介護施設の棟数は少なめでも、種類は豊富
群馬県内のほぼ中央部分に位置する、北群馬郡。
発足したのは第二次大戦後間もないころのことです。
かつては現在の渋川市に含まれている地域がたくさん所属していましたが、20世紀の半ばや2000年代半ばなどに何度か分離が行われました。
現在は、吉岡町と榛東村だけが所属する自治体となっています。
どちらに関しても、榛名山の山麓に広がるエリアで、美しく雄大な自然を毎日拝みながら暮らせる点が、高齢者の余生を考える上では大きな強みと呼べるでしょう。
もっとも吉岡町については、ただ手つかずの自然が残っているだけではありません。
21世紀に入ってから「国道17号前橋渋川バイパス新坂東橋」や「道の駅よしおか温泉」といった交通インフラをはじめ、アミューズメント施設やショッピングモールなどが相次いで開業を果たしており、開発の動きがとまらないエリアとなっているのです。
榛東村についても、いまだに農業が昔と変わらずに行われている一帯や太古の遺跡が残る区画が広がっているものの、過去数儒年を通して近隣の都市に対するベッドタウンという役目を担うようになってきたという一面があります。
小規模な自治体であるため、鉄道の駅は吉岡町にも榛東村にもありません。
しかし高速道路などの主要な車道へのルートが豊富で、鉄道に代わって移送や輸送の目的を果たしています。
群馬バス・関越交通・日本中央バスなどが運営する路線もまた豊かで、住民の日常的な移動を支えています。
北群馬郡内の人口は、何十年も前からずっと増加しています。
人々の流入はこれからも変わることはないだろうと考えられています(特に吉岡町側に関しては、その見方が有力です)。
そのような背景があるため郡内の高齢化の速度は決して顕著ではありません。
ここで実際に高齢化率を見てみましょう。
2023年には吉岡町22.5%、榛東村26.9%を記録しています。
ただし榛東村については2030年代になるとだいぶ高齢化が進むとみられており、油断はNGです。
榛東村は少子化率も将来的に低迷すると予測されており、大局的な対策が必要となりそうです。
今後の対策には時間も労力もとられそうですが、現在、郡内で専門性が高いケアサービスを必要としている高齢者にとっては、このエリアは楽に納得いく結果を享受できる可能性があります。
施設の戸数は少な目ですが、実は郡内には施設の種類はわりと豊かなのです。
そしてどの種類でも、かなりコストが安くなる施設が多く含まれています。
中には入居一時金がかからないのに、月額使用料も安く設定されている施設まであるほどです。