銀座や築地で有名な中央区。交通の便が良い介護付き有料老人ホームも
中央区は東京都23区の一つで、23区のちょうど中央に位置しています。
商業施設が立ち並ぶ日本橋や銀座、市場などで有名な築地といった名物エリアが区内に多数存在します。
隅田川が東京湾に流れ込む場所でもあり、晴海埠頭(はるみふとう)も区内にあります。
東京都観光汽船の隅田川ラインや、東京都公園協会が運行する水上バス「東京水辺ライン」なども楽しめる町です。
千代田区の東京駅と、区の北西で隣接しており、駅の南東に日本橋エリアが広がります。
中央区にはビルやマンションが多い分、一戸建て住宅は月島などの南部エリアにしかありません。
昔からの観光、商業などの主要エリアで、交通は発達。東京メトロ「銀座線」や「日比谷線」、都営地下鉄「都営浅草線」「都営新宿線」などが停車し、中央区から都内のさまざまな場所にアクセス可能です。
また、地下鉄だけでなく、JR東日本の「総武快速線」や「京葉線」のほかにバスも豊富で、観光客だけでなく、住民の足としても活躍しています。
中央区は、区内に住む高齢者のために、基本的な介護サービス以外にも、独自の高齢者福祉サービスを展開。「高齢者の住まい支援」などを行っています。
そのなかの一つである「住み替え支援」では、自宅の維持が困難な高齢者に対して、民間賃貸住宅への住み替えを支援し、介護が必要な高齢者のために特別養護老人ホームなども確保しています。
東京都中央区の高齢者人口は2040年までには20%を突破
中央区は東京都の23区の一つ。銀座や日本橋、築地、晴海埠頭などのエリアが有名で、商業施設や飲食店、企業のオフィスなどが多数ある街です。
区内にはJR東日本や東京メトロ、都営地下鉄などが通っており、江戸バスや都営バス、中央区コミュニティバス「江戸バス」といったバス路線も豊富です。
晴海埠頭には晴海客船ターミナルがあり、さまざまな船が発着。水上バスや東京都観光汽船といった水路を活用した乗りものも止まる街で、交通アクセスが大変発達しています。
銀座や日本橋などの大型商業地域とオフィス街を有するため、昼間は人口が60万人を超えますが、昔から定住人口は少なめです。
しかし、近年は増加傾向にあり2013年は定住人口が13万人でしたが2017年には15万人まで増加。2023年には約17万人となっています。
住宅としてはマンションなどが多く、一戸建てのような低層住宅はわずかしかないのが特徴です。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
商業などの集積地ですが、東京23区の中では台東区に次いで2番目に面積が小さい街で、2018年の総人口は15万6,823人、世帯数は8万9,132世帯。2023年には総人口17万4,074人、世帯数9万2,533世帯です。
高齢者人口も緩やかに増加中で、中央区は2018年から3,485人増加、2023年には2万5,519人、高齢化率は14.7%と高齢者人口は増えていますが、総人口自体が増加しているため高齢化率は低い水準で推移しています。今後も高齢者人口は増えるものの、高齢化率は下がっていくようです。
年齢別にみると、65歳~74歳の前期高齢者は概ね横ばい状態が続きますが、75歳以上の後期高齢者は増加すると予測されています。
中央区は後期高齢者の増加にともない、要支援・要介護認定者も増えることが懸念し、支援体制を構築中です。
要支援・要介護認定者数は年々増加している
中央区は比較的高齢化率は低めですが、要支援・要介護認定率は全国平均や東京都の平均よりもやや高めで、要支援・要介護認定者数も年々増加しています。
2024年の要介護認定者数は合計5,742人となっています。
要支援・要介護認定者数を年齢別にみると、2018年から2023年の間に総数では1.11倍増加しましたが、65~74歳では0.97倍と減少、75歳以上の後期高齢者は1.13倍増加しており、後期高齢者の方が増えているのがわかりました。
2018年と2023年のデータを比較すると、要介護要支援共に増加していますが要介護5の認定者数は1.02倍に留まっています。
認知症の高齢者数も増加しており、2018年には4,911人でしたが2023年には5,472人と増加しています。
第1号被保険者数に占めるサービス受給者数の割合(受給率)では、居宅サービスと地域密着型サービスは増加し、施設サービスは減少しています。
実際、介護保険サービスの利用者数は、訪問介護や通所リハビリテーションなどの「居宅サービス」と、認知症対応型デイサービスや夜間訪問介護看護などの「地域密着型サービス」は2007年度から増加中です。
しかし、特別養護老人ホームへの入居などの「施設サービス」の利用者は、2013年度をピークに微減傾向にあります。
中央区は「主観的健康観の向上」を目指している
中央区では、平均寿命を伸ばすだけでなく、健康寿命を延ばすことを目標に掲げ、介護予防活動を実施中です。
介護や療養が必要な状態になっても、生活に満足感を感じられるように、「主観的健康観の向上」も目指しています。
健康維持のためには病気の早期発見・早期治療が重要として、各種健康診査の内容の拡充や、受診率の向上にむけた普及活動、いきいき館などでの健康づくり講座などを推進中です。
健康づくり活動としては、筋力アップにつながるトレーニングなどを行う「さわやか健康教室」などを開催。中央区主催の健康教室や高齢者クラブで体操を指導する「さわやか体操リーダー」の養成もしています。
また、総合スポーツセンターなどのスポーツ施設での運動の継続を支援。「元気応援サポーター」などの区民ボランティアを積極的に育成し、地域で住民同士が自主的に健康づくり活動を行う環境を構築中です。
そんな状況のなか、中央区はオリンピック開催に向けて、高齢者がスポーツを始める雰囲気を盛り上げ、スポーツ教室や健康づくり教室を紹介しています。
「はつらつ健康教室」では、各種健康診査などを実施し、がん検診や生活機能評価、高齢者歯科健診などを通し、高齢者の健康状態を把握。現状を理解することで、自分にふさわしい健康づくりを発見するきっかけになっているようです。
中央区では一人暮らし高齢者への地域包括ケアに注力
中央区では、地元に密着した中央区らしい地域包括ケアシステムを構築中です。
「社会参加も含めた介護予防」「生活支援」「医療ケア」「介護サポート」「住まい」などを柱に、多角的な高齢者ケアを行うことで、高齢者の健やかな生活を守ろうとしています。
筋トレなどを行う健康教室の開催や「健康づくりガイドブック」の配布、高齢者向けの予防接種の実施や住宅改修の補助など、高齢者ケアの内容は実に多彩です。
中央区は全国平均や東京都の平均と比べると、一人暮らしの高齢者の割合が高く、高齢者のいる世帯のなかで一人暮らしの高齢者の割合は43%。今後も一人暮らしの高齢者が増加すると予測されています。
それに伴う高齢者の孤立化や孤独死などを回避するため、中央区は声かけや安否確認などを実施中です。
他の市区町村と比べると、まだまだ高齢者の少ない街ですが、介護保険サービスの利用者は多く、要介護1~3の認定者は「デイサービス(通所介護)」、要介護4~5の認定者は「訪問介護」を多く利用しています。
特に訪問介護は介護度にかかわらず需要が高いため、中央区では訪問介護サービスや、同等の福祉サービスを通じて、高齢者宅の家事や買いもの代行、身体介助などを実施し、生活を支えています。
中央区は、日常生活圏域として中央区内を「京橋地域」「月島地域」「日本橋地域」の3地域に区分。高齢化率を比較すると、日本橋地域は京橋・月島地域と比べ高齢化率が低め。中央区は現状を把握し、地域別の福祉サービスなども検討しています。
東京都中央区の福祉サービス運営適正化委員会とは?
中央区では、高齢者の悩みを解決する手助けとして、各種相談窓口を設置しています。
地域包括支援センターである「おとしより相談センター」では、高齢者について相談できる総合相談窓口を設けており、介護保険などの福祉サービスについての悩みや疑問、生活の不安など、さまざまな相談が可能です。
社会福祉士や認知症地域支援推進員などの専門スタッフが対応するため、具体的な相談ができるのも魅力的。在宅療養の相談も可能で、車イスなどの福祉用具の指導やアドバイスも受けられます。
また、健康づくり講座や出前「はつらつ」体験講座を開催しており、健康についての相談も可能。振り込め詐欺や悪質な訪問販売などについての相談や、高齢者虐待に関する相談もできます。
さらに、中央区では医師会や歯科医師会による「かかりつけ医、かかりつけ歯科医の紹介・相談」や、保健センターでの健康相談を実施。健康に関する相談も気軽にできるようにしています。
病院や診療所・歯科診療所に対する苦情は、東京都医療安全支援センターが受け付けており、診療に関して納得がいかないことなどがあれば申告可能です。
そして、「不動産取引相談」「土地家屋調査測量・表示登記相談」といった土地にかかわる相談も実施。司法書士相談や行政書士相談もあり、法律に関する難しい相談もできます。