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養護老人ホームとは

養護老人ホームの特徴

費用・料金
入居にかかる費用は、入居者本人や扶養義務のある家族の世帯収入・課税状況によって判断され、養護老人ホーム被措置者費用徴収基準の規定に基づきます。
入居の条件 自立 入居期間 一定期間
入居一時金
(目安)
なし 月額利用料
(目安)
010万円
入居条件
基本的には病気がなく介護を必要としない自立した65歳以上の高齢者の方で、生活保護を受けている、または低所得などの原因によって自宅で生活ができないなどの経済的な理由を持つ方が入所対象となります。
その他、上記の条件を満たす場合でも、「要介護1」以上の認定を受けている方は対象外となります。
入所には、地方自治体の審査が必要となり、措置判断が必要となります。詳細には、主治医意見書、誓約書などの必要書類を判断し、「入所条件を満たす生活環境・経済状況にあるか」を福祉施設や医療機関、地域包括センターによる入所判定委員会の審査を受けることになります。
設備
養護老人ホームの設備についての説明
養護老人ホームには、高齢者が安心して暮らせる環境を確保するために、以下のような設備基準が設けられています。多くは一般的な介護施設と同様の基準ですが、10.65uとなっている居室は決して広いとは言えず、実際の見学時にしっかりチェックしたいポイントと言えるでしょう。


施設規模:20人以上(特別養護老人ホームに併設知る場合は10人以上)
居室:1部屋原則1人、10.65u以上
静養室:医務室又は職員室に近接して設けること
洗面所
トイレ
医務室
調理室
職員室
廊下:幅1.35m以上、中廊下は1.8m以上
人員基準
養護老人ホームでサービスを提供するスタッフは、介護施設同様に基準が定められています。入居者の日常生活をサポートするのは介護職員ではなく「支援員」と呼ばれるスタッフで、入居者15人につき1人以上配置することが基準となっています。
その他の職員基準は下の表にある通り。介護施設と大きく違うのが介護職員の不在と言えるでしょう。
施設長 1人
医師 入所者に対し健康管理・療養上の指導を行うのに必要な数
生活相談員 常勤換算で30:1
支援員 常勤換算で15:1
看護職員 常勤換算で100:1
栄養士 1人以上
調理員・事務員等 実情に応じた適当数
また、深夜もしっかりとサポートができるよう、宿直や夜勤の職員を最低1人以上配置されています。
養護老人ホームの生活相談員は、入居者が支払う費用の納付手続きや、サポートを行っていて、入居者の経済的な困りごとの相談に乗るなど大切な役割を担っています。
最近では、老後の生活の選択肢として施設≠ゥ在宅≠ニいう2択しかないように見えるなかで、一人暮らしが長年続き社会から孤立した方、生活保護を受給していたり年金収入が少なかったりすることで生活に困っている方が本当に望む生活を実現させるためのサポートをするという役割も大切になってきていることは確かです。
サービス
養護老人ホームで提供されるサービスについて
生活困窮者を対象としている養護老人ホームは、介護保険施設ではありません。そのため、寝たきりなど重介護の方は入居ができず、提供しているサービスはあくまでも生活・食事などの基本的なサポートとなっています。
施設によっては、入居者の健康管理や生活相談などを受ける相談員がしっかりと入居者に寄り添い、対応してくれるところもあります。
また、高齢者の生活の質(=QOL)向上のためのレクリエーションや行事などを独自に実施し、地域との交流などにも取り組んでいる施設が多くあります。低価格で日常生活全般のサポート・ケアが受けられる養護老人ホーム。地域に密着した施設である一方で、介護職員の配置義務がない点、そして重介護になった場合は退去勧告を受ける可能性があるという点は事前に知っておきたいところです。
<主な提供サービス>
食事サービス
日常生活状の世話
健康管理
レクリエーション
相談業務

高齢者の最後の砦となっている養護老人ホーム

養護老人ホームの入居者像

養護老人ホームは、歴史的な成り立ちからも、経済的に貧しい高齢者や、身寄りのない高齢者の方のなかでも自力で暮らせない人を受入れるための施設です。

入所基準として「65歳以上であること」「在宅生活が難しいこと」「身の回りのことは自分でできること」が定められていますが、現状は高齢化により入居者が入居した後、介護が必要になるケースが報告されています。

「公益社団法人 全国老人福祉施設協議会」が発行しているパンフレットでは、養護老人ホームの入居者像を以下のように例としてあげています。

<養護老人ホームの入居者像(一部)>

  • 独居の高齢者
  • 無年金など経済的に困窮した方
  • 虐待を受けている高齢者
  • 要支援者
  • 要介護者
  • 身体的な障害を持つ方
  • 認知症や精神的な障害を持つ方
  • 他の法律に基づく施設に入所できない高齢者
  • ホームレスの方
  • 犯罪歴のある方
  • 賃貸住宅から立ち退きを受けた方

少し古い統計ですが、東京都福祉局の「養護老人ホーム入所待機者及び入所者に関する調査報告書(2004)」では、養護老人ホームに入所した理由として「住居がないため」が32.7パーセント、「心身の状態に不安があったため」が35.6パーセント、「家族と一緒に住むことができないため」が27.8パーセント、「経済的な理由」が26.2パーセント(複数回答)という統計も発表されています。

東京都福祉局が発表している養護老人ホームへの入所理由についてのアンケート結果

この入居像からも分かる通り、特養老人ホームは高齢者が安心して生活できる最後の砦として存在しているのです。

こんな人が入居対象

@地域から孤立し、自宅での生活が難しいAさんの場合

自宅での生活が難しい人が養護老人ホームに入居する事例

今年83歳を迎えるAさんは、家族に先立たれ身寄りのない一人暮らし。自宅を持っているものの管理が難しくなり、家族のサポートも受けられないことから家は荒れ放題となっていました。

近所ともAさんの家の存在によって美観が損なわれていること、家事などの心配があることなどから関係は悪化し、付き合いもほとんどありません。

この状況を見かねた民生委員が市の社会福祉課に相談し、Aさんと市の担当職員が面談。自宅でこのまま生活をすることが難しいと判断し養護老人ホームへの入所をすることとなりました。

A家族からの虐待を受けていたBさんの場合

家族から虐待を受けていた人が養護老人ホームに入所する事例

80歳のBさんは、夫に先立たれたことをきっかけに息子夫婦と一緒に暮らしはじめました。元々物事をはっきりと言うタイプだったBさんは、息子や息子の嫁と口論になることが多く、身体があまり動かなくなり息子夫婦のサポートが必要になったころから、息子からの虐待を受けるようになりました。

Bさんは、数年耐えていたものの、ついに息子の家で生活を続けることができなくなり、家出。警察に保護されたことで虐待が発覚しました。町の福祉担当職員がBさんとの面談を経て、この状況では自宅に戻ることはBさんにとって危険と判断。養護老人ホームへの入所をしました。

養護老人ホームにおける介護サービス

養護老人ホームにおける介護サービスについて

養護老人ホームは、介護保険制度で運営している特別養護老人ホームと名称は似ていますが、運営の根本が異なります。養護老人ホームが特別養護老人ホームと大きく異なるのが、介護保険契約によって利用するものではないという点にあります。

自治体が「措置」という名目で入所を決定し、経済状況などに応じて入居費用をサポートすることから、提供しているサービスは介護保険サービスではありません。

もちろん、先ほど挙げた入居者像にもある通り、入居する高齢者の方の中には介護を必要とする人もいるため、要介護状態になった場合には訪問介護や通所介護、訪問介護などの居宅サービス事業者から介護サービスを利用することとなります。

あくまでも養護老人ホームが提供するサポートは、自立支援であるという点は忘れてはいけない事実です。

定員割れの原因は行政の「措置控え」!?

養護老人ホームが定員割れになっていることの理由について

養護老人ホームは希望すれば誰でも入れるわけではなく、行政が「必要」と判断した場合にのみ入居できることから、社会保障費用の増大などが原因し、行政によっては養護老人ホームの措置を控えるところが出はじめています。

1975年から施設数にほとんど変化がなく、新設される施設が少ないなか、入庫者定員もほぼ横ばいか減少傾向にあります。

全国に2011年時点で6万5000人ほどの定員しかない養護老人ホームですが、自治体による措置控えも影響し、各地で定員割れが報告されています。

「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」が2013年9月に約300の養護老人ホームの施設長に対して行ったアンケート調査では、全体の約6割が定員割れとなっており、その原因が「行政の措置控え」であると回答している施設が3分の1にものぼっています。

一方で、都市部では近年の経済不況、高齢化などが影響して高齢者のホームレスや一人暮らし高齢者が増えていることを受けて、定員数が足りないという現状もあることが報告されています。

東京都福祉局の発表している統計では施設以外の場所で暮らすための条件として「経済的支援」や「緊急時に対応してくれること」「困ったときに相談に乗ってくれること」などが上位に挙がっていることからも分かる通り、単純な措置外しではなく、利用者がどうやったら安心して生活できるかをしっかりと見据え、対応も同時に行っていくことが求められています。

特別養護老人ホームと異なり、生活費用も公費でサポートされる養護老人ホームは確かに、社会保障費が増大する今、真っ先に入居者が制限される対象となるのかもしれません。しかし、高齢者が本当に安心して暮らせる環境を整備するという点で、行政の対応に対しては批判の声が出ているのも事実です。

養護老人ホームの歴史

ルーツは明治時代の「養老院」

明治時代にまで遡る養護老人ホームの歴史について

環境や経済的な理由から自宅での生活ができない高齢者のためにある養護老人ホームは、生活保護法に基づく「養老施設」として生まれた施設です。

そのルーツは古く、明治時代に貧困により生活が困窮した高齢者のために作られた「養老院」がモデルとなっていて、1895年にイギリス人のエリザベス・ソーントンという人が東京に開設した「聖ヒルダ養老院」が日本で初めてできた養老院と言われています。

その後、「神戸養老院」や「大阪養老院」といった民間の慈善活動家などによりいくつか施設が開設されましたが、あくまでも慈善活動の一環であったため、国のサポートはその時点では得られていませんでした。

その後、貧困に苦しむ高齢者を救済するための対策として、1929年に制定された「救護法」に基づき、救護施設として公的運営に。第二次世界大戦のあと、生活保護法の下、国民の保護施設のひとつとして老衰・貧困のため自立した生活が難しいよう保護者の生活を扶助する施設として運営されてきました。

1963年には、「老人福祉法」が制定されたのを受け、高齢者の生活保護を担う養老施設は「養護老人ホーム」という名称となり、運営主体が社会福祉法人や地方公共団体にゆだねられ、今にいたります。

2005年の介護保険法改正で大きく変わった養護老人ホーム

1963年から養護老人ホームという名称となったわけですが、2000年から始まった介護保険制度の導入時点では、入居者の生活費・入居費として補助される措置費のなかに介護費用が含まれていると考えられ、介護保険制度の介護給付が受けられませんでした。

入居者に要介護の方が多いという現状を考えると、何らかのサポートが必要、という観点から問題視され、2005年の介護保険制度改正で、養護老人ホームが「外部サービス利用型特定入居者生活介護」の指定を受けることができるようになりました。

このことにより、養護老人ホームは委託契約を結んだ訪問介護事業所や通所介護事業所の入浴や食事、排泄介助といった介護保険の居宅サービスを利用することができるようになりました。

入居者の高齢化などを受けてこうした変化があったわけですが、介護サービスを利用するということとなれば、特別養護老人ホームとの差が曖昧になることから、行政では入居者に対して特別養護老人ホームへの転居を促すこともあるようです。

しかしながら、待機待ちが全国に52万人以上いると言われている特別養護老人ホームが、こうした養護老人ホーム入居者の受け皿として充分機能できるのかはまだまだ議論すべきところではないでしょうか。

養護老人ホームの課題や入居のメリット・デメリットとは?

課題は「要支援・要介護者」となったとき

養護老人ホームに入居することのメリット・デメリットについて

訪問介護や通所介護などの介護サービスが受けられるようになったとは言え、養護老人ホームは様々な課題に直面しています。

そのひとつが人件費の問題で、外部サービス利用型特定施設に指定された養護老人ホームは行政からの措置費が大きく減額されることとなりました。介護報酬で補うことができるとはいえ、実際職員を基準通り配置することのコストがかさみ、経営が厳しくなる施設も少なくありません。

また、要介護状態の方が入所することで、養護老人ホームと特別養護老人ホームの違いが分かりにくくなることは、高齢者が抱えている生活上の問題点が正しく把握できず、自立支援に繋がらないという声も挙がっています。

養護老人ホームのメリット・デメリット

介護保険制度とはまた違った枠組みのなかで成立している養護老人ホームですが、入居者にとって養護老人ホームのメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

まずメリットとしては何よりも経済的な支援が受けられるという点が大きなものでしょう。様々な事情により、老人ホームへの入居が難しい場合、生活保護受給を受けたうえで入れる老人ホームもありますが、選択肢のひとつとして養護老人ホームを考えることは可能です。

また、夜間も職員が最低1人常駐していますから、万が一の緊急時に対応してもらえることも安心材料のひとつです。一人暮らし高齢者が増え、家庭内での高齢者への虐待事件が後を絶たない今、高齢者の方の生活を守る場としては大切なひとつの砦といえるでしょう。

一方で、入居者として考えなければならないのは、必ずしも困っているからと言って入居できないと言う点。入居にあたっては、まず自治体の担当窓口に申請し、「措置」という形で入居を認めてもらわなければ行けません。しかしながら、最近では措置を渋る行政もあるそうですから、入居までのハードルは地域によっては非常に高い可能性があります。

さらには入居できても行政の対応によっては入居後の「措置はずし」によって再度困難に立たされる可能性があるという点です。こうしたデメリットは個人の力ではどうしようもないことではありますが、あらかじめこういったケースもあるということを知った上で安心できる生活の場として考えてみたいところです。

養護老人ホームに入所するには

入所の基本的な流れ

養護老人ホームに入居するための基本的な流れについて

養護老人ホームへの入所は、市区町村役場にある福祉課などの担当窓口、居宅介護支援事業書、地域包括支援センターなどの相談機関に入所相談をするところから始まります。

「入所をしたい」ということになれば、入所の申し込みは市区町村窓口にすることとなります。申し込み後、本人及び扶養義務者などの養護の状況、現在の心身状況、経済状況などに関する調査が行われ、「入所判定委員会」が健康診断の結果と調査結果をもとに入所の要否を判定します。

ただし、虐待などを受けていて本人の生命に危険が及ぶと判断される場合には、入所判定委員会を開かなくても入所できるケースがあります。

現状、そもそもの定員・施設数が少ないことや行政による入所の必要性判断が明確な基準としてないこと、養護措置(入居)後のフォロー体制が十分とは言えません。養護老人ホームに入居するためのハードルは高く、近年行政による入居許可(措置)控えが行われているなかで、今後さらに入居が難しくなる可能性がおおいにあります。

こうした現状を理解した上で本当に困った時の駆け込み寺≠ニして養護老人ホームを知っておくことは大切です。

養護老人ホームの現状

養護老人ホームは自立生活を目指すための公的な施設

身体的・精神的な理由や、経済的・家庭環境などの理由によって自宅で生活ができないと判断される、自立した高齢者を受け入れる養護老人ホームについて

養護老人ホームとは、身体的・精神的な理由や、経済的・家庭環境などの理由によって自宅で生活ができないと判断される、自立した高齢者を受け入れる福祉施設。社会復帰の促進や自立した生活を送ることができるよう、必要な訓練などを行います。

審査結果により必要性の高い方から優先的に入所できるようになっています。例えば心身に障がいがあったり、家族との折り合いが悪く虐待の恐れがあったり、そもそも住む場所がない…といった場合は、入居の緊急度が高いと判断される傾向にあります。

ただし、全国的にはあまり数が多くない施設であるのも事実。廃止が検討されている介護療養型医療施設よりも少ないのが現状です。

厚生労働省が発表している2000年から2012年にかけての養護老人ホームの定員数の推移グラフ

養護老人ホームは入居に際しての基準が厳しくなる傾向にあるのが、その一因でしょう。そもそも介護が必要な人は入居不可で、かつ一定以上の所得がある人、入院や継続的な治療が必要な人も入居できないなど、そうしたハードルをクリアする人の少なさを鑑みれば、定員数の少なさにも納得ですね。

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