立ちます。

ショートステイは、介護老人保健施設や特別養護老人ホームで提供されることが一般的で、65歳以上の要介護・要支援認定者が利用できます。

また、特定疾病が原因で介護が必要な場合は、40歳以上でも利用が可能です。

さらに、ショートステイの利用者は、日常の介護ケアだけでなく、機能訓練やレクリエーションを通じて身体機能の維持・向上を図ることもできます。

これは、利用者の自立した生活を支援し、家族の介護負担を軽減する大切なサービスとして、多くの高齢者に利用されています。

ショートステイのサービス内容

ショートステイは、自宅で介護を受けている方が、短期間だけ施設に入所して、日常生活のサポートや機能訓練を受けられるサービスです。

ショートステイのサービス内容は以下の通りです。

　　
• 入浴の介助
• 排泄の介助
• 食事の介助
• レクリエーション
• 機能訓練

ショートステイの１日スケジュール

ショートステイでは、利用者が安心して過ごせるように、1日のスケジュールが規則正しく組まれています。

食事は朝食、昼食、夕食と定時に提供され、入浴やおやつの時間も確保されています。

特にレクリエーションの時間は、他の利用者との交流を深める場となり、利用者の心身のリフレッシュにも役立ちます。

日中だけでなく、夜間も職員が常に対応してくれるため、ナースコールでトイレの付き添いや緊急対応が必要な場合でも、安心して過ごすことができます。

このように、ショートステイでは利用者一人ひとりの体調や要望に合わせて柔軟に対応できるため、安心して利用することができます。

また、施設によってはリハビリやレクリエーションに力を入れているところもあるので、事前に施設の特徴を調べておくと良いでしょう。

ショートステイ利用を検討するタイミング

ショートステイ利用を検討するタイミングは、多岐にわたります。

• 介護者が冠婚葬祭や出張などで家を空ける必要がある場合
• 介護者が日常の介護疲れを癒すために一時的に介護から離れたい時
• 介護者が病気や怪我で一時的に介護ができない場合
• 要介護者本人の退院後に生活リズムを整える必要がある場合
• 将来的な施設入所を見据えて施設の雰囲気に慣れるために利用
• 在宅での生活が難しい方が施設入所までのつなぎとしてショートステイを利用
• 家族以外の人との交流
• 退院直後のリハビリ

定期的にショートステイの利用をすることで、本人の生活の質を向上させるとともに、介護者の負担を軽減し、長期的な介護を支えるための大切な手段となります。

デイサービスとの違い

ショートステイとデイサービスは、似たような介護サービスですが、利用期間に大きな違いがあります。

デイサービスは日帰りでの利用が基本で、早朝や夜間には対応していません。

一方、ショートステイは1日から最長30日まで連続で宿泊が可能で、旅行や出張などで長時間家を空ける場合に最適です。

両者ともに食事、入浴、レクリエーションなどのサービスが提供されますが、デイサービスは利用者を夕方までに帰宅させる必要があるため、スケジュールがタイトになりがちです。

これに対して、ショートステイでは時間に余裕があり、ゆったりと過ごすことができます。

家を空ける時間や目的に応じて、どちらのサービスを利用するかを選ぶと良いでしょう。

ショートステイの種類・施設

ショートステイは、主に次の3種類に分類されます。

サービス名	対象者	概要
短期入所生活介護	要支援・要介護者	日常生活の支援
短期入所療養介護	医療ケアが必要な方	専門的な医療支援の提供
介護保険適用外のショートステイ （有料ショートステイ）	自立から利用可能	介護保険の手続きが不要で自由に利用可能。日常生活の支援などを行う

それぞれの施設によってサービス内容が異なるため、利用者のニーズに合わせて選ぶことが大切です。

短期入所生活介護

短期入所生活介護は、一般型ショートステイとも呼ばれ、特別養護老人ホームや一部の有料老人ホームなどで提供されるサービスです。

このサービスは、要支援や要介護認定を受けた方が利用でき、生活上必要となる支援や身体介護を受けることができます。

具体的なサービス内容は以下の通りです。

• 入浴の援助
• 食事の援助
• リハビリテーション
• レクリエーション

特にリハビリに力を入れている施設では、専門の指導員による機能訓練も受けられます。

また、短期入所生活介護では、施設の職員が送迎を行うため、利用者は安心して施設を利用することができます。

これにより、利用者の心身機能の維持や家族の介護負担の軽減が期待されます。

短期入所療養介護

短期入所療養介護は、医療依存度の高い方やリハビリが必要な方が短期間入所し、生活支援と身体介護を受けるサービスです。

このサービスは「医療型ショートステイ」とも呼ばれ、介護老人保健施設や介護療養型医療施設で提供されます。

短期入所生活介護とは異なり、医療的なケアが必要な方に特化しています。

• 食事や入浴などの日常生活支援
• 医師や看護師による病状の確認
• 服薬管理
• 喀痰吸引などの医療ケア
• 専門スタッフによるリハビリ

要支援や要介護認定を受けた方で、医療管理が必要な方に適しています。

これにより、利用者は適切な医療ケアを受けながら生活の質を維持できます。

介護保険適用外の方が利用可能な施設

介護保険適用外の方でも利用可能なショートステイも存在しており、介護保険を持っていない方や要介護認定を受けていない方でも利用できる柔軟なサービスです。

利用できる施設には有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅があり、自立状態の方から要支援・要介護認定を受けた方まで幅広く対応しています。

介護保険の手続きが不要なため、必要なときに自由に利用できるのが特徴です。

サービス内容は介護保険適用のショートステイと同様の内容が提供されます。

• 入浴の援助
• 食事の援助
• リハビリテーション
• レクリエーション

利用条件や費用は施設によって異なるため事前に確認しておくことが重要です。

また、将来的に施設での生活を見据えて体験的に利用する方も少なくありません。

施設タイプ

ショートステイには「単独型」と「併設型」の2つの施設タイプがあります。

単独型

ショートステイの単独型施設は、ショートステイ専用に設計された施設であり、他の介護施設と併設されていないため、利用者は落ち着いた環境でサービスを受けられます。

このタイプの施設では、少人数の利用が一般的で、個別のニーズに応じたきめ細やかなケアが提供されやすいです。

また、併設型とは異なり、他の長期入居者と顔を合わせることはありません。

短期入所生活介護に特化しており、介護スタッフや設備が充実している点も特徴です。

併設型

併設型ショートステイとは介護老人保健施設や特別養護老人ホームに併設されているタイプのサービスです。

宿泊先は施設によって異なり、専用のフロアや空きベッドが利用される場合があります。

既にその施設のデイサービスを利用している場合、慣れた環境でショートステイを利用できるため、安心感があるでしょう。

ただし、空きベッドの利用が中心のため、予約が取りにくいこともあります。

また、単独型と併設型でサービス内容に大きな違いはないため、予約状況を確認しながら利用先を検討するとよいでしょう。

多床室

多床室は、特別養護老人ホームなどでよく見られる、複数のベッドが一部屋に配置された相部屋形式の居室です。

ベッドの間には仕切りがあるため、ある程度のプライバシーは確保されていますが、食事時や睡眠時に他の入居者の音や臭いを感じることがあります。

音や臭いに敏感な方は個室を検討するのが良いでしょう。

従来型個室

従来型個室は、利用者が個別に利用できる部屋で、プライベートが守られた空間が特徴です。

施設によっては、室内にトイレや洗面台が設置されている場合がありますが、共用のトイレや浴室があることも多いです。

利用前に、どのような設備が備わっているかを確認することが重要です。

ユニット型

ユニット型は、10人以下の利用者を一つのグループ（ユニット）としてまとめ、専用の共有スペースを囲むように個室が配置されている施設形態です。

このタイプでは、ユニットごとに専任の介護スタッフが配置され、家庭的な雰囲気での生活が提供されます。

個室でのプライベート空間が確保される一方、共有スペースでの共同生活が基本となるため、人との交流が苦手な方にはストレスを感じる場合もあります。

また、ユニット型個室的多床室では、隣の部屋との仕切りに隙間があり、完全な個室ではないため、音や光が漏れてくることも考慮が必要です。

事前にケアマネージャーと相談し、自分に合った居室タイプを選ぶことが大切です。

利用可能期間

ショートステイ利用の際には、介護保険の適用内で利用できる日数に制限があります。

原則として、連続して利用できるのは最大30日までで、31日目以降は全額自己負担となります。

また、ショートステイの利用可能期間は、介護認定期間の半数までに制限されています。

例えば認定期間が2年間の場合、ショートステイの利用が可能なのは約1年分（365日）までとなり、それ以上の利用は自己負担となります。

ただし、ご利用者の健康状態などによっては、申請を行うことで例外的に延長が認められる場合もあります。

自費での利用には制限がないため、長期間の利用を希望する際は、希望する施設に確認してみるとよいでしょう。

また、介護保険外の期間を含めて複数の施設を活用することも可能です。

特に、年末年始やゴールデンウイークなどの繁忙期には、事前の計画が大切です。

ロングショートステイ

ロングショートステイとは、通常短期間の利用を目的としたショートステイを、特別な事情により長期的に利用することを指します。

例えば、介護者が長期入院する場合など、在宅介護が一時的に困難になるケースで利用されます。

このサービスを利用するためには、「介護認定期間の半数を超えないこと」と「連続して利用する場合は30日以内であること」が条件となります。

たとえば、介護認定期間が180日であれば、最大90日間の利用が可能です。

また、別の施設に移動しても、利用日数はリセットされず連続してカウントされます。

ロングショートステイ利用を検討する際は、自治体への届け出が必要ですので事前の確認が重要です。

ショートステイの利用条件

ショートステイの利用条件は、介護保険の適用があるかどうかで異なります。

介護保険が適用される施設と適用外の有料ショートステイでは、利用できる方の条件が異なるため注意が必要です。

介護保険適用施設

介護保険が適用されるショートステイを利用可能なのは、65歳以上で「要支援1〜2」または「要介護1〜5」の認定を受けた方、もしくは40〜64歳で特定疾病により要介護認定を受けた方です。

介護保険適用外

まず、ショートステイは原則として65歳以上の方が対象ですが、特定疾病により要介護認定を受けた場合は、65歳未満でも利用可能です。

この特定疾病には、癌や関節リウマチ、糖尿病性神経障害など多岐にわたる疾患が含まれています。

ただし、医療体制が不十分なショートステイでは、これらの疾患を抱える方の利用が難しい場合があります。

また、通常は自立している方（非該当）はショートステイを利用できませんが、介護保険適用外のショートステイ施設であれば利用可能な場合があります。

このような施設は有料老人ホームなどが提供することが多く、施設ごとに利用条件が異なるため、利用を検討する際は、事前に施設としっかり確認を行うことが重要です。

費用については、介護保険が適用されないため、全額自己負担となります。

ショートステイの選択肢を検討する際には、ケアマネジャーとの相談が欠かせません。

特に、特定疾病に該当する方は、どの施設が適しているのかを慎重に見極める必要があります。

ショートステイの利用料金

ショートステイは利用する施設の種類、滞在する居室のタイプ、要介護認定の段階などによって、１日あたりの利用料金が変わってきます。

また、滞在中の食費、居住費には介護保険は適用されないため、基本的に全額自己負担です。ただし、世帯収入が低いケースでは、自治体に負担軽減を申請できます。

以下では、特養併設型の短期入所生活介護、および介護老人保健施設で運営されている短期入所療養介護を自己負担１割で利用したときの、１日当たりの料金の目安をそれぞれご紹介しましょう。

なお、2024年4月時点での料金であり、１単位10円での計算です。

以下は、特養に併設されたショートステイの１日あたりの料金（目安）です。

要介護度	従来型個室	多床室	ユニット型
要介護１	603円	603円	704円
要介護２	672円	672円	772円
要介護３	745円	745円	847円
要介護４	815円	815円	918円
要介護５	884円	884円	987円

※自己負担１割の場合
※地域・サービス内容によって異なる場合があります。

また、短期入所療養介護（医療型ショートステイ）の１日あたりの料金（目安）は下記のようになります。

	要介護度	従来型個室	多床型	ユニット型個室
老健	要介護１	753円	830円	836円
	要介護２	801円	880円	883円
	要介護３	864円	944円	948円
	要介護４	918円	997円	1,003円
	要介護５	971円	1,052円	1,056円
療養 病床	要介護１	723円	831円	856円
	要介護２	830円	941円	963円
	要介護３	1,064円	1,173円	1,197円
	要介護４	1,163円	1,273円	1,296円
	要介護５	1,253円	1,362円	1,385円
病院・ 診療所	要介護１	705円	813円	835円
	要介護２	756円	864円	887円
	要介護３	806円	916円	937円
	要介護４	857円	965円	988円
	要介護５	908円	1,016円	1,039円

※自己負担１割の場合
※地域・サービス内容によって異なる場合もあります

加算分

ショートステイでは所定のサービス提供体制を整えている施設の場合、別途加算が追加されます。追加される加算は、以下の通りです。

• 個別機能訓練加算
• 専従機能訓練指導員配置加算（常勤で専従の機能訓練員を配置している場合）
• 緊急短期入所受入加算
• 看護体制加算
• 医療連携強化加算
• 療養食加算
• 送迎加算
• 夜勤職員配置加算
• 介護職員処遇改善加算Ⅰ～Ⅳ
• 看取り連携体制加算
• 口腔連携強化加算
• 生産性向上推進体制加算（Ⅰ）
• 生産性向上推進体制加算（Ⅱ）

介護保険が適用されない場合

食費や居住費、レクリエーション費などには介護保険が適用されません。そのため利用者が全額負担する必要があります。

実際の料金は施設ごとに違いますが、有料老人ホームで行われているショートステイの場合だと、１日あたり5,000円～２万円が相場です。

食費と居住費によっては世帯収入によって公費の補助を受けることができ、役所の介護・福祉担当の課・係の窓口にて相談を受け付けています。

ショートステイ利用のメリット・デメリット

ショートステイ利用のメリット

ショートステイの最大のメリットは、介護者の負担を軽減できることです。

特に、仕事と介護を両立している場合や、出張や急な用事があるときには、ショートステイの利用をすることで介護の心配をせずに安心して外出が可能です。

また、介護者はその間、体を休めることができ、心身ともにリフレッシュする機会となります。

さらに、ショートステイは要介護者にとっても施設での生活を体験する場となり、将来的な施設入居の準備にもなります。

リハビリやレクリエーションを通じて心身機能の維持・向上が期待でき、他の利用者やスタッフとの交流を楽しむことができるのも、気分転換や社会的なつながりを保つために有効です。

ショートステイ利用のデメリット

デメリットは、ショートステイの滞在期間は短いため、要介護者が環境に慣れにくく、ストレスや不安を感じることがあります。

特に、認知症を患っている場合には、症状が悪化するリスクも考慮する必要があります。

さらに、ショートステイの連続利用には30日の制限があるため、長期的な利用を希望する場合は追加費用が発生することにも注意が必要です。

また、人気のある施設や時期によっては希望する日程での予約が難しい場合があります。

複数の施設に事前に問い合わせを行うなど、準備が必要です。

事前にしっかりと準備をし、メリットとデメリットを理解した上で、ショートステイを上手に活用することが大切です。

ショートステイの申し込みから利用するまでの流れ

要介護認定を受けた後、担当のケアマネージャーに利用したいとの希望を伝える必要があります。ケアマネージャーはその希望を受けて、本人の心身状態に合った施設を探してくれるでしょう。

利用したい施設が決定した後、ケアマネージャーは利用者本人の介護・医療情報を施設側に伝達し、受け入れ可能かどうかを確認のうえ、正式に申込を行います。

利用する施設が決定した後、ケアマネージャーが施設側の担当者も加えて、ケアプランの作成を行います。

ケアプランが定まったら施設側と正式に契約を取り交わし、サービスを利用します。

このように、ショートステイの利用にはいくつかの手続きや確認事項が伴いますが、ケアマネジャーや施設のサポートを受けながら進めることで、スムーズに利用を開始することができます。

ショートステイ利用の注意点

ショートステイ利用の際には、計画的な準備が重要です。

• ショートステイの予約は早めに申請
• 持ち物の管理に配慮する

まず、ショートステイの予約は早めに申請することが推奨されます。

これは、ショートステイが非常に人気であり、希望する日程での利用が難しい場合が多いためです。

特に、介護者が一時的に家を空ける必要がある際には、ショートステイの利用がよく検討されますが、予約が取れない可能性があることを事前に理解しておく必要があります。

また、利用者が入居中に体調不良が生じた場合には、利用が途中で終了することもあるため、その点も注意が必要です。

次に、ショートステイ利用の際には、持ち物の管理にも配慮が必要です。

施設によっては、すべての私物に名前を記載することが義務付けられている場合があります。

共有スペースでの忘れ物が誰のものであるかを特定するために、記名が必要となります。

ショートステイをスムーズに利用するためには、事前の準備と計画が不可欠です。

ショートステイ施設の選び方のポイント

ショートステイ施設を選ぶ際のポイントをご紹介します。

• 事前に見学する
• 食事の提供方法、内容の確認
• レクリエーションの頻度、内容の確認
• 施設の建物や部屋の清掃状況

実際に施設を訪れることで、印象が大きく変わることがあります。

入居者の様子やスタッフの対応を確認し、安心して利用できる施設かどうかを見極めましょう。

特に、入居者の表情やスタッフの言動に注目してください。

笑顔が見られるか、スタッフが入居者に対して丁寧に接しているかは、施設の質を判断する重要なポイントです。

さらに、レクリエーションや食事の提供方法の頻度・内容も重要な確認事項です。

例えば、食事介助において、1人のスタッフが複数の入居者を一度に担当していないかや、食事のペースを無視して無理に食べさせていないかをチェックしましょう。

レクリエーション活動では、参加者の意欲やスタッフの誘導方法にも注目し、無理強いが行われていないか確認することが大切です。

施設の建物や部屋の清掃状況も見逃してはいけません。

清潔感や整理整頓が行き届いているか、臭いが気にならないかなど、快適に過ごせる環境が整っているかを確認することで、安心してショートステイを利用できるでしょう。