老人ホームでは、特に制限なく面会することが可能
基本的に、家族や身内の方の面会が制限されることはありません。
インフルエンザや感染症などの流行で面会が制限されていない限り、面会時間内であれば、どの老人ホームでも受け入れてくれます。
適度な頻度を心がけよう
入居後の利用者の不安や孤独感を考えると、体調悪化や認知症の進行につながりかねません。できる限り面会には行ってあげた方がいいでしょう。
ただし、家族にも生活があります。無理をして面会に行っても負担になるだけです。
そうなると次第に足が遠のき、結果的にほとんど面会に行かなくなってしまうことも考えられます。
それよりも、月に一度、2ヵ月に一度でも定期的に通ってあげることがお互いに安心できるのではないでしょうか。
みんなの頻度は?「みんなの介護」のアンケート結果
最も多いのは月に1回~2回程度(32.3%)で、次に多いのが週に1回程度(20.1%)、そして3ヵ月に1回程度(19.7%)という結果でした。
ほぼ毎日(5.8%)というのは、恐らく頻繁に通える距離にお住まいのケースだと考えられます。
アンケートの結果だけをみると、8割以上の家族が月に何度かは面会に訪れていることがわかりました。
また、その一方で、週に2~3回程度(12.8%)、半年に1回程度(9.3%)という家族も多数います。
家族の形はそれぞれですから、何が正解ということはありませんが、ひとつだけ理想をあげるとするならば「無理のない範囲で通う」ということです。
義務的に面会していても、それが原因で家族が健康を害してしまったり、ストレスを溜め込んでしまっては元も子もありません。
無理をして面会に通ったことでイライラが募り、些細なことで本人に手を上げしまったケースもあるくらいです。
面会は、離れて暮らす家族と楽しい時間を過ごすためのものです。
無理なく、気持ちよく通えるペースにすることを心がけましょう。
自宅から30分くらいの介護施設が理想的
自宅から老人ホームへの距離ですが、車や電車で30分ほどがおすすめだと言われています。
遠すぎてしまうと緊急時に不便だったり、月に2~3回とはいえ往復1時間で通えないというのはかなり不便です。
逆に、近すぎると「寂しいから毎日会いに来てほしい」「孫の顔をもっと見たい」とせがまれた際、期待に応えることで負担が増してしまう恐れがあります。
適度な距離として、自宅から約30分と考えておくと良いでしょう。
面会時に心がけておきたいポイント
①介護記録を参考に、普段の様子を共有してもらう
大切な家族が、施設ではどのような生活をしているのか、離れて暮らす家族にとってかなり気になるところですよね。
施設側に普段の様子を尋ねたいときは、入浴時間など忙しそうな時間帯や、人員が少なくて慌ただしい雰囲気のときは避けた方が良いでしょう。
また面会の頻度が多い場合は、面会の度に聞くのではなく、月に一度などと決めて尋ねるといいでしょう。
②家族にしか見せない姿、職員にしか見せない姿を共有する
老人ホームの入居者の中には、介護スタッフの前と家族の前で態度や言動が違う人がいます。
スタッフと家族で「職員の前ではこんな様子です」「家族と一緒のときはこうなんです」といった意見交換を行いましょう。
③食べ物を持ち込むときは必ずスタッフに声をかける
食べ物を持ち込むときは、必ず施設の方に一声かけましょう。
また、食べ残ったものをそのまま部屋に残したり、本人に直接預けてしまうのはNGです。
次のような問題を引き起こす可能性があります。
- 賞味期限が切れたり、カビが生えたりしたものを食べて体調を崩す
- 一人のときに食べて誤嚥を起こしたり、食事制限を無視して食べてしまう
帰るときは、どのくらい何を食べたかを施設の方に報告することを忘れずに行いましょう。
④職員へのお土産は不要
大切な家族がいつもお世話になっているからと、施設にお土産や差し入れを渡そうとする家族がいます。
重要事項説明書などでも、金品や物品の贈答をお断りしている施設が多く、また、施設職員はお土産や差し入れを期待してサービス提供しているわけではありません。
もし感謝の気持ちを伝えたいなら、「ありがとう」の一言で十分です。
本人のことをお願いしたい気持ちもわかりますが、担当者の方はお土産がなくても不満を感じることはありませんし、お土産を持って行ったからといって対応がよくなるわけでもありません。
施設へのお土産は必要ないと覚えておきましょう。
⑤職員へ日頃の感謝を伝える機会にする
職員へ感謝の気持ちを伝える何よりの方法は、品物を渡すことではなく、感謝の言葉を口にして伝えることではないでしょうか。
「ありがとう」と感謝の気持ちを持つだけではなく、折に触れて言葉に出して伝えるように心がけましょう。
ささいな感謝の言葉が仕事の張り合いにつながるという介護職は少なくありません。
仕事の使命や責任感を一層高めることにもなるので、面会時には意識してスタッフに感謝を伝えてあげてほしいものです。
⑥なるべく事前に連絡をする
最近は老人ホームを狙った凄惨な事件があったり、悪質な犯罪が増えたりしているため、施設側は不審者に対して神経をとがらせています。
そのため、事前に連絡することなく突然面会に行くのは控えましょう。
特に、家族以外の親戚や友人は施設が把握できていない可能性が高いので、事前連絡なしの訪問は無駄な警戒心を煽るだけになってしまいます。