サービス付き高齢者向け住宅の建設ラッシュもあり、選択肢に幅が

神戸市中央区は、名前の通り市全体の、そして兵庫県全体の中核をなす行政区分です。
しかし区として発足したのは1980年と比較的遅めでした(既存の2区「葺合区」「生田区」が統合されたことが端緒です)。
明治期の情緒を今に伝える異人館のような建築物や中華街として知られる南京町など、エキゾティシズムに包まれた地域がある点はこのエリアの大きな魅力のひとつです。
その一方で都市開発のスピードも目覚ましく、特に瀬戸内海沿岸を中心に未来型の都市計画を一望できます。
ポートアイランドやHAT神戸などはまさにその典型でしょう。
生活に必要な物資はほぼ問題なく手に入る地域で、エンターテインメントをほしくなったときもほぼ近場で間に合います。
交通インフラは縦横に張り巡らされています。
鉄道について確かめると、なんといっても山陽新幹線と神戸線の駅があることが最大のメリットでしょう。
そのほか阪急電鉄(神戸本線・神戸高速線)、阪神電気鉄道(阪神本線のほか、これまた神戸高速線が健闘しています)も庶民の大切な足として根付いています。
神戸新交通(ポートアイランド線)や神戸市営地下鉄(山手線・海岸線)、そして北神急行電鉄も忘れてはならない路線を管轄しています。
バスの種類が豊富なことも顕著なPR点でしょう。
神戸市営バスや神戸交通振興のほか、阪神バス・阪急バスなど数社が快適なサービスを提供しているためです。
区内の人口は、1960年以降は30年以上にわたって、下がり続けてきました。
しかし1990年代半ばから巻き返しがはじまり、2010年前後になると、約30年前とほぼ変わらない水準に回復しました。
2023年には13万9,208人、高齢化率23.4%との調査結果が出ています。
高齢化率は市全体のデータや兵庫県全体よりも低い数値となっています。
今後とも人口の維持のための政策を随時実施しながら、高齢者向けの福祉事業を広げていくことが大事でしょう。
区内では今のところ公的な施設の数はまだ多めという印象です。
ただしサービス付き高齢者向け住宅などに関しては、ちょっとした建設ラッシュが少し前に起こっており、数がだいぶ増えつつあります。
その他の高齢者向け住宅も、追随する形で増えているところです。
これらの施設はケースバイケースではありますが、独特の持ち味を発揮していることが多く、それに魅せられる見学者も少なくありません。