高齢者にとって明媚な“小江戸”が住みやすい
“小江戸”の別名を持つ川越市は、埼玉県内では数少ない文教地区として有名ですが、都内で働く人たちのベットタウンとして人気です。
そんな川越市は高齢者福祉計画「すこやかプラン・川越」で、特別養護老人ホームの施設を計画的に整備・建設していくことを明記しています。
それと同時に、老人ホーム入居にあたっての相談窓口となる地域包括支援センターの増設も予定されており、高齢者福祉の体制充実を図る動きが見られています。
費用面では、川越市はさいたま市や川口市よりも低額で利用できる施設が多いという特徴があります。
入居一時金が100万円を超えるようなところは少なく、月額利用料も数万~17万円前後で利用できる老人ホームが多く見られます。
川越市は温暖で過ごしやすい気候。1年を通じて穏やかに暮らせるのは、高齢者の健康にとって大きなメリットと言えるでしょう。
市内からは関東平野を囲む山々を眺めることができ、のどかな風景を楽しみながらゆっくりとした時間が過ごせるはずです。
また、新宿や池袋からの鉄道路線が多く、渋谷や横浜方面まで直通運転が始まっています。交通アクセスの良さが抜群のため、入居者ご本人はもちろん、ご家族にとっても利便性が高い土地。他都県にお住まいの方も、川越市の老人ホームへの入居を考えてみてはいかがでしょうか。
2035年には高齢化率は30%を超える予想
川越市は埼玉県南西部の大都市で、県内ではさいたま市、川口市に次いで3番目に人口が多い都市です。
総人口の増減は横ばい状態ですが、子どもの数が減少している反面、高齢者数は増加しており、川越市にも少子高齢化の波が押し寄せています。
2015年の総人口は34万9,387で、0歳~14歳の人口は4万5,537人、高齢者数は8万4,779人、高齢化率は24.3%だったものが、2017年にはそれぞれ35万1,654人、4万5,172人、8万9,916人、25.6%、2023年には35万3,183人、4万1,718人、9万5,418人、27.0%となっています。
2023年の高齢者の内訳を見ると、65歳~74歳の人口が4万3,316人、75歳~84歳の人口が3万8,267人、85歳以上は1万3,835人となっており、後期高齢者の人数が多くなっています。
4人に1人以上は高齢者という状況のなか、川越市は介護予防や介護支援サービスが高齢者に行き届くように努めており、2030年には高齢者数は10万4,769人、高齢化率は29.7%、2040年には高齢者数11万5,842人、高齢化率33.8%になると推定されています。
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
2030年には、65歳以上の人口が10万4,000人を超えるともいわれており、川越市では超高齢社会の到来に向け、さらなる高齢者福祉サービスの充実が求められています。
また、高齢者がいる世帯、高齢者の一人暮らし世帯の増加も著しく2020年の調査では、65歳以上の高齢者の一人暮らし5万4,281世帯、75歳以上の高齢者の一人暮らし世帯は1万1,037世帯となっており、更なる増加が見込まれています。
さらに、高齢者の夫婦世帯も増加しており、居宅サービスなどのサポートを必要としている世帯が多くなっています。
1万人以上の高齢者が介護保険サービスを利用している
川越市では、2000年に誕生した介護保険サービスを利用する人は年々増加しています。2010年に7,777人だった利用者は2024年には1万4,594人まで増加しています。
2010年では居宅介護サービス利用者数5,848人、施設サービス利用者数1,620人、地域密着型サービス利用者数309人でしたが、2024年には、居宅介護サービス利用者数1万406人、施設介護サービス利用者数2,272人、地域密着型サービス利用者数1,916人と増加しています。中でも居宅介護サービス利用者数は14年で4,558人増加しています。
2017年には認定者数が1万3,579人となり、2024年には1万7,904人まで増加。。認定者の内訳を見ると、要介護1認定者と要介護2認定者が多く、要支援1・2認定者も年々増えています。
より良い介護保険サービスを提供するため、川越市は市内各エリアに地域包括支援センターを設置。訪問介護や訪問看護や訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導といった自宅でも使えるサービスや、デイサービスやショートステイなど、介護保険で利用できるサービスを紹介しています。
健康体操「いもっこ体操」を介護予防のために実施
川越市では介護予防サービスの充実を目指し、「いきいきエイジング(介護予防)」を行っています。
例えば、健康体操「いもっこ体操」「ときも運動教室」など、楽しく体を動かす活動を実施。ラジオ体操も普及させています。
「いもっこ体操」は、川越市が推進する転倒骨折予防のための健康体操で、筋力やバランス感覚を培います。座って行う体操もあり、誰でも気軽に参加可能です。
現在、「いもっこ体操」を行う自主グループは170を超えており、そういったグループの活動を介護予防サポーターがフォロー。そのため、川越市では介護予防サポーター育成講座にも力を入れています。
「ときも運動教室」は転倒防止を目的とした運動教室で、理学療法士などプロによる指導のもと、運動プラグラムに添った体操や、栄養や口腔ケアについても勉強が可能。これらは介護保険施設や医療機関が会場となっています。
健康教室・講座も多く、川越水上公園やウェスタ川越では「シェイプアップ運動教室」、総合保健センターでは「からだうれしい食事教室」や「成人健康教室」、介護予防普及啓発事業などを実施。さまざまな勉強や運動が可能です。
総合保健センターでは「体力アップ倶楽部」、「ときも体力測定会」も行っており、楽しく体力づくりができるのが魅力です。
老人クラブ支援で高齢者の生きがいづくりを促進している
川越市では、ずっと元気に暮らせるように「いもっこ体操」などの介護予防事業を充実させ、健康づくりを推奨。高齢者の相談窓口として地域包括支援センターやケアマネージャーを配置し、介護が必要な人には居宅サービスや施設サービスを提供しています。
高齢者が適切な医療を受けられるように、利用期間や薬局の整備を行い、高齢者の孤独化・孤立化を防ぐべく、地域全体での見守りや、地域ネットワークを充実させています。
在宅医療や在宅介護の連携の強化や、認知症対策、交通環境の整備などによる安全に暮らせる環境づくり、認知症サポーターや介護予防サポーターの育成、民間企業による新聞配達や配食サービスを通した見守りなども推進。
高齢者の生きがいづくりも大事にしており、社会奉仕活動や文化活動などを行う老人クラブを支援。生涯学習ができる「市民講座」や「川越大学間連携講座」、介護予防にもなるレクリエーションなどを実施する「老人福祉センター」や「老人憩いの家」を運営しています。
さらに、「シニア銭湯デイ26事業」や「健康ふれあい入浴事業」による、公衆浴場の入浴料金の助成も行っていますし、高齢者のはり・きゅう・マッサージの利用券の交付なども実施。川越市は高齢者が生きがいを持ち、安心して健康的に暮らせるようさまざまなサポートを実施しています。
川越市の福祉サービス運営適正化委員会とは?
川越市は「あんしんサポートネット」を設置し、高齢者や知的障害者などが安心して暮らせるよう、福祉サービスの説明や利用援助、日常の手続きのアドバイスや代行、金銭管理や書類・判子などの預かりサービスなどを実施しています。
サービスの利用は一部有料ですが、相談は無料で電話での相談も可能。1人30分で完全予約制ですが、無料で法律相談も行っています。市役所3階の市民相談室やウェスタ川越、高階市民センターでは、弁護士による本格的な相談も実施しています。
川越市自立相談支援センターでは、生活困窮者への支援制度を開始し、病気などで生活に困っている人を対象に自立相談支援も行っています。専門の支援員が一人一人に合わせたアドバイスをしてくれるので、何でも相談できるのが魅力です。
「諸事情で家賃が払えない」「住む場所が無い」といった悩みも相談可能で、住居確保給付金や一時生活支援事業などのフォロー制度があります。
また、木造住宅の簡易耐震診断の相談も可能で、市民相談の「建築相談」では簡易耐震診断が受けられます。
また、川越市消費生活センターでは、振り込め詐欺や架空・不当請求、商品などの契約トラブルなど、消費に関わる苦情や相談に応じています。トラブルを未然防止のため、川越市消費生活出前講座も無料で実施。高齢者を狙う手口とその対策が学べます。
さらに、シルバー人材センターでは、高齢者の就労相談を受け付けていますし、ウェスタ川越市民相談室では内職相談も実施しています。いずれも登録は無料なので、気軽に利用することができます。