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介護難民にならないために

高齢化社会の課題のひとつ“介護難民”

年々増加する介護難民

厚生労働省発表による平成12年4月から平成24年にかけての要介護高齢者の増加を表す推移グラフ

高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者が増え続けている今、政府では地域包括ケアシステムの構築を通じて「在宅」や「予防」介護を重視する政策を示しています。こうしたなか社会問題として、介護が必要なのに施設でも在宅でも適切な介護サービスが受けられない高齢者、いわゆる介護難民の問題が話題となっています。

2012年4月時点で要介護若しくは要支援認定者数は全国で533万人。過去10年でその人数は2倍以上となっています。このうち、特別養護老人ホームへの入所待機者数は年々増え続け、2014年には52万人を突破しています。今後、高齢世帯の3分の2が単身、若しくは高齢夫婦となるとも予想されていることから、施設に入所しない介護を必要とする高齢者の受け皿として期待されている在宅介護も、老老介護や認認介護等の問題が山積みです。

特別養護老人ホームへの待機者数の増加がその一端を示す通り、介護難民は増加の一途をたどっており、他人事とは言えない状況。いざと言う時、介護難民にならないようにする事が、シニアライフを安心して送るためには、必須要件となります。

介護難民が出てしまう原因

介護を受ける必要がある高齢者の増加

厚生労働省発表による要介護度別の特別養護老人ホーム入所申込者数の推移、平成21年から26年までの5年間で5万人も増加している

1947年から1949年に起きた、第一次ベビーブーム世代が、2015年の段階で65歳を超えている日本。この3年間に生まれたいわゆる団塊の世代と言われる人たち約800万人が、徐々に介護サービスを必要としてきています。

現に、要介護・要支援認定者数は2000年には218万人だったのが2012年には533万人とここ十数年で急増していますが、団塊の世代の高齢化によって介護を必要とする高齢者が、今後更に急増することは必至。既に問題として噴出している介護難民は、これから今以上に深刻化していくことが予想されているのです。

介護の場、そして介護をする人が少ない

従業員が不足していると感じる介護事業所の割合
  大いに不足(6%)
  不足(20%)
  やや不足(31%)
  適当(43%)
  過剰(1%)
item count
大いに不足 6
不足 20
やや不足 31
適当 43
過剰 1
 

介護を必要とする高齢者の増加に伴い、ニーズが高まってくる介護サービスですが、サービスを提供する事業所及び、そこで働く介護職の人員不足が深刻となっています。要介護者の増加に伴い介護サービスへのニーズが高まり、2025年には介護職員が国内で240〜250万人は必要となると推計されています。

その一方で、少子化により、そもそも日本国内に働き手となる世代が減少していくことに加えて、介護施設では従業員が不足していると感じている施設が全体の56.5パーセントと過半数。こうした需要と供給のアンバランスな状況は介護難民を生み出す最大の原因となっているのです。

高齢化社会を受けて、介護サービス事業を展開しようとする人や企業は少なくないものの、実際に展開しても、働き手の確保が難しいという現状もあり、高齢者人口に追いつくまでの、介護の場と介護職の人手が得られていないというのが問題となっています。

介護職の増加を促すべく、国や自治体が積極的に動いていますが、思うように増えていないのが現状です。下記の表にある通り、介護従事者の平均的な給料は月収平均が21万円強。手取りが10万円台という介護職員も少なくなく、「ハードな仕事に対して低賃金」というイメージや実態がもとで新規就業者の伸び悩みだけでなく、「介護労働実態調査(2013年度)」からも分かる通り、訪問介護員の離職率は14パーセント、介護職員の離職率も17.7パーセントと高い数字となっているのです。

介護事業者の平均的な給料についての比較表、全体の平均月給は212972円・平均日給は8385円・平均時間給は1134円、訪問介護職員の平均月給は188208円・平均日給は8984円・平均時間給は1269円、サービス提供責任者の平均月給は214664円・平均日給は8293円・平均時間給は1161円、介護職員の平均月給は194709円・平均日給は7822円・平均時間給は924円、看護職員の平均月給は262472円・平均日給は9985円・平均時間給は1407円、介護支援専門員の平均月給は249942円・平均日給は8581円・平均時間給は1275円、生活相談員または支援相談員の平均月給は233872円・平均日給は8199円・平均時間給は971円、PT・OT・STの平均月給は273460円・平均日給は16796円・平均時間給は2114円、事務所管理者(施設長)の平均月給は352197円となっている

介護難民にならない工夫

何はともあれ資金です!

デイサービスやデイケアに始まり、入所型老人ホームなどいろいろな介護サービスがあるなかで、当然ですがそれぞれのサービスを受けるにあたっての、「費用」が異なります。資金に限りがあると、当たり前の話ですが選べる介護サービスが限られてしまいます。

費用が安価なサービスはやはり、求める人も多くなるものです。例えば入所型老人ホームであれば、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設などの介護保険施設が、一番安価に入居できる施設です。

介護老人保健施設は、在宅復帰が目的の施設になるので、長期でサービスを受ける事は不可能ですから、入所型で介護サービスを受けられる施設と考えると特別養護老人ホームが、長期的に入居できて安価という結論になりますが、安いだけに入居希望者が殺到し、なかなか入居できないという状況の高齢者が多いのが現状です。

特別養護老人ホームの入所申込者の割合を示したグラフ、要介護4〜5が21.9万人で41.9%、要介護3が12.6万人で24.1%、要介護1〜2が17.8万人で30.4%となっている

加えて、2014年に成立した改正介護保険法では、特別養護老人ホームへの入居要件を「要介護3以上」に限定することが決定され、数字の上では要介護1〜2の入居申込者約18万人が待機待ちの人数から減ることになりますが、介護を必要とする高齢者の数が減っていることにはなりません。

要支援1〜2の特別養護老人ホーム入居希望者のうち、一人暮らしをしている、高齢者夫婦である、虐待の問題があるなど様々な利用で在宅での介護生活が難しい高齢者は有料老人ホームなど別のサービス施設を利用するという選択肢しかなくなってしまいます。

いざ在宅生活が難しくなっても、介護費用への備えがあれば介護付き老人ホームや住宅型有料老人ホームなどの有料老人ホームという選択肢もできますから、介護サービスの選択の幅が広がり、介護難民になるリスクを回避できます。つまり、若い頃から、老後を見据えた貯蓄や資産運用をしていく事がこれから増々大切になってくると言えるのです。

家族のサポート

介護難民にならないために家族のサポートが必要不可欠

また、資金面ももちろん重要ですが、介護が必要となっても在宅で暮らすことができるよう、家族内で介護ができる環境を整えておくこともひとつの解決策であることは確かです。訪問介護やデイサービスなど、在宅で利用できる介護サービスはきちんと利用しつつ、上手に家族でサポートしていける環境を整えられれば、入所施設がなくても安心です。家族全員が介護を少しずつ協力しあうことができるのでしたら、理想的とも言えるでしょう。

ただし、在宅介護を行う場合は、誰か1人に介護負担がのしかかってしまうという状況には、注意が必要です。介護うつや高齢者虐待の問題からも分かる通り、介護は休みなしであると同時に非常にストレスの多いもの。家族だからこそかかるストレスというものも実際にあるなかで、どうしても家族内での介護が難しければ入所型の老人ホーム等の介護施設を利用することとなります。

自身の生活機能向上

介護難民にならないために自身の生活機能向上も大切な要素のひとつ

デイサービスやデイケアをうまく活用したり、動けるうちに毎日運動したり、できる家事は率先して行ったりと、日常生活のなかで生活機能の低下を防止したり、機能向上を図ることを既にされている方もいらっしゃるかもしれません。介護難民にならないためには、「自分の生活は、できるだけ自分で行えるように」を目標に、取り組んでいく姿勢が大切です。

こうした場合において、女性は仕事をリタイアした後も、家事という日常的な仕事を自然に行う状況があり、機能面を知らず知らずに鍛えられる傾向がありますが、男性の場合、これまで仕事一筋だったりすると家事を自分1人で行うことが難しく、家のなかにいてもボーッとしてしまうと言う方も多いかもしれません。是非、男性であっても家事を積極的に行うなどして自分1人でできることを少しずつ増やしておくといいでしょう。

また性格上、内向的な方も注意が必要です。社交的な方は外に出かけていき、いろいろな方とおしゃべりをしたり、新しい情報を習得したりするなど、脳細胞が活発に動くきっかけを作りやすいもの。その一方で内向的な方は、自宅にこもりがちになり、家族との話やテレビ以外の情報がないという環境に陥りやすく、家のなかに引きこもり社会との繋がりが薄れてしまえば、認知症が進みやすい環境を生み出してしまっているという事にも繋がっています。

もちろん、大きな病気などをしてしまって、生活機能の向上が簡単ではないケースもあると思います。このような場合も諦めずに、リハビリなどを率先して行い、「寝たきり」にならないよう頑張る前向きな行動が重要になってきます。

まずは健康寿命を伸ばすために日々の暮らしで健康に気をつけること。そして、介護が必要となっても、一つでもよいから自分自身でできる事を増やしていく努力を怠らないことこそ、介護サービスが必要な項目を減らす事ができるポイントであり、介護難民にならないためにも一番重要なことといえるでしょう。

老人ホーム・介護施設の入居期間

5年以内に40%が退去

老人ホームに入居中の高齢者

終の住処として入居先を検討していたとしても、持病の悪化による入院や、老人ホームの受け入れ体制により転居や退去が必要となることも多い老人ホーム。

実際に入居している方の平均的な入居期間はどのくらいなのでしょうか?

全国有料老人ホーム協会が実施している調査によれば、介護付き有料老人ホームの入居期間で最も多いのが3年〜5年で全体の35.3パーセント。続いて1〜3年未満の方が29.2パーセント、5〜10年未満の方は全体の18.3パーセントとなっています。一方で、住宅型有料老人ホームの入居期間は、1〜3年未満の方が最も多く全体の48パーセント、ついで3〜5年が20.1パーセントと続きます。

状態悪化が理由の退去がダントツ

老人ホームの退去にあたっては、人それぞれ様々な理由がありますが、施設ごとの退去理由を見てみると、トップ3の理由は次の通り。

介護付き有料老人ホームの退去理由
医療的ケアニーズの高まり(60.9%)
経済的な理由による負担継続困難(35.3%)
要介護度の進行による身体状況の悪化(17.7%)
住宅型有料老人ホームの退去理由
医療的ケアニーズの高まり(50.0%)
要介護度の進行による身体状況の悪化(27.6%)
経済的な理由による負担継続困難(22.7%)
サービス付き高齢者向け住宅の退去理由
医療的ケアニーズの高まり(43.8%)
要介護度の進行による身体状況の悪化(24.4%)
認知症の進行による周辺状況の悪化(22.7%)

もちろん、上記の理由にはお亡くなりになられた方の数が含まれていません。介護付き有料老人ホームでは、退去者の約半数、住宅型では約3〜4割、サービス付き高齢者向け住宅では約3割の方が逝去を理由に退去されています。

年齢と状態を考えて施設選びを

入居時の要介護度やそれぞれのご家庭の状況により入居期間は様々なので、一概には言えませんが、入居してからどのくらいの期間入居者の方が過ごすかは、年齢や介護度によるところが大きいのは事実です。

介護生活を送る場所が見つからない!という事態にならないためにも、入居してからがゴールではなく、入居後のこともしっかりと考えておきましょう。

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