みんなの介護アンケート
【一覧】介護疲れの相談窓口を紹介
介護に疲れたとき、誰かに相談することで気持ちが和らいだことがある方も少なくないのではないでしょうか?
実際、多くの方が誰かに介護の悩みを相談しています。そこで、みんなの介護では「介護疲れの相談を誰にしているか」アンケートを取りました。
以下ではアンケート結果を交えながら「身近に頼れる人がいない方の相談先」も紹介しています。一人で抱え込まず、相談窓口を積極的に活用しましょう。
家族・友人
アンケート結果では「同居する家族」が最も多く、次いで「友人・知人」と続いています。
多くの方が「家族・友人」と答えた背景には相談のしやすさがあります。
家族や知人は相談者の現状を把握しているケースも多く、共感も得やすいことから気軽に相談できるのが特徴でしょう。
もし、近くに家族がいない場合は近所の方と交流を図ってみることもおすすめです。
近所の方たちと信頼関係を築くことで、気軽に相談したり介護をサポートしたりしてくれることがあります。
ケアマネージャー
ケアマネージャーはケアプランの作成だけでなく、介護に関する相談にも乗ってくれる存在です。
抱えている悩みを相談することで、的確なアドバイスをもらうことができるでしょう。また、相談内容からケアプランの見直しを提案してくれることもあります。
要支援1以上の認定を受けている方を介護している場合は積極的に頼りましょう。
医療機関の相談窓口
医療機関の相談窓口でも、介護に関する相談を受け付けています。医療機関内にあることから、入院や通院時に利用しやすいのが特徴です。
ほかの相談窓口と違い、医療ソーシャルワーカーなどの専門家から「退院後の生活のポイント」「要介護者の状態に合わせた介護サービスの提案」が受けられるのもメリットと言えるでしょう。
もし怪我や病気などをきっかけに要介護状態になってしまった際は積極的に利用したい窓口の一つです。
民生委員・地域福祉委員・社会福祉協議会などの相談窓口
公共の相談窓口として、利用できるものとして以下の3つがあります。
- 民生委員
- 厚生労働大臣から委嘱された相談員のこと。
地域の福祉活動を支援している。 - 地域福祉委員
- 社会福祉協議会から委託された相談員のこと。
福祉全般に関する相談対応や、見守り活動などを支援している。 - 社会福祉協議会
- 市区町村に設置された機関のこと。
介護に関する相談から、低所得の高齢者に向けたお金の貸付支援(生活福祉資金貸付制度)も行っている。
自治体によっては上記組織と協力して地域独自の活動や、サービスを提供しているケースもあります。
地域包括支援センター
地域包括支援センターとは、地域内の高齢者に対する総合相談、権利擁護、支援体制づくり、介護予防に必要な援助などを行う公的機関です。
介護保険の申請窓口にもなっており、全国で4,000以上、市区町村に必ず一つは設置されています。
介護サービスだけでなく、介護予防サービスや日常生活支援などの相談もできるので、介護が始まる前に一度は利用したい相談窓口です。
【相談事例あり】地域包括支援センターとは?4つの役割と利用対象者などをわかりやすく解説
介護者同士のコミュニティ
要介護者が集まるコミュニティに参加することもおすすめです。
コミュニティには同じ悩みを抱えた介護者が集まる場とあって、気軽に悩みを相談できるだけでなく、先輩介護者からアドバイスをもらうこともできます。
コミュニティに関する情報は自治体の窓口やホームページなどからも確認できることから、一度検索してみてはいかがでしょうか。
介護疲れを感じる原因
介護者によって、疲れを感じる出来事はさまざまです。以下では介護者が感じる介護疲れの原因を4つ解説します。
- 精神的疲労
- 身体的疲労
- 経済的疲労
- 認知症介護による疲れ
原因を理解することは介護に対する向き合い方を見直すきっかけにもなります。以下で一つひとつチェックしていきましょう。
精神的疲労
要介護者の介護度が上がると、必然的に介護に要する時間も増えていきます。その分「自分の時間」を削る必要が出てきます。
リフレッシュする時間はおろか、睡眠時間も削られることから、介護者にかかる精神的負担は非常に大きくなる傾向があります。
また要介護者への対応だけでなく、ケアマネージャーや介護スタッフとのやり取りにも少なくない時間を取られることから、精神的疲労を感じる方は少なくありません。
身体的疲労
在宅介護では更衣や入浴、排泄などさまざまな場面で介助を必要とします。そのため、多くの介護者が身体的疲労を感じています。
例えば、前かがみの姿勢になりやすい「食事介助」「おむつ交換」などは腰を痛めやすい介助内容の一つです。
経済的疲労
介護保険の活用で介護サービスを利用すると、月々にかかる負担を軽減できます。しかし、介護保険外となるおむつ代や介護に必要な消耗品などは、基本的に自己負担です。
一つひとつは高い値段ではありませんが、使用量が増えると介護にかかる支出も増えることから、今後の家計に不安を覚える方も少なくありません。
また、上記でもふれたように介護に要する時間が増えると、勤務時間が減り、収入が減る可能性もあります。
認知症介護による疲れ
認知症は進行すると、記憶障害や徘徊、暴力暴言などの症状を見せることがあります。こうした症状の進行に合わせた対応が必要となるので、介護者の精神的な疲れも溜まりやすくなります。
また、同じことを話したり会話のキャッチボールが難しくなったりするなど、コミュニケーションの取りにくさも疲れを感じる原因です。
介護うつになる前に検討したいこと
介護疲れに気づかないふりをしたり、我慢し続けたりすると「介護うつ」になってしまう可能性があるので注意が必要です。
介護うつの主な症状は以下の通りです。
- 介護うつの主な症状
-
- 食欲不振・過食
- 睡眠障害
- 疲労感・倦怠感
- 思考障害
- 感情の不安定化
例えば、思考障害では気分が落ち込んだり、消極的になったりとネガティブな状態に陥ってしまいます。
介護者の日常生活に影響を与える「介護うつ」にならないためにも、以下のようなサービスを積極的に利用しましょう。
介護保険サービスを活用する
介護うつの多くは、介護負担を減らすと症状が改善する場合があります。以下では、介護保険で利用できるサービスを紹介します。訪問介護・訪問入浴介護
身体的負担の大きい入浴介助では「訪問介護・訪問入浴介護」を利用しましょう。
訪問入浴は要介護者向けの浴槽を持参し、入浴介助を行います。介護のプロであるホームヘルパーが対応するので、安心してお願いできます。
また、訪問介護では生活援助のサービスを受けられます。身体介護や買い物代行・家事全般をサポートしてくれるので身体的疲労の軽減が期待できます。
デイサービス
自分の時間をつくりたいときは、デイサービスの利用がおすすめです。
デイサービスは要介護者がデイサービスセンターを訪れ、生活支援やレク、入浴介助などのサービスを受けることができます。ほかの利用者とも交流できることから、要介護者の息抜きとしても有効です。
なお、デイサービスセンターへの送り迎えは事業所の送迎車を利用します。
ショートステイ
介護疲れによる体調不良や冠婚葬祭、仕事の出張などで長時間の介護が難しい場合、ショートステイを利用しましょう。
ショートステイは介護施設などに短期宿泊でき、最大30日の利用が可能です。
短期間の利用ですが、要介護者が宿泊している間は介護から離れられるので、介護者のリフレッシュにつながります。
介護スキルを身につける
身体の負担を感じにくい介助方法や要介護者との関わり方などを学ぶことは介護にかかる疲労軽減に効果的です。
例えば、要介護者とのコミュニケーションの取り方を学ぶことで、信頼関係を築きやすくなります。
介護スキルは自治体が実施する家族向けの勉強会や研修を通して学ぶことができます。
老人ホームに入居する
上記で紹介した方法を用いても疲れが緩和されなかったり、在宅介護に限界を感じたりしたときは老人ホームへの入居を検討しましょう。
また介護に余裕があるうちに、施設の特徴やサービスなどの情報を収集しておくと、もしものときも慌てることなく対応できます。
在宅介護と施設介護を比較
在宅と施設介護の違いについては以下の表で比較していますので、参考にしてみてください。
在宅介護 | 施設介護 | |
---|---|---|
メリット |
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デメリット |
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在宅介護の特徴は、要介護者が家族から離れることなく、慣れ親しんだ家で生活し続けられることです。ただし、介護者にとっては精神的・肉体的疲労や介護に費やす時間が大きいといった点に注意が必要です。
一方で施設介護の場合、常に介護職員が見守るため家族にかかる負担は大きく軽減されます。介護に割いていた時間も自由となり、ゆったり過ごすこともできるでしょう。
こうしたメリットは要介護者にもあります。例えば、家族以外の人間とのコミュニケーションは脳が活性化されて認知症の予防などに効果的です。
施設介護のデメリットとしてはプライベート確保の難しさや費用の高いことです。しかし、施設によっては個室を完備しているほか、費用を抑えた施設もあります。
なお、『みんなの介護』では費用や地域だけでなく、さまざまな条件で施設を探すことができます。
希望条件にあう老人ホームを探す入居目的に合ったおすすめの老人ホーム
この項目では身体状況や入居目的にあった施設を紹介します。入居者の状態や希望条件と照らし合わせながら見ていきましょう。
自宅同様の暮らしを送りたい方は「サ高住」
サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)は安否確認や生活支援サービスなどを受けられる、バリアフリーが整った住まいです。
介護サービスを利用する場合は在宅介護と同じく、外部の事業所と契約を結びます。必要なサービスのみを選ぶことで、費用を抑えることもできるでしょう。
また、サ高住は有料老人ホームのように外出時に施設側に届け出る必要がありません。一般的に外泊も自由なため、自宅同様の生活を送れます。
施設によっては共有スペースにシアタールームや温泉などを完備した高級老人ホームもあります。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?入居条件や食事・認知症対応を解説(有料老人ホームとの違いも)
サービス付き高齢者向け住宅を探す入居者同士のコミュニケーションを楽しみたい方は「住宅型」
住宅型有料老人ホームは「生活支援(食事の提供や掃除)」「緊急時対応」といったサービスを追加料金なしで利用できます。なお、介護サービスはサ高住と同様に外部の事業所と契約を結びます。
住宅型の特徴はレクやイベントが豊富なことです。多種多様な催しがあり、ほかの入居者や施設職員とのコミュニケーションを楽しめます。
そのため、ひとり暮らしの高齢者にもおすすめな施設です。
【図解】住宅型有料老人ホームとは?入居条件や特徴・1日の流れを解説
住宅型有料老人ホームを探す手厚い介護や医療ケアを受けたい方は「介護付き」
介護付きは24時間の介護サービスを提供する施設です。
介護付き有料老人ホームの魅力の一つに「医療ケアの手厚さ」があります。介護付きは医療機関と連携しており、定期的な健康診断や訪問診療を受けられます。
加えて、看護職員の配置が義務付けられているため、持病のある方も安心して過ごすことができるでしょう。
また、介護付きは介護サービスを利用する際も外部の事業者と契約を結ぶ必要がありません。介護サービスは施設内で提供され、費用は要介護度ごとの定額です。
さらに居室は原則個室なので、自分の時間を大切にしたい方、プライベートを確保したい方におすすめです。
【特徴がわかる】介護付き有料老人ホームとは?(入居条件やサービス内容など)
介護付き有料老人ホームを探す認知症の進行を遅らせたい方は「グループホーム」
グループホームは認知症の方のみを対象とした施設です。対応する職員は全員認知症ケアに深い知見を持っており、精神的なケアも行われます。
1ユニット9人以下で共同生活を送り、入居者同士で家事の役割分担をしながら自立した暮らしを目指します。環境の変化を苦手とする認知症の方が穏やかに過ごせるよう、アットホームな雰囲気を整えています。
グループホームでは、認知症の症状を和らげるレクやイベントも充実しています。
【図解】グループホームとは?入居条件や認知症ケアの特徴・居室の種類を解説
グループホームを探す施設選びに悩んだら『みんなの介護相談センター』
『みんなの介護入居相談支援センター』では無料で希望条件や入居目的、予算に合った施設を紹介しています。
資料請求から見学予約まで一貫して行っているので「なかなか時間が取れない」という介護者にもおすすめです。
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