観光資産がふんだんにあり、気候面でも暮らしやすい都市

石狩湾に面して、昔ながらの情緒を色濃く残す港町といえば、小樽市の名前が思い浮かんできます。
小樽運河や堺町通りをはじめ、数々のドラマや映画、小説などの舞台に使われてきた観光資産に恵まれています。
古くは漁業や交易で、さらに戦後の高度経済成長の時代には札幌市内で働く勤労者のためのベッドタウンとして発展してきましたが、現在は観光業で特に潤う自治体となっています。
これらの観光名所は、シルバーライフを豊かなものにするにあたっては、とても貴重な材料となってくれることでしょう。
住むにあたっては毎冬の雪の多さがネックではありますが、寒さ自体は道内では穏やかなほうに入りますし、夏の暑さも同様にしのぎやすく、何歳になっても居心地良く暮らしていけるエリアです。
観光都市だけあって交通機関の維持・向上は優先課題ですが、現在は北海道新幹線が開通される予定で動いている点が最大の話題でしょう。
在来線についてはJRの函館本線のみですが、近い将来はもっと便利になる可能性が高いわけです。
高速道路を使いたいときは、札樽自動車道のインターチェンジが市内に3ヶ所あります。
それ以外にも国道・県道が合わせて10本以上敷かれています。
市内のバスは北海道中央バス・JR北海道バス・ニセコバスの3社が管轄しています。
小樽市は数十年前から人口が一貫して減り続けています。
2000年代初頭に15万人を割りましたが、14万人を割り込んだのが2000年代後半、さらに13万人以下に落ち込んだのがわずか数年前と、その勢いはほとんど衰えていません。
このようなハイペースで進む人口減は、少子高齢化のスピードに、非常にたくさんの影響を与えています。
2023年の調査では高齢化率は41.5%に達していました。
2035年になると45%に達するという推測が出されており、高齢者福祉は小樽市内では喫緊の課題です。
これらの実情を受けて、市内の介護施設の増設や定員増加を求める声は絶え間なく出ており、現在は市当局も民間の事業者も一生懸命に取り組んでいる途上です。
このため施設の状況はひっきりなしに変わっています。
ただひとつ言えることは、グループホームやサービス付き高齢者向け住宅の数が特に多いという点でしょう。
条件はついてきますが、急ぎの場合ならこれらの施設に入居が可能かどうかを確認するほうがよいかもしれません。
有料老人ホームについては、数は全体的にまだ少なめですが費用面では安上りなところが(低くない確率で)見つかるようになってきました。