華麗な桜並木をはじめ、園芸・植栽のメッカといえる都市

埼玉県内ではやや北側に位置する、鴻巣市。
「日本一長い水管橋」や「日本一高いピラミッドひな壇」のような、全国記録を有する名所が集まっていることで有名になりつつあります。
県内で見ると東京都に近い都市だとはいえませんが、都内から見たベッドタウンの一角をなす都市のひとつです。
とはいえ、豊富な水源を生かした農地が広がるエリアがいまだに残っており、また植栽や園芸関連の実績では目を見張るものがあります。
「さくらまつり」のような、草花の美しさをモチーフとしたイベントの開催でも人気があり、毎年市内・市外を問わずおおぜいの見物人が殺到しています。
市内を走る鉄道といえばJRの高崎線に限定されますが、遠方に通勤する市民にとっては欠かせない足となっています。
道路事情はもっと特殊で、意外なことに市内を走る高速道路が現在まったくありません。
国道17号線や、合計10数本におよぶ県道・地方道がその代わりの機能を発揮しています。
バスについては、東武バスウエスト・朝日バス・川越観光がしのぎをけずっており、サービスはどの路線についても優れています。
また、市のオリジナルのコミュニティバスに加えて近接する多気郡吉見町のバスが市内の一部を運行範囲としています。
市内の人口は20世紀が終わる直前まで、「伸び盛りだった」とみなしてかまわないでしょう。
21世紀に入るやいなや増加がストップしたことは、今振り返ると少し不思議なほどの変化でした。
この15年くらいは横ばいに近い状態が続いていますが、じわじわと減少しているという意見を唱える有識者がたまに登場しています。
市内の少子高齢化の実態については、県全体の足取りとほとんど変わりません。
2023年の調査によれば高齢化率は30.5%でした。
県全体の介護事情は、埼玉県の行く末を重なる部分が多いと考えられており、介護施設の増設やサービスの見直しなどに関して、研究対象とされることもあるようです。
グループホームが市内各地に、この10数年で急激に増えたことも、かなり象徴的な出来事でしょう。
認知症高齢者が増えていることも一因ですが。
特別養護老人ホームや老人保健施設への人気の偏りを解消する上でも、喜ばしい変化だとみなされてきました。
また、サービス付き高齢者向け住宅や介護付き有料老人ホームの進出も、同じように喜ばしい変化だと受け取られています(どちらのタイプも、費用面では多少割高ですが、それを補ってあまりあるサービス面でのメリットがあります)。