外国籍の方も老人ホームに入居できる
外国籍の方も老人ホームに入居することは可能ですが、条件があります。
まずはじめに外国籍の方が日本の老人ホームに入居するための条件について解説していきます。
介護保険料を納めていることが条件
日本に住所があり、3ヵ月以上の期間を日本で暮らす40歳以上の外国籍の方は、日本人と同じく介護保険の被保険者です。
すなわち、日本人と同じように介護保険料を納めていれば、介護保険制度を利用して介護サービスを受けられます。
2012年に法律が改正された
改正前までは、外国籍の方が介護保険の被保険者の対象になるには「入国1年以上」の外国人の方という条件でしたが、2012年に住民基本台帳法が改正され、「住民基本台帳に登録されている在留期間が3ヵ月以上」の外国人の方という条件になったため、対象範囲が広がりました。
改正以前の外国籍の方は住民票に登録されることなく、介護保険を含むほとんどの行政サービスの対象から外されていました。
しかし、住民基本台帳法の改正によって在留期間が3ヵ月以上であれば、住民票を作成し「世帯」として登録されることになったのです。
希望条件に合う施設を探す介護保険料は日本人と同じ
外国籍の方が介護保険に加入した場合、支払う介護保険料は日本人と同額です。
外国人の方の場合も日本への長期滞在が認められているケースでは、日本人と同様の扱いです。
なお、介護保険料は自治体によって費用が異なります。住んでいる地域の介護保険料を必ず確認しておきましょう。
介護保険料についての詳細は以下の記事で解説しています。
外国籍の方が老人ホームに入居するまでの流れ
ここでは、外国籍の方が老人ホームに入居するまでの流れを解説していきます。
基本的には、一般的に老人ホームに入る流れと変わりはありません。
要介護認定を受ける
介護保険料を納めていて介護が必要になった場合で、まだ要介護認定を受けていない場合は、市区町村の窓口に認定申請を行いましょう。
老人ホームの入居条件として介護認定を受けていることを条件として設けていることが多いので、要介護認定を受けることで入居する施設の種類が絞りやすくなります。
要介護認定を受けるとケアプランの作成ができ、老人ホームへの入居といった介護サービスが利用できるようになります。
希望施設が決まったら資料請求をする
希望条件がまとまったら、入居したい施設を探しましょう。
施設探しのなかで気になる施設があれば、資料請求をして施設の詳細な情報を確認しましょう。
資料には、施設の概要や料金プランや設備、職員体制が掲載されています。
また、写真なども掲載されているので入居後の生活を具体的にイメージできるでしょう。
「みんなの介護」では、資料請求や見学の日程調整、入居までをトータルサポートしています。老人ホームへの入居を検討している方は以下のボタンから「みんなの介護 入居相談センター」へご相談ください。
外国籍の方が老人ホームに入居する際の注意点
続いて、外国籍の方が老人ホームに入居するときの注意点を解説していきます。
手続き方法が異なる場合もある
外国人の方も日本人同様、見学や体験入居を通して入所したい老人ホームを探すことに変わりはありません。
実際に入居するときには、施設によって外国籍の受け入れ体制や手続きに違いがあります。
日本語能力次第で、契約内容やサービスの内容、緊急時の意思決定時に苦労することが考えられるので、入所を希望する施設に手続きや対応の流れなどを確認してみましょう。
なにか困ったことがあれば、各自治体の介護保険課で相談できます。
保険料の手続きと納付を忘れない
外国籍の方が日本の介護サービスを利用するためには、保険料の手続きと納付を忘れないことが大切です。
介護保険料は40歳になると納めることが義務付けられており、日本国内に住所があって3ヵ月以上、日本で暮らす40歳以上の外国人の方は、日本人と同じく介護保険の被保険者です。
介護保険料を納付していないと、介護保険サービスを受ける場合の自己負担額が増えますので確実に納付しましょう。
介護保険料を滞納した場合に取られる措置は以下の通りです。
- 1年以上滞納した場合
- 利用者が介護サービス費用を全額負担する。後から申請を行うことで給付費が払い戻される。
- 1年6ヵ月以上滞納した場合
- 利用者が介護サービス費用を全額負担する。滞納分を納付するまで、申請により払い戻されるはずの保険給付費の一部または全部が一時的に差止めになる。
滞納が続くと差し止められていた保険給付費から充てられることもある。 - 2年以上滞納した場合
- 保険料を支払えなくなり、利用者負担割合が1割と2割の方は3割に、3割の方は4割に引き上げられる。また、>高額介護サービス費の支給が受けられなくなる。
入居前に文化の違いなどを職員と共有する
日本に長く住んでいても、生まれ育った国の価値観や文化、習慣などはなかなか変えられないものです。
日本式の価値観や習慣をどこまで受け入れられるかが、老人ホームで快適に暮らせるかのポイントになります。
入居前から施設の職員としっかりコミュニケーションを取り、自分が生まれ育った文化や生活スタイル、興味や関心事などを伝えることが大切です。
場合によっては、自分に合った食事を用意してもらえたり、小さな頃に慣れ親しんだ遊びをレクリエーションのなかに組み込んでくれたりしてくれることがあるかもしれません。
どこまで受け入れてもらえるかを事前に確認することが大切です。
希望条件に合う施設を探す外国籍の方におすすめの老人ホーム
最後に外国籍の方におすすめの老人ホームを解説していきます。
ひとりに不安を感じている方はサ高住
サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーが完備されており、安否確認や生活相談といったサービスを提供しています。
共同生活が前提の老人ホームと違って、高齢者向けの賃貸住宅に位置付けられているため、生活の自由度が高く、日本の文化や習慣に慣れていない外国人の方にもおすすめの施設です。
もし介護が必要な場合は、外部の介護事業者と契約します。
それまで自宅で利用していた介護サービスを引き続き利用できる点も大きなメリットです。
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サ高住を探すイベントを楽しみたい方は住宅型
住宅型有料老人ホームは、比較的元気な方がシニアライフを満喫できるような施設やサービスを提供しています。
介護サービスを利用する場合は、自分で好きな介護サービスを選び利用します。
施設ではイベントやレクリエーション、サークル活動などが豊富で、入居者同士のコミュニケーションも盛んに行われています。
季節行事や趣味活動をはじめゲームやおやつ作り、ボランティアによるイベントなど、外国籍の方も気軽に日本の文化に親しむことができます。
【図解】住宅型有料老人ホームとは?入居条件や特徴・1日の流れを解説
住宅型有料老人ホームを探す24時間介護を受けたい方は介護付き
介護付き有料老人ホームは、食事や入浴、排泄など日常生活を送るときに必要な介護を24時間体制で受けられる施設です。
毎月の介護サービス費は要介護度に応じて定額なので、予算を立てやすいでしょう。
また、医療的ケアや看取りまで対応している施設も多いため、「終の棲家」として選ぶ人も多く住み替えの心配がなく生活ができます。
民間による老人ホームなので、施設数が多く、希望条件に合わせた施設を探せます。
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