グループホームとは

グループホームの現状

認知症高齢者の増加とともにグループホームの数も拡大

認知症高齢者の介護ケアを行うグループホームについて

グループホームとは、認知症(痴呆症)の症状を持ち、病気や障害で生活に困難を抱えた高齢者が、専門スタッフの援助を受けながら1ユニット(5〜9人)で共同生活する介護福祉施設です。

特に介護関連の場合、認知症高齢者のための住まいとして「認知症対応型老人共同生活援助事業」と呼ばれ、家庭に近い環境で、入居者の能力に応じてそれぞれが料理や掃除などの役割を持ちながら、自立した生活を送ります。認知症にかかっている高齢者が入居を検討する施設としては、最初に名前が上がってくるものでもあります。

社会的に、高齢化が進み認知症高齢者の数も増えてきた昨今。その情勢に合わせるようにグループホームの数もゆるやかにではありますが増加傾向にあります。

2000年から2012年までのグループホームの定員数の推移グラフ

とはいえ、定員数が9名や18名と少ないため、「ここが良い!」と気に入った施設でもすぐに入居できるとは限りません。入居を検討する際には、なるべく多くの施設をピックアップしておいて、その中から選択するという 心構えでいた方が良いかもしれません。

グループホームの特徴

費用・料金
月々にかかる費用は、家賃・食費・光熱費、介護保険の1割自己負担額の他に、おむつ代などのその他雑費がかかります。負担内容は事業者の契約プラン、部屋タイプ、介護度によって異なり、入居一時金や保証金が必要になる場合があります。
入居の条件 要支援2 要介護 入居期間 原則、終身利用
入居一時金
(目安)
0数百万円 月額利用料
(目安)
1530万円
≫グループホームの費用の詳細はこちら
入居条件
入居対象となるのは原則65歳以上、「要支援2」または「要介護1」以上の介護認定を受けている方で、施設の所在地と同じ市区町村の住民の方になります。グループホームは、地域密着型サービスの一つですので、施設と同一地域内に住民票がある方が対象となっています。
介護・医療
認知症について正しい知識を持った介護スタッフが常駐し、入居する高齢者の精神的な安定や、自立支援を目的とした介護を行います。
原則的に医療面でのケアは行っていません。伝染性の病気や疾患の方や、重度の介護が必要な方で共同生活を送ることが困難な方は入所が難しい場合があります。
また、入所時から比べて身体状況が悪化し、共同生活ができなくなった方、入院期間が長くなったりした場合には退去しなければならない場合もあります。
なお、入所の際には審査が必要になり、面談や診断書から本人が入所基準を満たしているかどうかを判断しています。
施設内での活動内容
入居者は介護サービス、生活支援サービスを受けながら、食事や掃除・洗濯を自分たちで行い、共同生活をしていきます。リハビリやレクリエーションの機能訓練を通して、認知症の進行を緩やかにして、健康的な暮らしができるように対応しています。

グループホームの1ユニットが9人の理由は?

有料老人ホームや介護保険施設の定員とは違い、グループホームの定員は「ユニット」という単位で表されています。1つのユニットは9人となっており、多くの施設で「定員:2ユニット18人」という表記を目にすると思います。

この「1ユニット=9人」というのは、当然ですが適当に決められたものではなく、きちんとした理由があります。

グループホームは、前述の通り認知症高齢者を入居対象とした施設です。認知症の高齢者には、新しい物事や、新しく出会う人を覚えたり、認識したりするのが難しいという特徴があります。

そのため、例えばですが、100人もいるような施設で、入居者や職員が入れ替わり立ち代わりするような生活環境では、本人が心を落ち着けて暮らすことが難しくなってしまうのです。それどころか、認知症の症状が悪化して問題行動の引き金になってしまう可能性すらあるのです。

そうした状況になってしまうことを防ぐための、1ユニット=9人、というわけです。

9人〜18人という住居環境では、長く生活するうちに入居者同士、または施設職員とも理解し合える関係を築くことが可能に。お互いが理解し、信頼関係を築くことでユニットという小さな単位ではありますが、社会生活を営むことができるようになるのです。

グループホームの目的でもある「できるだけ家庭に近い環境で、地域社会に溶け込んで生活する」ことが可能になり、さらには認知症の症状の進行を遅らせることにもつながり…と、大きな意味を持っているのが1ユニット=9人の理由なのです。

グループホームは地域密着型の介護施設

グループホーム入居の際に住民票は必要です

地域密着サービスについてグループホームへの入居の相談

介護保険の中には、「地域密着型サービス」というものがあり、グループホームはこのサービスのうちの一つとなっています。

地域密着型サービスは市区町村が運営しているサービスのため、その地域の住民だけが受けられるサービス。そのため、グループホームに入居する際、その地域に住んでいるということを証明するために、必ず住民票が必要ということになります。

その地域に住んでいないと利用できない「地域密着型サービス」って一体なに?

地域密着型サービスとは、地域の利用者にきめ細やかなサービスを提供し、中重度の要介護状態になっても可能な限り住み慣れた自宅、または、比較的小規模な施設等で生活していくことができるようにするために、これまでの生活圏域内で提供されるサービスのことです。

運営は市区町村が行っているため、その地域に住んでいる人のみが利用できる、ということになっています。

グループホームが提供するサービスは地域密着型サービスの中の「認知症対応型共同生活介護」に分類され、認知症高齢者の日常生活上の世話や機能訓練が行われています。認知症の症状のある高齢者が、少人数で共同生活を送ることで認知症の進行が遅くなると考えられています。

グループホームを利用できる対象者とは?

グループホームを利用できる対象者についての説明

グループホームに入所するには、原則として施設のある市町村に住んでいて、認知症の診断を受けた要介護者(主に要支援2〜要介護)である人が対象となります。年齢は65歳以上とされていますが、65歳未満であっても初老期認知症に該当する方、若年性認知症と診断された方などは利用可能となっています。

さらに、次の条件の両方に当てはまる方は入居が可能。

  • 家庭環境等により、家庭での介護が困難な状態である方。
  • 概ねの身辺の自立ができており、共同生活を送ることに支障のない方(極端な暴力行動や自傷行為があるなど、共同生活を送ることが難しい方は、原則として対象外とされます)

グループホームの特徴は、何より「自立支援」を行うこと。認知症高齢者グループホームのケアは、認知症高齢者が混乱しないで普通の生活を送ることが、何よりもまず優先されます。

つまり、グループホームとは認知症高齢者が「心身を健康に」「心を癒し」「満足できる毎日を送る」施設。高齢者にとって住み慣れた地域で過ごすことがこれらの安心感につながると考えると、グループホームが地域密着型であり、住民票を必要とするのも理解できますよね。

認知症高齢者のためのグループホームと有料老人ホームの違い

少人数制の共同生活を営むのがグループホーム

厚生労働省が発表している1995年から2020年にかけての認知症高齢者の人工の推移

高齢化に伴い、今後も増々増加が見込まれている認知症高齢者は、2010年には日常的なサポートがあれば自立した暮らしを営める日常生活自立度Uから常時介護が必要な重度の場合も含めた場合、全国に2015年で345万人。2025年には470万人になると推計されています。

誰でもなりうる認知症の介護は、在宅で行うには家族の負担も大きく、専門的なケアによって認知症症状の緩和や症状の進行を遅らせることができることから、介護施設に入ることが認知症高齢者本人にとっても家族にとってもいい選択である場合も少なくありません。

認知症症状を持つ高齢者の方の介護施設選びをする際、選択肢として挙がってくるのが有料老人ホームに加え、グループホームです。グループホームは「認知症対応型生活介護」が正式名称で、介護保険の制度の上では施設ではなく在宅サービスが受けられる住宅となっています。1ユニット最大9人の少人数制の住まいで、スタッフとともに共同生活を過ごすことで家事など生活リハビリをしながら残された機能を使い、認知症症状の進行が遅らせ得られる効果があると言われています。

グループホームという施設があるというのは聞いたことはあるけれど、グループホームと有料老人ホームの違いが分からないという方に、グループホーム・介護付有料老人ホームの違いやそれぞれのメリット・デメリットをご紹介していきましょう。

グループホームと有料老人ホームのメリット・デメリット

  有料老人ホーム グループホーム
認知症高齢者の入居 施設の受け入れ体制によって異なる
※施設の受け入れ体制により異なる
認知症高齢者しか入居はできない
自立支援
サポート
施設によって異なる 共同生活によって自立支援が行われている
共同生活を通じて生活リハビリを行う
地域密着度 施設によって異なる
※施設により異なる
地域密着型のサービスである
介護
サポート
寝たきりでも利用可能な施設が多い
寝たきりでも可能なところも
寝たきりでは介護ケアが不可の場合もある
認知症ケアに特化、寝たきりではケアができない場合も
医療・看護ケア 医療体制が整っている施設が多い 看護師の配置は義務ではない、医療依存度が高くなると退居させられることも
看護師の配置は義務ではない
居室広さ 13u以上が確保されている
13u以上
7.43uが規定の広さ
7.43u以上
雰囲気 施設により異なる 少人数によるユニット制のため アットホーム
入居費用 億円以上 数十万円台が主流

福祉先進国であるスウェーデンで行われていた認知症ケアの事例を取り入れて日本でも見られるようになったグループホームは、認知症高齢者が安心して暮らすことのできる家庭的な雰囲気を持っていることが大きな特長のひとつです。

認知症のなかでもアルツハイマー型認知症は、1人でいると不安が大きくなり落ち着きのなさなどの行動障害に繋がることもあることから、共同生活を営みながら自宅にいるような安心感を感じられ、且つ残された機能を生活リハビリなどを通じて活かしていく自立支援サポートの場でもあることから、軽度の認知症高齢者のことを考えた住まいとなっています。

一方で、介護付有料老人ホームは認知症のみならず様々な原因から介護が必要になった高齢者を対象に作られた介護施設であることから、認知症高齢者以外の入居者もいる点が大きな違いです。介護付有料老人ホームのなかには、認知症症状がある高齢者専用のフロアを設け、グループホームのように少人数制のユニットケアを行っている施設もあります。

寝たきりや医療ケアが必要になった場合の確認を

民間型 介護付有料老人ホーム 日常生活で何らかの援助や介護が必要な人のための 個別対応型介護専門の有料老人ホーム
グループホーム 少人数制の家庭的な環境で日常生活が送れるよう支援する 認知症高齢者向け施設
公共型 特別養護老人ホーム 常時介護を必要とし、自宅での介護ケアが難しい人のための施設 待機者数が多く、すぐに入居できない場合が大多数
介護老人保健施設 在宅復帰を支援することが目的の施設
介護療養型医療施設 特別養護老人ホームや介護老人保健施設よりも 重度の要介護者などを受入れている施設

認知症高齢者を受入れている介護施設には「グループホーム」「介護付有料老人ホーム」「特別養護老人ホーム」などがありますが、グループホームはあくまでも“概ね自立して共同生活が営める”ことが入居条件となっている場合が多く、重度の認知症や寝たきりなど認知症以外の介護ケアが必要な場合は入居が困難な場合も多々あります。

こうした際には、特別養護老人ホームや認知症高齢者も受入れている介護付有料老人ホーム、継続的な医療ケアが必要な場合は介護療養型医療施設や老人保健施設なども選択肢として挙がってきます。また、最近ではサービス付き高齢者向け住宅でも別途契約で利用できる医療・介護ケアにより、重度の認知症高齢者の方でも入居できる住まいも出てきています。

グループホームに入居しても、症状が進行した場合はそこからまた転居しなければならない可能性も出てきます。認知症の方にとって、環境の変化は本人の精神状態に悪影響を及ぼし症状が悪化してしまうこともありますので、できる限り環境が変わらないようにしてあげたいもの。事前に寝たきりなど重介護が必要になった場合や看取りケアの有無などを確認してみるといいでしょう。

認知症症状の状況とサービス内容を考えて選択を

ここまでご紹介してきたように、認知症高齢者の方が介護施設へ入居する際、色々なタイプの施設が選択肢として考えられます。グループホームや介護付き有料老人ホームの違いをきちんと理解して、症状に合わせた施設選びはなかなか難しいもの。グループホームか、介護付有料老人ホームか、それとも他のタイプの施設なのか、施設選びのポイントを整理してみましょう。

グループホームの入居における認知症状の状況とサービス内容について

まず最初に考えなければならないのが、認知症症状の程度の把握と施設に入居する目的です。症状が軽度である程度自立した生活が営めるのであれば、認知症ケアの経験が豊富なスタッフがいて、専門的なケアが受けられるグループホームは、住み慣れた地域で暮らすこともできる地域密着型のため、認知症高齢者の方の気持ちも安定し、症状の緩和などが期待できます。寝たきりなど介護度が重い場合、看取りケアもお願いしたいという場合は民間の介護施設を探すのであれば認知症ケアも行っている介護付有料老人ホームの方が、選択肢が広がる可能性があります。

ご家族の方にとって、施設選びはそれぞれの特徴を把握して見ることはできても、実際に利用されている方やそのご家族の方からの評判はなかなか聞けないもの。施設入居の目的がある程度分かっている段階で、担当されているケアマネージャーさんなどに客観的に施設の評判を聞いてみることも大切です。

いくつか候補が決まったら、実際に足を運び施設の雰囲気や生活空間が認知症高齢者に配慮された空間となっているかをチェックしてみましょう。グループホームであれば、認知症ケアに最適な環境を整えていることが多いですが、認知症ケアが必要な高齢者以外の方も入居されている介護付有料老人ホームなどではしっかりとチェックしておくと安心です。

認知症高齢者に対する虐待など、心配なニュースを目にすることも少なくない昨今だからこそ、グループホームや介護付有料老人ホームのケア内容の違いを事前にしっかりと理解し、ご自身もしくはご家族にとって最適な介護施設に入居できるよう、慌てずしっかりと下調べや見学をして慎重に介護施設探しをしていきましょう。

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