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介護離職の増加 理由と対策

介護と家族の関係性について

介護を担う中高年の介護離職が多い!?

中高年の介護離職が多い日本の現状

介護が必要になる年齢は、もちろん人によって異なりますが、75歳を超えてくると、要介護高齢者の割合はぐっと増えていきます。高齢者本人の意向や財政的な理由で在宅介護を選択した場合、介護をする人は配偶者および子どもということになりますが、通常、配偶者は要介護高齢者と同世代という可能性が高く、子どもが介護を担うことも少なくありません。

大家族で、おまけに要介護高齢者と同居しているような場合ならともかく、同居していたとしても介護できる人間が少なかったり、近所に住んでいるのが自分だけ…という場合も多いもの。介護負担は全て自分一人にのしかかってきていたりするようなケースの場合、時間的・金銭的・精神的な介護負担は大きなものとなってきます。

介護離職の推移について

今や切実な社会問題…介護離職者は年間10万人!?

親の介護を理由に、これまでの働き方が続けられなくなり「介護離職」をする人が社会問題になっています。厚労省が実施している「就業構造基本調査(2012年)」によると、2011年10月から2012年9月の1年間だけでも、介護を理由に介護離職をした人は10万人以上にものぼっています。

<介護・看護の理由に離職した15歳以上人口>

総数 男性 女性
2007年10月〜
2008年9月
8.85万人 1.71万人 7.15万人
2008年10月〜
2009年9月
8.19万人 1.61万人 6.57万人
2009年10月〜
2010年9月
9.86万人 2.09万人 7.77万人
2010年10月〜
2011年9月
8.42万人 1.84万人 6.59万人
2011年10月〜
2012年9月
10.11万人 1.99万人 8.12万人
出典:総務省「就業構造基本調査(2012年)」

男女別の内訳を見ると、女性の方が男性よりも圧倒的に多く、2011年10月から2012年9月では全体の約8割が女性であることも明らかになっており、夫婦間で収入の低いケースが多い女性の方が男性の代わりに親の介護を担うことが多いことから、こうした男女間での差が出ていると予想されます。

働きながらの介護

要介護高齢者の子ども世代となると、普通はまだ現役で働いている世代です。つまり、働きながらの介護を強いられているケースが一般的となります。

年齢 〜29歳 30代 40代 50代 60代 全体
総数 0.9% 1.7% 3.8% 10.1% 9.0 4.8%
男性 0.7% 1.3% 2.7% 7.2% 7.7% 3.7%
女性 1.1% 2.2% 5.3% 14.2% 11.1% 6.2%

上の表を見ていただくと分かりますが、介護をしながら働いている年代を見てみると、40代から徐々に増え始め、50代がピークとなり、60代も多くなっています。女性の方が依然として介護を働きながら担う人が多いなか、働く50代男性の実に7.2パーセントが介護をしている点は今後の高齢化社会と家族介護の問題を考える上で注目しなければいけないことといえるでしょう。

50代といえば、社内において課長や部長クラスの役職を任され重要なポジションに就くことが多い年代です。それと同時に、リストラ候補に挙がってしまう年代でもあることから、介護は大きく仕事に影響を与えることとなります。

育児・介護休業法の制定により、介護を行う社員への介護休業・休暇が認められ、申請者には残業を制限するなど法的に家族介護をする人を守る制度がある一方で、制度を利用すれば重要なポジションから下ろされてしまうというのではないか、リストラの対象になってしまうのではないかと頭を悩ませる人も少なくありません。

一口に仕事と介護との両立と言っても、日本における会社組織の習慣から、介護休業制度などを利用できず、やむなく介護離職・転職をする人も多いのです。

再就職は厳しい

50代の働き盛りが介護離職をすることの多い現代日本において、介護を理由に離職してしまうと、仕事から離れている期間が長く、施設への入所や親との死別により介護をする必要がなくなったとしても再就職は厳しいという現状が待っています。

「三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社」が40代・50代の正社員及び正社員から介護を機会に離職した約3000人を対象に行った「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査(2012年)」では、介護離職後に離職前と同様に正社員として再就職ができているのは半数にも満たない結果となっており、4人に1人が仕事をしていない無職の状態にあることが分かっています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行った介護離職者の再就職の状況についてのアンケート調査結果、正社員:49.8%、契約社員・嘱託社員:6.2%、パート・アルバイト:10.2%、派遣社員:1.3%、仕事をしていない:24.5%、その他7.9%

また、介護離職から再就職するまでの期間で最も多かったのが、男女ともに1年以上経過してから。全く仕事と関係のない介護を長い期間行うことでキャリアが分断され、就業への意欲も減退してしまうことなどが再就職を難しくしている要因のひとつと言えます。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行った離職から再就職までの期間についてのアンケート調査結果、男性は1ヵ月未満:10.1%、1〜3ヵ月未満:13.5%、3〜6ヶ月未満:15.8%、6ヵ月〜1年未満:11.7%、1年以上:38.5%、わからない:10.3%、女性は1ヵ月未満:4.5%、1〜3ヵ月未満:5.1%、3〜6ヶ月未満:11.5%、6ヵ月〜1年未満:14.6%、1年以上:52.2%、わからない:12.1%、女性の方が介護離職から再就職までの期間が長いことがわかる

こうした状況からも見て取れる通り、介護離職は介護をしていた側の生涯賃金を下げ、介護生活が終了しても自分自身の老後への金銭的不安が多く残る現状となっているのです。

介護離職によるメンタルダメージ

まさか介護を理由に、仕事から離れるなんて…という「こんなはずじゃなかった」というメンタルダメージも、介護をする側には常につきまといます。

先ほど紹介した「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査(2012年)」によると、介護離職をした離職者約1000人のうち、精神面・肉体面・経済面それぞれで負担が増加したと考える人は精神面で約64.9パーセント、肉体面で約56.6パーセント、経済面においては約74.9パーセントもの人が、負担が増加したと感じていることが明らかになっています。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行った離職後の変化についてのアンケート調査結果、精神面での負担が非常に増したと答えている人が31.6%・負担が増したと答えている人が33.3%・変わらないと答えている人が12.3%、負担が減ったと答えている人が12.3%、かなり負担が減ったと答えている人が7.3%・わからないと答えている人が3.2%、肉体面での負担が非常に増したと答えている人が22.3%・負担が増したと答えている人が34.3%・変わらないと答えている人が18.1%、負担が減ったと答えている人が14.0%、かなり負担が減ったと答えている人が8.1%・わからないと答えている人が3.1%、経済面での負担が非常に増したと答えている人が35.9%・負担が増したと答えている人が39.0%・変わらないと答えている人が19.6%、負担が減ったと答えている人が1.2%、かなり負担が減ったと答えている人が3.5%

介護離職は無職状態になり収入源を絶たれる恐れが常につきまといます。転職ができても雇用形態が変わることなどによる収入減に繋がることから、経済的負担が増すことは誰の目にも明らか。それだけでなく、介護生活にどっぷりと浸かることにより社会から孤立し精神的な負担も増してしまいます。

親の介護をしっかりと子どもの役割として全うしたいと考える方は少なくありません。しかし、介護離職は家族への負担が大きい事なので、よくよく考えてから決断すべきでしょう。できる事なら、職場の介護制度などを利用したり、働き方を上司と話し合い理解してもらうことで調整したりすることで、介護離職という選択を取らなくてもよい方法をまずは考えてみてはいかがでしょうか?

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介護と仕事の両立

介護をしながら働く人は全国に240万人以上!?

総務省が発表している「就業構造基本調査(2012年)」の調査結果、男女別・年齢階級別に介護をしている雇用者数の雇用者総数に占める割合を示したグラフ、介護をしている雇用者は全体で男性:1027000人・女性:1372000人、55〜59歳がもっとも多く女性13.1%・男性7.5%となっている

高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者は年々増加傾向にあり、自分の親やパートナーなどの家族を介護する人の数も増えてきています。

家族の介護をしていても、生活を維持し、自分自身の老後の備えを蓄えるために介護をしながら仕事を両立したいと考える人も多いのではないでしょうか?実際、総務省「就業構造基本調査(2012年)」では、企業に雇用されながら介護をする人の割合は男女合計で約240万人いるとされており、自営業などをする傍ら介護を担う人を加えると、この数はもっと多くなると考えられています。

介護は赤ちゃんを育てるのと同じ、24時間の事ですから大変です。赤ちゃんは日々成長し、どんどん自立に近づいていきますが、介護の場合は逆の場合が大半です。介護が必要になっても元気に長生きしてほしいと願う反面、長生きするという事は、いつまで介護と仕事を両立していかなければならないのか?という不安もつきまといます。

また、介護離職による人材の流出に悩む企業も今後は増えてくると予想され、介護をしながら仕事をすることに対する雇用社側の体制づくりもますます必要になってきています。そこでここでは、介護と仕事の両立について考えていきます。

介護離職という選択肢

総務省が発表している「就業構造基本調査(2012年)」の調査結果、過去5年間に介護/看護のために前職をリ書オク下15歳以上人口の数のグラフ、2011年10月〜2012年9月では101100人が離職している

寝たきりで、生活全般全てに介助が必要な場合や、認知症などを発症するなど、介護レベルが高く大変なケースの場合、介護離職という選択を選ばざるを得ない例が少なくありません。

「2012年就業構造基本調査」によると、「介護・看護」を理由に前職を離職した人は2011年10月から翌年9月までの期間で10.1万人。過去5年間で約49万人。そのうち、転職をして現在も仕事をしている人は12.3万人。無職となっている人は36.4万人にものぼります。

介護をしながらの仕事の両立が難しくなり仕事をやめた場合、介護の必要性がなくなり再就職となった時の年齢が、介護離職年齢層は50代が多い事から、再就職が難しいという現状もあり、家族の介護をする人にとって介護中の経済的負担はもちろん、介護後も金銭面で不安が残るという厳しい現実が待っています。

介護を理由に転職したとしても収入減は免れない!?

「株式会社明治安田生命生活福祉研究所」と「公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団」が共同で行ったアンケート調査、介護転職後の働き方としては男性で正社員:34.5%・パート・アルバイト:28.4%・家事/起業:28.6%・その他:8.5%となっている、女性で正社員:21.9%・パート・アルバイト:56.8%・家事/起業:11.0%・その他:10.3%となっている、介護転職者の年収の変化では男性が556.6万円から341.9万円に下がっている、女性では350.2万円から175.2万円に下がっている

2014年、「株式会社明治安田生命生活福祉研究所」と「公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団」が共同で行った、親の介護経験のある全国の正社員約2300名を対象にした調査によると、介護のために転職をした場合そのまま正社員で働けているのは男性で34.5パーセント、女性で21.9パーセント。介護にかかる時間を確保するためにはパートやアルバイトなどに従事せざるを得ない状況が明らかになっています。

また、介護転職をしたあとの年収の変化においては、介護開始前と転職直後を比較すると男性が556.6万円から341.9万円にダウン、女性で350.2万円から175.2万円への減収がみられ、男性は約40パーセント、女性は約50パーセントも収入が減っています。

転職に伴い、雇用形態を正社員からパート・アルバイトに変えている人の割合が特に女性で多くなっていることが減収の要因のひとつとも考えられますが、介護と両立できる労働条件を考えると、正社員では働けないというのが現実のようです。

介護と仕事との両立のために介護休業・介護休暇を活用

仕事と介護を両立したいと言う労働者側の意向だけでなく、企業においても介護を理由に離職をする人が増加すれば人材の流出に繋がり企業経営が悪化する恐れがあること、人材不足などの懸念があることから介護と仕事を両立できる体制づくりに徐々にではありますが力を入れはじめています。

また、国でも「育児・介護休業法」を制定し、仕事と家庭の両立支援策の充実を図っています。例えば、要介護状態にある家族を介護する労働者が雇用主に対して申請を行えば、対象家族1人につき最大通算93日の介護休業が取得できます。また、買い物や通院の付き添い、介護などを行うために年間5日まで介護休暇を取得することも定められており、働きながら介護を行うことに対し企業側も労働者の雇用を守るための処置が求められています。

こうした制度を利用し、介護休暇や介護休業を取得し、一時的に介護に集中できる環境を作ることも、仕事と介護を両立するポイントです。

しかし、あまりたくさんの日数を取得できるわけではありませんので、デイサービスやデイケアなどのサービスと並行して使い、仕事との両立を図ることが現実的な解決策となってくるのではないでしょうか?

厚生労働省が発表しているデイサービス事業所数の推移グラフ、2001年には9726箇所だったものが2012年には35453箇所へと増加している

上記のように、デイサービス事業所数もニーズに合わせて増加傾向にあり、自宅への送迎などを利用すれば迎えにいくことができなくても利用することができますから、是非活用していきましょう。

有料老人ホームを利用する

仕事と介護を両立させるには有料老人ホームを利用するのも一案

いざ介護が必要になれば、これまでの生活費にプラスして介護に相当額のお金がかかることとなります。少しでもお金を節約したいという理由から仕事を辞めたり転職をしたりして家族の介護に専念しようと考えるのであれば、有料老人ホームやグループホームなどの活用により日常の介護をお願いした場合の方が、介護が終わった後の収入源の確保と言う点からもメリットがある場合が多々あります。

有料老人ホームやグループホームの入所により多少介護支出が増えたとしても、仕事を辞めずに仕事から得られる収入を、今までどおり確保できる上、介護が終わった後は、今までどおりの日常に戻る事ができるからです。

大切な家族を他人に預けることに罪悪感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、介護度の進行につれ、専門的な知識や経験を持った介護スタッフによる介護ケアの方が、結果的に高齢者にとってもより良い生活ができる場合も多いですから、冷静にご自身の生活と、家族の暮らしを考え判断していきたいところです。

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介護休業制度について

家族介護の際には使いたい介護休業法

家族を介護する時に活用したい介護休業制度についての解説

少子高齢化社会において、介護をする方が現役で働いている状況である事は、珍しい話ではありません。働きながらの介護は、できる部分もありますが難しい部分もあり、当事者となると、いろいろと調整が必要になってくるものです。

介護度が高くなればそれだけ介護にかかる時間も増えますし、平日の通院付き添いや行政手続きなど、日中フルタイムでの仕事をしながら両立することは簡単なことではありません。総務省の発表する「就業構造基本調査」では、50代の10人に1人が働きながら介護をしていることが分かっています。仕事と介護、どちらも大切なことではありますが、介護をしながら仕事をすることが大変という理由から、働き慣れた職場を辞める介護離職者数も増加傾向にあります。

総務省が発表している「就業構造基本調査(2012年)」の調査結果、2007年から2012年にかけての介護離職者数の推移グラフ、2007年10月〜2008年9月は8.85万人が介護離職している、2011年10月〜2012年9月では10万1100人が介護離職をしている

とはいえ、介護離職をしてしまえば日々の収入源が絶たれ、しばらくは貯金でやりくりできたとしても、だんだんと生活が苦しくなってしまうのは当然のこと。親の介護を理由に介護離職をする人は年間10万人にも達すると言われている今、いかに介護をしながら仕事も両立していくかが、私たちの暮らしを左右する課題となっています。

こうした働きながら介護をする人をサポートするための制度づくりが国をあげて進んでいますが、そのひとつが介護を円滑に進めるために施行された「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(1991年法律第76号)」です。

一般的に、「育児・介護休業法」と呼ばれるこの法律では、できるだけ現在働いている職場での仕事を続けながら介護をできるよう様々な休業制度を作っていますので、ここではその内容をご紹介していきましょう。

介護休業法とは

介護休業 要介護状態の家族1人につき通算して93日の休業を申請可能
介護のための短時間勤務制度 希望する労働者に対して以下のいずれかの処置を講じる義務がある
 @短時間勤務制度
 Aフレックスタイム制度
 B始業・就業時間の繰り上げ・繰り下げ
介護休暇 要介護状態の家族1人につき年間5日まで1日単位で休暇を取得
法定時間外労働の制限 1ケ月24時間、1年で150日以上の時間外労働の禁止
深夜業の制限 深夜労働の禁止
転勤に対する配慮 就業場所の変更によって介護が困難になる従業員への配慮
不利益取扱いの禁止 介護休業などの制度申し出や取得を理由とした解雇などの禁止

介護休業法では、約3ヵ月の休暇を申請できる「介護休業」と勤務時間の短縮などの処置を申請することができる「勤務時間短縮等の処置」があり、2009年の法改正により新たに年間家族1人につき5日まで短期休暇を申請できる「介護休暇」が創設されました。

「介護休業」とは通算で93日間、要介護状態にある対象家族を介護するために、休業できる制度です。対象になる要介護家族1人に対し、1回の介護休業を申請する事が可能で、正社員に限らずパートやアルバイトなどの有期契約社員でも一定要件を満たせば利用することができます。

介護休業中には会社側に賃金を支払う義務はありません。そのかわり、介護休業期間中には「介護休業給付金」というものがあり、原則休業を開始したときの賃金日額の40パーセントの給付を受けることができますので、忘れずに申請をしておくといいでしょう。

<介護休業給付金の概要>

介護休業開始時
申請方法 事業所を管轄するハローワークに申請
提出書類 休業開始時賃金月額証明書 期間雇用者の休業にかかる報告(期間雇用者のみ)
提出期限 介護休業開始時の翌日から10日以内
支給申請時
申請書類 介護休業給付金支給申請書
提出期限 介護休業終了日の翌日から起算して2ケ月を経過する月の末日まで
介護給付金の算定方法
賃金がない場合 介護休業開始前6ケ月の賃金÷180日×30日×0.4
賃金が40%以下
賃金が40%超 80%以下 介護休業開始前6ケ月の賃金÷180日×30日×0.4-賃金額
賃金が80%超 支給なし

また、会社で介護休業に関する規定を作っていないとしても、法律で定められている制度ですから、会社は拒否をすることができないようになっています。

3ヵ月間の休暇が取れるとすれば、まずはご家族の介護に専念し、3ヵ月の間に介護施設探しをしたりすることもできるので、上手に使ってみたい制度です。

介護休暇は有給休暇に近い!?

介護休業制度で定められた介護休暇についての解説

2009年に行われた介護休業法の改正により、仕事と介護の両立支援のために新たに「介護休暇」制度が創設されました。「介護休暇」とは、要介護状態にある家族1人につき1年間に5日間まで、要介護状態にある対象家族の介護、その他の世話を実施するために、休暇を取得できる制度です。

これは、多くの人が年休や欠勤などの制度を利用して介護のために時間を確保していたことから創設された短期の休暇制度で、有給休暇のようなイメージで取得を申請する事が可能です。

1年間で介護のために休みを取らなければいけないケース全てを、この介護休暇で対応することは実質難しいかもしれません。それでも、利用できる制度は利用した方が良いですし、介護休暇を申請することで職場の同僚や上司に介護のことを理解してもらう良いチャンスともなりますから、積極的に活用してみてはいかがでしょうか?

勤務時間短縮等の制度

介護休業制度で定められた勤務時間短縮等の制度について

介護をしながら働く場合、フルタイムでの勤務が難しいから…という理由で介護離職をする人も少なくありません。しかしながら、介護離職をして、他の仕事に転職したりしばらく失業状態で過ごすことは収入減にも繋がります。また、介護がいつまで続くのかも分かりませんので、できる限り今の職場で働き続けることがベターですよね。

もし、残業が多いと言う理由で勤務時間がネックとなっているのであれば、介護休業法では申請した労働者に対して1ヵ月あたり24時間、1年で150時間を超える時間外労働をさせてはいけないということが定められています。1回の申請で1ヵ月以上、1年以内の期間について申請することができるだけでなく、申請回数に上限はありませんので、まずはこの申請をして勤務時間を調整してみるのもひとつの手です。

同じように、申請をすればまた、フレックスタイム制度や短時間勤務制度なども利用できますし、深夜時残業をさせてはいけない「深夜残業の制限」や「転勤に対する配慮」なども法律で定められていますので、こうした制度を遠慮せずに積極的に活用することで、ご自身の生活を守っていきましょう。

介護休業法を利用できないケース

介護休業法に基づいて、労働者は雇用主に対して介護をしていることを前提とした休暇制度などを利用することができますが、残念ながら全ての人が取得できるわけではありません。

介護休業・介護休暇いずれも、労働者に与えられている権利なので、専業主婦や個人事業主は、この制度を利用できません。また、介護休業に関しては、入社後一年が経過してはじめて申請できるので、入社から一年未満の方は、申請できません。介護休業で認められている93日よりも雇用期間が短い方、および週二日以下の勤務体系の方も申請できませんので注意が必要です。

介護休暇に関しては、入社から六ヶ月が経過していないと取得できません。また介護休業同様、週二日以下の勤務体系の方も申請できません。

こうした条件をご自身がクリアできているかどうかを確認し、使えるようでしたらまずは利用することで介護離職をせずに仕事と介護が両立できる方法を模索してみましょう。

介護休業を取れないまま介護離職につながることも…

企業が介護と仕事を両立している労働者に対して、それをサポートする制度としてできている介護休業制度ですが、実際は介護のために休暇を取得したり3ヵ月間の休職をしたりする制度利用はそれほど進んでいないのも現状です。

総務省が5年に1度発表している「就業構造基本調査」では、介護をしている労働者のうち、介護休業や介護休暇などの制度を利用していたり、利用したりしたことがある人の割合は、全体のたった15.7パーセントの約37万8000人と報告されています。その一方で、過去5年の間に家族の介護や看護を理由に離職した人は48万7000人と報告されていますので、介護休業制度などを利用せずに介護離職に踏み切っている方が多いことが伺えます。

介護休業制度利用の有無
利用なし(84%)
利用あり(16%)
itemcount
利用なし84
利用あり16
利用ありと回答した人が利用した制度の種類
介護休業(20%)
短時間勤務(15%)
介護休暇(14%)
その他(51%)
itemcount
介護休業20
短時間勤務15
介護休暇14
その他51

介護を理由とした離職者のうち、約8割が女性であることからも分かる通り、夫婦どちらかが離職するのであれば収入が比較的少ない傾向にある女性が離職をするという傾向があるのかもしれません。

また、男性は特に50代になり、会社でも重要なポストを任せられたときに、いざ介護と仕事の両立を、と思っても会社の上司の目などが気になり申請できないことや、制度自体に対する認知度の低さなどもネックとなっているようです。

いずれにせよ、かつて女性の育児休暇取得が認められ社会に浸透するまでに時間がかかったように、介護休業制度の利用にもまだまだ社会的な理解や企業側の制度づくり、働く私たちの意識を変えることなどが求められています。

大切な家族の介護ももちろん優先すべきことではありますが、ご自身のキャリア形成や収入の確保という面からも、しっかりと使える制度は利用していく姿勢が大切になってくるのではないでしょうか?

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