県内でも老人ホームが格段に多く、比較検討しやすい
![](https://img.minnanokaigo.com/a_address_n/data/PIC-20150501143748.jpg?w=480)
岡山県の南端にあり、瀬戸内海に面した街、倉敷市。
岡山市と隣接しており、ベッドタウンという特色を持っています。
そして、西日本でも有数の工業都市であることと、観光都市である面も見逃せません。
古い街並みが残る一角もあれば、現代的な商業施設も豊富にあり、多彩な魅力にあふれる都市です。
そんな岡山市は、高齢者にとっても魅力的な街です。
あえて言うならば、自動車がないと暮らしにくい都市のため、高齢化すると移動が不便になるという欠点はあるかもしれませんが、それもタクシーやバスの利用などで十分解決できます。
岡山市に通勤・通学する人や、倉敷市独自の産業に従事する人たちが多く、市内の人口は増え続けてきました。
1980年代後半には、伸びるスピードは落ち着いたものの、90年代以降はまた勢いが戻ってきています。
最近では高齢化率の上昇が話題となっており、2023年に、高齢化率は27.8%に上がりました。要支援・要介護認定者の数も毎年確実に増えていることは周知の事実です。
倉敷市でも、数々の高齢者福祉政策を実行に移してきましたが、当初計画したほど利用されていないケースが目立った時期がありました。
その反省から、近年では各制度のPR活動がかなり意欲的に進められています。
介護給付サービスや介護予防事業について特に促進が行われており、老人ホームや高齢者専用住宅のサービス拡大についても改善されてきました。
もともと、県内のほかの地域と比べて施設が格段に多いのが倉敷市の特徴。
施設の種類や価格帯についても、かなり選択の幅が広いというメリットがあります。
倉敷市では、入居一時金や月額使用料が比較的安価な施設も豊富に見受けられます。
気になる施設があれば、よく見学して比較を重ねて決めることをおすすめします。
倉敷市は観光スポットが多く利便性が高いことから、高齢者にとって住みやすい都市になる可能性が高いです。
特にエネルギッシュに動き回ることが好きな高齢者にとっては、魅力のあるスポットがたくさんありますから、いつまでも退屈しないエリアになりそうです。
全国と同様に高齢化が急速に進行
倉敷市は、昔ながらの町並みを残す「倉敷美観地区」や、大原美術館などの観光スポットに恵まれており、観光客が多く訪れる街です。
瀬戸大橋があるため、四国への玄関口にもなっています。
ロケーションが良く、さまざまな資源に恵まれた倉敷市は人気が高く、総人口は増加傾向にありますが、ほかの都市同様に高齢化が進んでいます。
![倉敷市の高齢化率](https://img.minnanokaigo.com/js/upload/images/20240621140430__1.png)
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
2023年の総人口は47万7,799人、高齢者数は13万2,958人で、高齢化率は27.8%でした。
今後も高齢者人口は増加して高齢化は上昇し続けることが予測されています。
推計では、倉敷市の2025年の高齢化率は30.1%、2040年には33.9%、2050年には36.1%となると考えられています。
このように、倉敷市でも全国と同様に高齢化が急速に進行しつつあるのが分かります。
倉敷市は、全体的に75歳以上の後期高齢者の数が増えており、要支援・要介護認定者も、75歳以上になると急激に増えることが分かっています。
倉敷市では、高齢者の生活サポートとともに、「要介護にならない、介護度が上がらない状態」を目標として介護予防などに力を入れています。
通所介護の利用率は全国平均を上回る
倉敷市では2000年の介護保険サービスの発足以来、介護保険の利用者数が増え続けています。
2010年の要介護認定者数は2万133人、2015年の要介護認定者数は2万5,027人、2020年の要介護認定者数は2万8,657人、2024年には2万9,830人となっており、内訳を見ると要介護1認定者が多いのが特徴です。
![倉敷市の要介護認定者数](https://img.minnanokaigo.com/js/upload/images/20240621140500__2.png)
なお、サービス利用の内訳を見ると居宅サービスが71.6%、地域密着型サービスが16.3%、施設サービスが12.0%です。倉敷市は在宅介護を続けつつ、居宅サービスを利用する方が多い傾向にあります。
「生きがいと創造の事業」では高齢者の文化活動も支援
![スーツを着て指示棒を持った若い女性と、笑顔で腕を組む高齢男性](https://img.minnanokaigo.com/js/upload/images/20191108142925_.png)
倉敷市では、介護予防にもつながる「健康維持」を重視し、「生活習慣病対策推進事業」や「健康づくり事業」、「機能訓練事業」などを実施しています。
「機能訓練事業」では、寝たきり防止出前健康教室、転倒予防教室、機能訓練などを「くらしき健康福祉プラザ」で開催中です。
健康への知識を深めるため、健康教育にも力を入れており、健康づくりボランティアや老人クラブの会員、一般市民を対象に、集団健康教育を定期的に実施。
高齢者が骨粗鬆症や歯周病などを理解し、予防について学べるようにしています。
「介護家族健康教育」では、介護者が高齢者の健康管理するために必要な知識を伝えます。
また、胃がん検診や大腸がん、前立腺がんなどのさまざまな健康診査を実施しており、年々受診率はアップしています。
また、介護家族健康相談や総合健康相談などの健康相談を実施し、訪問栄養指導も実施中です。
さらに、生きがい対応型デイサービスでは、60歳以上で介護保険の認定を受けていない人を対象に、憩いの家や老人福祉センターでヨガやフラダンス、太極拳などが習えるサービスを実施しています。
「生きがいと創造の事業」では、絵手紙や陶芸、健康体操などの講座を開催しており、毎週1回専門講師による本格的な講座が受けられるのが魅力です。
そのほか、高齢者の創作した作品が発表できる「シルバー作品展」の開催や、公園清掃などのボランティア活動の支援も実施。
さまざまな活動を推進することで、高齢者の引きこもりを防止し、寝たきりを予防しています。
高齢者同士で交流できる「ふれあいサロン」も実施している
![地域包括ケアシステムのイメージ](https://img.minnanokaigo.com/js/upload/images/20191023152608_.png)
倉敷市では、高齢者が幸せに暮らしていけるよう、高齢者を守るケアシステムを構築しています。
サポート内容は多彩で、「介護予防・生活支援事業」では、引きこもりぎみの高齢者の生活サポートなどを実施。
地域のボランティア団体などが主催する「ふれあいサロン」では、仲間づくりなどのコミュニケーションが楽しめます。
社会福祉協議会が「高齢者の心配ごと相談事業」による相談窓口を設置。
定期的な相談会も行っていますし、民生委員による訪問相談も可能です。
「給食サービス事業」では、高齢者や障がいのある人に、栄養バランスの良い食事を宅配。
宅配時に安否確認なども行います。
「一人暮らし高齢者等福祉電話貸与事業」では、安否確認のための福祉電話を貸し出しています。
「日常生活用具給付事業」では、寝たきりや一人暮らしで生活に困っている人を対象に、老人用手押車や電磁調理器、火災報知器などを給付。
また、「老人メガネ購入費支給事業」では65歳以上の非課税者を対象に、メガネの購入費用を一部助成しています。
さらに、「ねたきり高齢者等理美容サービス事業」では、寝たきりや認知症などで、理美容室に行けない人の自宅を訪問し、理容師や美容師が散髪を実施。
「高齢者はり・きゅう施術費給付事業」では、70歳以上の高齢者ではり・きゅうが必要な人を対象に施術費を助成していますし、そのほかにも「緊急通報装置設置事業」や「老人入浴券交付事業」など、高齢者向けのサポートサービスが沢山あります。
倉敷市では、地域包括ケアシステムのおかげで、サポートを受けながら楽しく暮らしている高齢者も多いようです。
倉敷市の福祉サービス運営適正化委員会とは?
![片手を差し出して話をするスーツ姿の若い男性と口元に手を当てて笑う高齢女性](https://img.minnanokaigo.com/js/upload/images/20191108142951_.png)
倉敷市では、高齢者のさまざまな悩みに対応しています。
介護に関する相談は、主に高齢者支援センターが対応。
高齢者支援センターは各エリアに設置されており、相談に行きやすいのが魅力です。
高齢者支援センターは、「保健・医療・福祉等総合相談」を実施しており、介護以外の相談や福祉サービスへの不満や苦情なども受け付けています。
また、高齢者の虐待については、福祉援護課が「成年後見制度に関する相談」を実施。
虐待などによる権利侵害を感じている高齢者の相談に乗ったり、金銭などが管理できない人のために代行管理などを行っています。
「最近、銀行の通帳が管理できなくなってきた…」といった不安がある人向けの、サポーター的な存在です。
最近では、高齢者の精神的な病が増えています。
そのため、倉敷市では各地の保険推進室や保健課精神保健係が中心となり、専門医による心の健康相談や医療相談、難病医療福祉相談、感染症に関する相談などを実施しています。
心や体の悩みごとも気軽に相談できる環境を作っています。
一方、高齢者の貧困も全国的に問題となっていますが、倉敷市でも生活福祉課や市民課などで生活困窮相談や年金相談を実施し、消費生活センターでは消費生活相談を開催。
倉敷社会福祉協議会では、生活福祉資金の貸与相談も行っています。
倉敷市では、高齢者が相談できる内容が多岐に渡っています。
窓口が分からない人は、区役所の総合窓口や高齢者支援センターに相談してみると良いでしょう。