【一覧表】老人ホーム・介護施設の種類ごとの特徴を比較する
老人ホームとは高齢者が入所する施設の一般的な呼称のことです。
かつて日本では高齢者が入所する施設のことを養老院、あるいは養老施設と制度上呼んでいました。しかし、1963年(昭和38年)制定の老人福祉法によって「老人ホーム」が正式名称となりました。
老人ホームには大きく分けて公的施設と民間施設の2種類があります。さらに、入居する方の介護度や費用、認知症の有無などによってさまざまなタイプの施設に分けられます。
そして、上の図に「費用相場」や「入居のしやすさ」などのさらに細かな情報をまとめたのが以下の表です。
種類 | 運営 | 入居金相場 | 月額相場 | 自立 | 要支援 | 1~2要介護 | 1~2要介護 | 3~5認知症 | 認知症 | 重度看取り | 入居の しやすさ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
介護付き 有料老人ホーム |
民 | 間 施 設0~ 1,380万円 |
14.5~ 29.8万円 |
||||||||
住宅型 有料老人ホーム |
0~ 380万円 |
8.8~ 19.1万円 |
|||||||||
サービス付き 高齢者向け住宅 |
0~ 27万円 |
11.1~ 20万円 |
|||||||||
グループホーム | 0~ 16万円 |
8.3~ 13.8万円 |
※1 | ||||||||
ケアハウス | 公 | 的 施 設0~ 30万円 |
7.5~ 12.4万円 |
||||||||
特別養護 老人ホーム |
なし | 10~ 14.4万円 |
|||||||||
介護老人 保健施設 |
なし | 8.8~ 15.1万円 |
|||||||||
介護医療院 (介護療養型 医療施設) |
なし | 8.6~ 15.5万円 |
【民間施設】介護施設の種類ごとの特徴
民間施設では、家賃や食費などの入居費用は各施設が個別に設定しています。
そのため月額利用料は事業者ごとに大きく異なり、高級志向の施設もあれば、入居費用を抑えた施設もあります。
自立の方から要介護の方まで幅広く対応でき、個人のニーズや経済状況に合わせて入居先を選べる点が大きな特徴です。
上の一覧表で紹介したように、民間施設には大きく以下の4種類があります。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- グループホーム
なお、有料老人ホームやグループホームでは、入居時に入居一時金が必要となるケースが多いです。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは本格的な介護や生活支援にはじまり、広範なサービスを入居者の状態に合わせて提供する施設。
さまざまな生活介助だけでなく、必要に応じて看護やリハビリなどもサポートできます。
タイプは介護専用型(要介護の方のみ可)、混合型(自立、要介護の方のどちらも可)の2種類に分けられますが、まれに”入居時自立”を条件とした「自立型」も存在します。
また、介護保険サービスが定額となっているため、「月々の予算が立てやすい」ことがメリット。
介護サービス費用は”要介護度によって決められた定額”を負担(負担額は原則1割ですが、所得によっては2~3割負担)します。
介護付き有料老人ホームの費用は後ほど詳しく解説します。
【特徴がわかる】介護付き有料老人ホームとは?(入居条件やサービス内容など)
種類 | 介護付き | 住宅型 | サ高住 | |
---|---|---|---|---|
施設 | サービス食事の提供 生活相談 見守り・安否確認 |
|||
介 サ ー ビ ス |
護 保 険身体 | 介護利用した 介護サービスが定額 |
利用した 従量課金(限度額あり) |
介護サービスの分だけ|
生活 | 援助||||
健康 | 管理||||
機能 | 訓練||||
レク | リエー ション||||
提供元 | 入居する施設 | 近隣の介護事業所 | ||
費 | 用契約 | 方式入居一時金(利用権) | 敷金(賃貸) | |
入居時に かかる 相場 |
0~1,380万円 | 0~380 | 万円0~27 | 万円|
月額 | 相場14.5~29.8万円 | 8.8~19.1 | 万円11.1~20 | 万円
介護付き有料老人ホームを検討したい方は、以下のボタンから探してくださいね。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、介護が必要ない自立の方からある程度の要介護度がある方まで幅広く多く入居する施設です。
老人ホームの特徴である、生活を充実させるためのイベントやレクリエーションが充実しており、ほかの入居者とコミュニケーションをとって楽しく生活できることが魅力です。
【図解】住宅型有料老人ホームとは?入居条件や特徴・1日の流れを解説
種類 | 介護付き | 住宅型 | サ高住 | |
---|---|---|---|---|
施設 | サービス食事の提供 生活相談 見守り・安否確認 |
|||
介 サ ー ビ ス |
護 保 険身体 | 介護利用した 介護サービスが定額 |
利用した 従量課金(限度額あり) 介護サービスの分だけ |
|
生活 | 援助||||
健康 | 管理||||
機能 | 訓練||||
レク | リエー ション||||
提供元 | 入居する施設 | 近隣の介護事業所 | ||
費 | 用契約 | 方式入居一時金(利用権) | 敷金(賃貸) | |
入居時に かかる 相場 |
0~1,380 | 万円0~380万円 | 0~27 | 万円|
月額 | 相場14.5~29.8 | 万円8.8~19.1万円 | 11.1~20 | 万円
住宅型有料老人ホームを検討されている方は以下から施設をお探しください。
住宅型有料老人ホームを探すサービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は介護施設ではなく、あくまで住宅として扱われる住まい。
外出や外泊できるケースが多く、のんびりと老後を暮らしたい方におすすめの施設。自由度の高い生活を送れる点にメリットがあります。
この”サ高住”には「一般型」と「介護型」があり、一般型で介護を受ける場合は、外部事業者による居宅サービスを利用します。
介護型(特定施設)の場合は、担当の介護職員が介護サービスを提供します。
なお、高齢者向けの公的な賃貸住宅としてシルバーハウジングがありますが、実際には民間のサ高住が同様の役割を果たしています。サービスの内容・質の面において、シルバーハウジングとサ高住の間に大きな差はありません。
また、かつて高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)といった民間の高齢者向け住宅がありました。現在では制度上、高専賃、高優賃ともにサ高住に組み込まれています。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?入居条件や食事・認知症対応を解説(有料老人ホームとの違いも)
種類 | 介護付き | 住宅型 | サ高住 | |
---|---|---|---|---|
施設 | サービス食事の提供 生活相談 見守り・安否確認 |
|||
介 サ ー ビ ス |
護 保 険身体 | 介護利用した 介護サービスが定額 |
利用した 従量課金(限度額あり) 介護サービスの分だけ |
|
生活 | 援助||||
健康 | 管理||||
機能 | 訓練||||
レク | リエー ション||||
提供元 | 入居する施設 | 近隣の介護事業所 | ||
費 | 用契約 | 方式入居一時金(利用権) | 敷金(賃貸) | |
入居時に かかる 相場 |
0~1,380 | 万円0~380 | 万円0~27万円 | |
月額 | 相場14.5~29.8 | 万円8.8~19.1 | 万円11.1~20万円 |
サ高住を検討されている方は以下から施設をお探しください。
サービス付き高齢者向け住宅を探すグループホーム
グループホームは、認知症の方が5人から9人程度の少人数でユニットをつくり、専門職員からサポートを受けながら共同生活をする施設です。
入居者ができること、できないことに応じて、洗濯や料理などの役割を担いながら暮らしているのが大きな特徴。
自分ができることは自分で行うことで、認知症の進行をゆるやかにしつつ、並行して専門職員のケアを受けられることがメリットです。
【図解】グループホームとは?入居条件や認知症ケアの特徴・居室の種類を解説
グループホームを検討されている方は以下から施設をお探しください。
グループホームを探す【公的施設】介護施設の種類ごとの特徴
公的施設とは行政機関が管轄を行う施設で、月額利用料が民間施設よりも安めです。
また、要介護度の重い人や低所得者層など、在宅介護が困難な人を優先的に受け入れる傾向があります。
公的施設には「介護保険3施設」と呼ばれる特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院と、ケアハウス(介護型)などがあります。
ケアハウス
ケアハウスは、経済的な負担が比較的小さい「軽費老人ホーム」の一つ。
自宅での単身生活に不安を覚えていたり、家族の協力を受けられなかったりといった事情を持つ高齢者向けの施設です。
従来の軽費老人ホームにはA型・B型と呼ばれるタイプもありましたが、現在はすべてC型にあたるケアハウスとなっています。
ケアハウスには一般型と介護型があり、一般型では家事などの生活支援サービスが提供されます。一方の介護型は生活支援サービスに加え、介護サービスが利用可能。
入居対象者は60歳以上と幅広いために待機者が多く、特別養護老人ホームほどではありませんが、入居までに一定の期間が必要です。
【特徴がわかる】ケアハウスとは?入居条件や費用・軽費老人ホームとの違い
ケアハウスを探す特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム、通称「特養」は「要介護3以上」の認定を受けている方が対象の施設で、要介護度1~2の方の入居には自治体からの特別な許可が必要となります。
介護保険によって低価格でサービスを受けることができ、看取りまで対応可能。近年は、従来型の個室(旧型)に対し、ユニット型(新型)と呼ばれるタイプが増え、さらに手厚い介護を受けられるようになりました。
そんな特養は終の棲家としても人気の施設ですが、待機者が多くなかなか入居できないこともあります。入居の順番は、本人を取り巻く状況を鑑みて緊急性が判断され、それを数値化して優先度が決められます。
なお、看護師は夜間滞在せず、日常的な医療ケアが必要な場合は入居ができない可能性もあります。
【わかりやすく解説】特養(特別養護老人ホーム)とは?入所条件・費用・申し込み方法
介護老人保健施設
介護老人保健施設、通称「老健」は退院後すぐに在宅生活に復帰できない状態の高齢者が、数ヵ月程度滞在することを目的とした施設です。
リハビリを重視している人が選ぶ老人ホームとして適しています。
入所者の在宅復帰を目指した施設のため、ほかの介護施設に比べて入所期間は短いことが特徴です。
リハビリの専門職である理学療法士や作業療法士などが常勤しており、質の高いリハビリが受けられます。
初期費用がかからず、民間よりサービス費用が抑えられることも魅力です。
なお、申し込みから3ヵ月~半年くらいでの入所となることが特養と比べて早いと言われることも多いですが、それぞれの施設の役割は異なっているので、入居時には各施設の違いを理解したうえで検討してください。
介護医療院(介護療養型医療施設)
介護医療院は2018年4月に創設されたばかりの施設。医師の配置について、介護療養病床に相当するⅠ型は入居者48人あたり1人、老人保健施設に相当するⅡ型は入居者100人あたり1人を義務付けられています。
また、たん吸引などの医療設備も充実していることから、要介護者の方のなかでも特に医療ニーズが高い方に対応できます。
看取りやターミナルケアも行っているため、終の棲家としての検討も可能。
ただし、完全個室ではなく、パーティションなどで分割されている場合も多いため、プライバシーの確保には注意が必要です。
なお、伝染病などへの罹患、長期入院が必要な場合は入居できない可能性あるので、その場合は別途施設の担当者と相談してください。
【わかりやすく解説】介護医療院とは?利用のメリットやデメリット・費用を解説
養護老人ホーム
養護老人ホームは、特別養護老人ホームと名前が似ているため、同じ施設だと思い込んでしまう方も少なくないかと思います。
しかし、養護老人ホームは経済的・環境的に困っている人を支援するために用意された施設で、「介護」ではなく「養護」を目的としています。
そのため、特養や通常の老人ホームは施設と「契約」をして入居するのに対し、養護老人ホームは市区町村からの「措置」としての入居となります。
以前は介護サービスが認められていない時期がありましたが、現在は介護を必要とする場合、介護保険の居宅サービスを受けることができます。
【図解】養護老人ホームとは?入所理由や対象者・施設の役割を解説
施設の種類を理解したところで、次は施設それぞれの費用について紹介します。
費用の相場は、施設を比較・検討するうえで必ず理解しておきましょう。
種類ごとの費用から考える介護施設の選び方
この月額相場は、種別ごとに「最も安い価格帯、最も高い価格帯のそれぞれ2割を除外」した「残りの6割を主な価格帯」として算出。
施設を探している方の実感により近い数字となっています。
なお、公的施設は収入や介護度によって決められた定額を記載しています。
介護付き有料老人ホームは介護サービスが充実しているのでやや高め
特養や老健などの公的施設と比べると、比較的費用が高め。
しかし、費用が高い分充実した介護サービスを受けられるというメリットがあり、看取り対応可能な施設が多いです。
施設によってサービス内容が違うので、リハビリ重視や設備重視など相性の良い施設を見つけやすいうえに、どれだけサービスを受けても月額利用料が一定です。
介護付き有料老人ホームを探すサ高住は安めの費用で安心の見守りサービスが受けられる
サ高住は老人ホームではなく、高齢者向けに整備された賃貸住宅なので、初期費用は敷金礼金のみ入居できます。
メインは安否確認と生活相談の見守りサービス。
「基本的には一人で生活できるけど、何かあった時が心配」という方に最適です。
もちろん介護サービスを利用したいときは、個人で要介護度に合わせたサービスを利用できます。
予算に合ったサ高住を探すグループホームは低価格で認知症ケアを受けられる
グループホームの対象は、認知症の高齢者のみ。
認知症対応型共同生活介護施設となっており、認知症に精通したスタッフのもとで安心して生活できます。
基本的には5〜9人のユニットで共同生活をします。
認知症予防や自立した生活を目的としているため、入居者同士で家事などの役割分担をしながら生活する点が他の施設との大きな違いです。
予算に合ったグループホームを探す特養は費用を抑えられるが待機者が多く、入居しにくい
特養は、少ない費用で24時間の介護サービスを受けられます。
公的施設なので費用負担が少ないため、入居待機者が圧倒的に多いことが特徴で、入居条件は要介護3以上と厳しくなっています。
看取りまで対応してくれるので「終の棲家」としても利用できる施設ですが、仮に条件を満たしていてもすぐには入居できないケースが多いです。
施設それぞれの費用の特徴を理解したところで、次は施設ごとに設けられている入居条件を紹介します。
特に公的施設は入居条件が厳しいので、条件をきちんと満たしているか確認することが重要です。
種類ごとの入居条件から考える介護施設の選び方
1.介護度ごとに受け入れ可能な老人ホーム
自立した方でも入れる施設
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの中には、自立の方を受け入れる施設が多数あります。
みんなの介護が行ったアンケート調査では、「将来の備えとして老人ホームに住みたい」と希望する高齢者の方は全体の4割に上りました。自立のうちから老人ホームに入ることは、決して珍しいこと・不自然なことではありません。
自立して生活できるのであれば、老人ホームに入居する必要がないのではとも思う方もいるかもしれません。
しかし元気なうちから老人ホームに住むことで、要介護状態になっても急に生活環境を変えることなく、同じ施設で介護を受けながら住み続けることができるのです。
自立の方が老人ホームに入る場合、入居条件が「自立可」でイベントやレクリエーション、サークル活動が盛んな施設を選ぶと、入居後の生活が充実するでしょう。
より詳しく知りたい方は「介護が不要でも「将来への備えとして老人ホームに住みたい」と希望する人は約4割!どんな選択肢がある?」もご覧ください。
自立の方でも入居可能な施設を探す介護を必要とする人が入れる施設
2.認知症に対応できる老人ホーム
認知症の方を受け入れ可能なのは、主に特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、グループホームの3つです。
認知症に対応する4つの居室タイプ
認知症に対応する施設は、居室のタイプによってさらに区別できます。居室のタイプは大きく以下の4種類に分けられます。
- 個室
- ユニット型個室
- 多床室
- ユニット型個室的多床室
「個室」は居室ごとに一人で生活するタイプで、「ユニット型個室」は9人程度を1組としたグループ生活を送るタイプ。
「多床室」は1つの部屋で4人が生活するタイプで、「ユニット型個室的多床室」はユニット型個室と同様にグループ生活を送りますが、個室ではなく仕切りのある多床室で生活するタイプです。
どの居室のタイプを採用しているかは施設によって変わってきます。グループホームであれば「ユニット型個室」、有料老人ホームであれば「個室」ですが、それ以外の施設は居室のタイプが施設ごとに違います。
グループホームを探すグループホームは「地域密着型」の施設なので注意が必要
認知症の方のみが対象となるグループホームは、地域密着型の介護保険サービスに該当します。
そのため、「医師から認知症の診断を受けていること」「要介護2以上」という入居条件だけでなく、基本的には施設がある地域に住民票がないと入居できません。
同じ地域で過ごしてきた人が集まるので、入居者同士も打ち解けやすいです。
3.看取りの対応が可能な老人ホーム
「平成30年3月 高齢者施設等における医療ニーズ対応のあり方に関する調査研究報告書(野村総合研究所)」を参考に算出
予算や介護度に合わせたベストな選択はどの施設の種類なのか
ここまで全8種類の老人ホームを見てきましたが、結局「自分に合った施設はどの種類なの?」と思っている方は多いはず。
以下では、それぞれの予算や介護度に応じて、最適な施設の種類を紹介していますのでぜひ参考にしてください。
介護の負担が増えてきた方は介護付き有料老人ホーム
24時間365日介護サービスが受けられる介護付きなら、認知症や看取りにも対応可能です。
費用が高い分手厚い介護サービスを受けられるので、介護の負担が増えても安心して生活できます。
さらに、介護の負担が増えてくると介護サービス費がかさみがちですが、施設に入所すると定額の月額費用の支払いとなるので、金銭的な心配も少なめです。
介護付き有料老人ホームを探す必要な分だけ介護を受けたい方は住宅型有料老人ホーム
基本的には自立・軽度の要介護の方が多い住宅型では、生活を充実させるためのサービスがメインです。
そのため、介護サービスは外部のサービスを個人的に利用する形となり、必要な分だけ自由に組み合わせながら利用できます。
介護サービス費は利用した分だけの支払いとなり、希望に応じた介護サービスを選択できることが特徴です。
住宅型有料老人ホームを探す認知症介護を受けたい方はグループホーム
グループホームは認知症患者のみを対象とした少人数制の施設なので、認知症患者に特化した介護を受けられます。
そのため、認知症に精通した専門スタッフが多く在籍していることが大きなメリットです。
スタッフや他の入居者と共同生活を行いながら身体の衰えを防ぐことを目的としており、家事などの役割分担がある点が特徴です。
グループホームを探す一人暮らしが不安な方はサービス付き高齢者向け住宅
老人ホームではなく賃貸住宅に該当するサ高住は、自立~介護度が軽度な方が対象。見守り(安否確認)や食事サービスを受けたい方に最適です。
あくまでも賃貸住宅なので、プライバシーが守られることはもちろん、生活リズムもご自身のペースで過ごせます。
介護サービスが必要になったとしても、外部のサービスを自由に利用できます。
サ高住を探す自立した生活が難しくなってきた方はケアハウス
自宅での生活が困難な方や低所得の方を対象としているケアハウスは、少ない費用で食事や洗濯、掃除などの生活支援サービスを受けられる施設です。
国や自治体から運営補助を受けている公的施設なので、所得に応じた無理のない金額で利用できます。
主に一人暮らしをしている低所得の高齢者が入居しており、一般型と介護型の2種類があるので安心です。
ケアハウスを探す充実した介護サービスを利用したい方は特別養護老人ホーム
特養は、24時間体制の介護サービスや看取りなど幅広い要望に対応できるだけでなく、公的施設なので収入に応じた費用で入居できます。
要介護3〜5の介護度が重い方を対象としているため、充実した介護サービスを利用できます。
なお、「入居待機者数が多い」「医療サービスを受けられない施設がある」という点に注意が必要です。
リハビリをして在宅復帰を希望する方は介護老人保健施設
老健は、病院から退院して自宅に帰宅するためのリハビリをするために利用する方が多い公的施設です。
介護サービスに加えて、充実したリハビリ環境での指導や医師のサポートを受けられることが特徴です。
なお、在宅復帰を目的としているので、長期滞在はできません。自宅での生活基盤が整うまで安心して過ごしたい方に向いています。
手厚い医療サービスが必要な方は介護医療院
介護医療院は、介護度が重い高齢患者を対象にしており、生活支援だけでなく医療サービスも受けられます。
医師が配置されて手厚い医療サービスを受けられるため、定期的に医療措置が必要な方でも安心です。
さらに、看取りにも対応可能。
喀痰(かくたん)吸引や経管栄養などの長期的な医療サービスが必要な方に最適です。
気になる施設は見つかったでしょうか。入居したい施設が見えてきたところで次は、実際に入居までどのような流れになるのか1つ1つ説明していきます。
老人ホーム・介護施設の入居までの流れ
老人ホームや介護施設では、申し込みから入居までおよそ1ヵ月が目安です。
入居までの流れを知っておくとスムーズに入居できるので、事前に確認しておきましょう。
資料請求から入居まで流れをフローチャートで確認
介護施設の入居相談は誰にするべきか
施設選びでは、担当ケアマネージャーや地域包括支援センター、入居相談員などに相談するのが一般的です。
性格に合った施設を一緒に考えて欲しい場合は、ご自身の生活環境に詳しいケアマネージャーが最適でしょう。
利用できる施設の種類や各施設の詳細を知りたい場合は、地域包括支援センターや入居相談センターなら詳しく教えてくれます。
担当のケアマネージャー
ケアプランの作成やサービス事業者の調整をするケアマネージャーは、日常生活のさまざまな面でいつでも相談にのってくれます。
生活環境はもちろん、本人の要望や性格、家族構成なども把握して対応してくれることが特徴です。
メリットは、入居者のことを理解した目線でアドバイスをくれること。
一方で、施設についての知識量はケアマネージャーごとに個人差があります。
お住まいのエリアの地域包括支援センター
高齢者の総合相談を目的とする地域包括支援センターは、市町村が定める日常生活圏域(30分でかけつけられる圏域)ごとに必ず設置されています。
場所や利用方法が分からない場合は、市町村の介護保険担当窓口に問い合わせましょう。
地元の施設情報に詳しいうえに、施設選び以外のことも相談できるのがメリットですが、毎回足を運ぶ必要があります。
【相談事例あり】地域包括支援センターとは?4つの役割と利用対象者などをわかりやすく解説
入居相談センターのプロの入居相談員
入居相談センターは、高齢者施設や介護施設を紹介する専門窓口。
身体状況や経済状況などを細かく聞いたうえで、最適な施設をアドバイスしてくれます。
日本全国の施設に対応しており、扱っている施設数も多いので、相性の良い施設を見つけやすいでしょう。
手厚い対応はもちろん、オンラインにも対応している手軽さも特徴です。
当サイト「みんなの介護」も施設数No.1の老人ホーム検索サイトとなっており、条件に合った施設を探せます。
まずは介護施設の資料請求をする
まずは、全国にはどんな老人ホームがあるのか、最新の情報をチェックします。
「みんなの介護」では、全国の老人ホームに関する情報を、ほかのサイトにはない「360度パノラマ写真」と合わせて掲載しています。
空室はすぐに埋まってしまうこともあるので、気になる老人ホームが見つかったときは、お早めに問い合わせをして資料請求してくださいね。
希望の条件から施設を探す希望の施設を見学する
情報収集の次は、見学・相談を行いましょう。場の雰囲気や実際の食事、スタッフの対応など、サイトでは得られない“生きた情報”を得ることができます。
「みんなの介護」経由なら、見学・相談のアポイントもかんたんです。
ケア体制を確認する
サービス面では、食事の内容や入居後の生活相談、そしてケア体制をしっかりとチェックしましょう。特に介護・医療面でのケア体制が合っていないと、入居後に要介護度の上昇を招くことにもなりかねません。
職員の対応や施設の設備をチェックする
また、職員の質は入居者の生活の質にかかわることでもあるので、入居者に対する態度や身だしなみなどを見学時にさりげなくチェックしましょう。
設備状況は、介護や医療にかかわるものだけでなく、居室の過ごしやすさや娯楽設備も含めて全体的に評価することが大事です。
施設によっては、温泉やジム、麻雀卓なども用意しているので、自分の趣味に合った設備が用意されているか確かめましょう。
仮申し込みで希望する施設をおさえる
気に入った施設が見つかった場合、仮押さえの入居申し込みをして、必要な書類(診療情報提供書や健康診断書)の用意や、入居前面談の日程決めなどを行います。
施設にもよりますが、仮押さえの期限は概ね1ヵ月程度なので、契約に向けての準備は早めに進めましょう。
入居前に契約内容を確認する
入居する施設を決めたら、契約の前に契約書や重要事項説明書(職員体制、サービス内容、費用が書いてある書類)などを読み返し、最終確認をします。
トラブルを避けるため、特に費用面については細部まで確認が必要です。
わからないことがあれば、積極的にスタッフに相談しましょう。
老人ホームの種類にまつわるQ&A
介護費用は在宅と施設でどれだけ違う?
ご家族に介護が必要になったとき、ほとんどの方が悩むのが「在宅で介護を頑張るか、老人ホームに入所するか」の選択です。
以下の表は、在宅介護と施設介護のメリットとデメリットを整理したものです。
介護 | の 種類メリット | デメリット |
---|---|---|
在宅 | 介護
|
|
施設 | 介護
|
|
家族が老人ホームへの入居を考えるとき、「本人に申し訳ない…」「冷たい家族だと思われたらどうしよう…」「この先、後悔しないだろうか…」と悩む方は少なくありません。
その一方で、在宅介護で疲弊しきってしまい、自身の体調を壊してしまう家族はたくさんいます。
その結果として本人との関係にも悪影響が出始め、せっかく仲の良かった家族が壊れてしまう…ということも実際にある話。
そうならないためにも、施設への入所は決して「申し訳なさ」や「冷たさ」の延長にあるわけではない、皆にとってベストの選択となる場合も多いということを知っていて欲しいのです。
一番大切なのは、家族全員が納得をして決断できること。
以下の記事では、在宅介護と施設介護についてさらに詳しく解説していますので、参考にしてみてくださいね。
生活保護で入れる老人ホームの種類は?
生活保護を受けている方の受け入れ先として真っ先に挙げられるのが、特別養護老人ホームです。
公的施設であることから、低費用で入所できると人気の老人ホームです。
しかし、要介護3以上という入居条件にもかかわらず、いまだ多くの待機者がいることは大きな問題になっています。
そんな特養の現状がある一方で、民間施設には生活保護受給者向けの料金プランが用意されている場合も少なくありません。
とりわけ、住宅型有料老人ホームの約3割がそうしたプランを提案しているとのデータもあるのです。
生活保護で入れる老人ホームについては、「Q.生活保護を受けていても老人ホームには入れるものでしょうか 」で理学療法士の阿部洋輔さんが詳しく解説してくれていますので、あわせてチェックしてみてください。
また、すぐに生活保護の相談が可能な老人ホームを検討したい方は、以下のボタンから探してくださいね。
生活保護の相談が可能な施設を探す年金だけで入れる老人ホームはある?
ご本人が実際に受け取る年金受給額にもよりますが、年金だけで入居できる老人ホームは多いと言えます。
厚生労働省によれば、性別に関係なくすべての年金受給者の平均受給額を算出したところ、その額は約22万円。月額利用料が22万円以内で収まる施設は多数あります。
ただし、老人ホームの費用相場は地域によって異なる点に注意しましょう。例えば地価の高い東京のような大都市圏だと家賃が高めで、年金だけで入居費用をまかなうことが難しい施設も多くなってきます。特に、富裕層向けの高級志向の有料老人ホームなどは月額利用料が高めで、年金だけで対応するのは難しいかもしれません。
さらに詳しく知りたい方は「年金だけで老人ホームに入居できますか?」もご参照ください。
終身利用が可能な老人ホームはある?
終身利用できる老人ホームは多数あります。老人ホームの契約には「終身契約」と「一定期間の契約」の2種類があり、入居時に終身契約を締結している場合、亡くなるまで退去する必要はありません。
ただし、終身契約可=看取り対応可というわけではない点に注意しましょう。終身利用可の老人ホームであっても、看取り対応の体制が整っていないために、終末期になると退去の必要性が生じるケースもあります。
例えば、終末期になると昼夜問わず医療面でのサポートが必要になりますが、そのためには看護師が夜間にも常駐していることが不可欠です。老人ホームの中には看護師は日中のみ常駐している施設も多く、その場合、点滴や喀痰吸引のような医療行為が夜間にも必要になったときは退去の必要があります。
また、入居者自身が認知症や精神疾患によって他の入居者に迷惑をかけることが増えた場合も、終身契約を締結していても退去を求められるのが一般的です。認知症の進行により暴言・暴力などの行為が見られた際、共同生活ができないと判断されると退去を求められます。
他にも、入居中に病気や怪我により入院し、入院期間が長引く場合も、特別養護老人ホームなどでは退去を求められる可能性が高いです。一方、民間の有料老人ホームなどの場合、月額費用さえ払い続けていれば退去の必要はなく、そのまま終身利用を続けられる場合が多く見受けられます。
終身利用が可能な施設を探す他の人はこちらも質問
老人ホームはどんなところか?
老人ホームは高齢者が入居する施設の総称で、日常生活支援や介護サービスなどを提供します。
老人ホームには公的施設と民間施設の2種類あり、公的施設は行政の管轄で費用が安めで、民間施設は民間が運営しているので、費用は施設ごとで定められており、公的施設より費用は高めですが独自のサービス、設備を整えています。
有料老人ホームは何種類?
有料老人ホームは介護付き、住宅型、健康型の3タイプです。介護付きは充実した介護サービスを提供し、ニーズに合わせた対応が可能です。
住宅型は食事の提供、洗濯など日常生活のサポートを行います。健康型はレクリエーションやイベントなど盛んに実施されており、アクティブな生活を送りたい方に向けた施設です。
老人ホームは何件?
有料老人ホームは1万3,525件、グループホームは1万2,124件、特別養護老人ホームは7,891件となります。
介護付き、住宅型有料老人ホームの件数は多いですが、健康型の施設件数はかなり少ないです。
介護施設ってどんな施設?
公的施設は特養、老健、介護医療院、介護療養型医療施設、ケアハウスです。
民間施設は有料老人ホーム(介護付き、住宅型、健康型)、グループホームとなります。介護療養型医療施設は2023年度の廃止が決まっています。