”老後の安心”はあらゆる種類の老人ホームが増床する練馬区で手に入ります
副都心線や大江戸線の開通によって、その立地的価値が注目されている練馬区は近年、マンションの建設ラッシュに湧いています。
介護施設に目を向けてみると、有料老人ホームの数は23区内で最も充実していると言っても過言ではありません。
介護付有料老人ホームが多いのですが、24時間看護サービスや医療施設との提携によって万全の医療ケアがあるところ、認知症高齢者のケアに注力しているところなど、さまざまな特徴を持った施設から選ぶことができます。
数が多いために利用料もさまざまですが、平均的に見ると港区や世田谷区といった高級住宅街を擁する区よりは低額のところが多く、利用しやすい環境が整っていると言えるでしょう。
環境面でも、練馬区は都内で随一。畑などの農地など、至るところに自然が残っており、犯罪の件数も23区内ではトップレベルの少なさで、治安の良さも特筆すべき点です。
さまざまなファクターを鑑みると、高齢者にとって、またその家族にとって“安心”できる地域。東京で生活することを考えると、それは何ものにも代えがたいはずです。
2023年の練馬区の高齢化率は22.0%と低い数値
総人口は2023年度時点で約73.8万人で、東京23区のなかでは世田谷区に次ぐ2番目に人口の多い練馬区。
65歳以上の高齢者人口は約16.2万人、全人口に対する割合は22.0%です。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
練馬区は都心部まで概ね電車で30~45分圏内の為ベッドタウン化されており、現状では生産人口が多い故に高齢者率は比較的低く推移しています。
しかし13年前の2010年と比較すれば3万人近く高齢者の方が増えていますので、本格的に高齢化の波が到来。区も2035年には65歳以上の高齢者が4人1人の割合になると予測しています。
なかでも問題視されるのは、65歳以上の高齢者の中で一人暮らしをしている方、それから65歳以上の方のみで構成されている世帯数の多さです。
高齢者のみの世帯は約6.8万世帯あり、うち一人暮らし世帯が約3.9万世帯、高齢夫婦世帯は約2.9万世帯。地区別で見ると石神井地区が若干多くなっているようです。
65歳以上の高齢者の中で要支援以上の認定を受けている方は2024年時点で約3万人、中でも要介護1以上の認定を受けている方が2.3万人と多くなっています。現状でも高齢者の22.7%の方が要支援以上の認定を受けています。
また練馬区の発表では、要介護認定を受けている方の約70%が何らかの認知症の症状があるとされており、そのうち50%近くの方は見守りなどの介護支援を必要としているという現状です。
施設の利用から在宅介護へのシフトが顕著
練馬区の介護サービスで最も多くの保険料が投じられているのが、訪問介護と通所介護。要支援の方は要介護の方に比べ少ないので、介護保険の使用としては要介護の6割程度となっています。
介護(居宅型)サービスに関しては、介護保険の認定を受けている民間の有料老人ホームなどの利用に対する費用負担が大きくなっています。
しかし、その有料老人ホームの利用料を除いた純粋な居宅型サービスだけの合計を見ると、後述する施設サービスの約2倍となっており、在宅介護が顕著。
施設サービスは公共の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の利用で、いずれも練馬区が計画していた数値を下回っているので、こちらからも在宅介護へのシフトがうかがえます。
また、地域密着型サービスで介護保険料が最も多く投入されているのはグループホームだという点は注目に値するでしょう。
健康長寿若返り事業などの独自の介護予防を展開
練馬区の介護予防は「介護予防・日常生活支援総合事業」として「介護予防・生活支援サービス事業」と「一般介護予防事業」で構成されており、高齢者の介護予防と自立の支援を行っています。
介護予防・生活支援サービスはいわゆる訪問介護や通所型(デイサービス)などの事で、高齢者相談センターが行うケアプランの作成なども含まれます。
練馬区独自の事業にはシルバー人材センターの会員による軽易な日常生活上の支援があり、同年代の方が行うサービスなのでお互いに気心が知れるというのは良いポイントでしょう。
また、ひとり暮らしの高齢者を対象に無線送信器などを貸与して、緊急事態に陥った時にボタン1つで消防署に救援を仰げるサービスや、ボランティアの方が週1回自宅を訪問したり、安否確認の電話をするサービスもあります。
一方の一般介護予防事業は現状の把握や介護予防運動の啓蒙、高齢者支え合いサポーターというボランティア活動など、どちらかといえば草の根運動的な活動になります。
特に健康長寿若返り事業や食のホットサロンなどが練馬区独自の介護予防事業です。
そして、週1回ではありますが会食や健康体操などのデイサービスに近い内容のサービスを受けられたり、週1回~3回会食だけの為のデイサービスもあります。
上記のサービスはいずれも高齢者相談センターで受け付けており生活状況や心身の健康状態をチェック、場合によっては要介護認定も行います。
そのチェック状況に基づき介護予防や生活支援の計画を作成し、サービスを利用していくのが全体の流れです。
練馬区の地域包括ケアの特徴は「街かどケアカフェ」
練馬区の地域包括ケアシステムの3本の柱は住まい、医療、介護であり、この3つを繋ぐ橋渡し役になるのが包括支援センターです。
区内の約25ヵ所の包括支援センターの区域ごとに、地域包括ケアシステムは形成されます。
何よりも地域包括ケアシステムはネットワーク作りを重視しており、高齢者相談センターに医療と介護の同時相談窓口を開設して、両面の相談に乗れる連携推進員を配備しています。
練馬区独自の特徴は「街かどケアカフェ」の存在です。
街かどケアカフェは高齢者などが集まってお茶を飲みながら介護予防や様々な相談が出来る拠点であり、区で直接運営している所と提携団体が独自に運営している場所があります。
区の運営している場所は現在2ヵ所、高齢者相談センターに併設され、専門のスタッフによる健康に関する相談やアドバイス、介護体操の実施や薬の講座など総合的に医療や介護の支援になる施策を行っています。
一方、提携団体が運営している街かどケアカフェは認知症の方やその家族が集まる場所を設けたり、音楽や絵画の教室、介護予防体操などで体を動かす事もしています。
また出張型の施策として高齢者相談センターが区立の施設などで、介護予防や認知症カフェを実施していますので、近くに街かどカフェの施設がなくても利用できる可能性は十分にあります。
保険福祉サービス苦情調整委員制度とは
練馬区が行っている「保健福祉サービス苦情調整委員制度」は介護保険や福祉サービスに対する苦情や不満を受け付けます。
利用者からの苦情には公平な立場で接し、必要に応じて調査を実施。場合によっては事業所に注意や勧告、改善要求の意見表明を行います。
その苦情調整委員は弁護士2名に元行政職員1名の計3名構成です。
またそれとは別に、専門の相談委員が常駐しており、申し立てにまでに至らなくても相談は可能。
苦情調整委員との取り次ぎ役も兼ねており、面談の時間などの予約も受け付けています。
申し立てができる内容は、高齢者の介護施設や障害者の施設、子どもなどの福祉サービスについてです。
具体的な内容は施設の入所に関する事や施設での待遇、スタッフに対する苦情などで、一般的な行政への苦情窓口ではありません。その他、気になる事はまず相談委員にかけあってみるのが良いでしょう。
ただし、1年以上前の出来事や現在裁判等で係争中の案件、既に処理済みの件は相談できません。
苦情の申し立てはまず事前に事務局に電話連絡を入れます。基本的に本人が行う必要がありますが、配偶者や親族、同居人でも可能です。
そこで相談員と話をし、申し立てに至ると判断されれば、苦情調整委員との面接日を予約してくれます。
面接の際には「苦情申し立て書」が必要になりますが書式はホームページに掲載されていますので、ダウンロードをして必要事項を記入の上、練馬区役所の事務局まで持参して下さい。