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増加する成年後見人トラブル

増え続ける成年後見制度の利用者

高齢化に伴いニーズが高まり利用者数は17万人以上!

厚生労働省が発表している2010年から2013年にかけての成年後見制度の利用者数の推移グラフ、総数は140309人から176564人に増加、成年後見制度の利用者は117020人から143661人に増加、保佐制度の利用者は15589人から22891人に増加、補助制度の利用者は6225人から8013人に増加、任意後見制度の利用者は1475人から1999人に増加している

医療技術の進歩などにより長生きする人が多くなった日本において、高齢者の方がいざ自分の財産を管理できなくなったときに利用できる制度として2000年から始まった「成年後見制度」。法務省が管轄の制度です。

最高裁判所が発表している「成年後見関係事件の概況」によると、成年後見制度の利用者数は増加傾向にあり、2013年12月末の時点で成年後見制度を利用している人の数は17万人以上となっています。今後も高齢者人口の増加に伴い多くの方が利用する身近な制度とも言えるのではないでしょうか?

「成年後見制度」は認知症などの脳障害および精神障害・知的障害などの理由で、自己判断能力が難しい方々を、成年後見人を選出して守り、サポートしていくための制度として多くの方が利用している、とても素晴らしい制度なのですが、反面、この制度を利用したトラブルが発生しています。

厚生労働省が発表している2000年から2012年にかけての「成年後見人の職権解任件数の推移」グラフ、2000年には10件しかなかった職権解任件数が2012年には254件にまで増加している

司法統計年報に発表されている統計によると、財産の横領や権限の乱用等後見人として適正に任務を遂行できていないと判断され職権を解任された件数は年々増加傾向。また、家庭裁判所が発表している後見人の不正事件による被害総額は2010年6月から2012年12月までの間に約94億4000万円にものぼっているとされています。

大切な財産を任せる「成年後見人制度」だからこそ、トラブルに発展しないようにしっかりと制度のメリットとデメリットを認識しておきましょう。

親族後見人が問題の発端

成年後見人のうち約4割が親族後見人

成年後見人と本人との関係
親族(42%)
司法書士(22%)
弁護士(17%)
社会福祉士(10%)
社会福祉協議会(2%)
その他(7%)
itemcount
親族42
司法書士22
弁護士17
社会福祉士10
社会福祉協議会2
その他7
成年後見人が親族の場合の内訳
配偶者(8%)
親(7%)
子(54%)
兄弟姉妹(15%)
その他親族(16%)
itemcount
配偶者8
7
54
兄弟姉妹15
その他親族16

最高裁判所が毎年発表している資料によると、成年後見人となる人のうち、「子」や「兄弟姉妹」「配偶者」などの親族が成年後見人になるケースは全体の約4割を占めており、親族のなかでも最も多いのが「子」となっています。

大切な財産を任せるからこそ、親族に成年後見人になって欲しいと思う一方で、親族後見人にトラブルは増加の一途をたどっており、日弁連が2011年に実施した司法関係者を対象とした「後見人等の不祥事案件に関するアンケート調査」によると、成年後見人が不正に財産を使い込む等して起こった被害の総額は1000万円から5000万円未満が41パーセントと最も大きな割合を占めており、トラブルによる被害の大きさが伺えます。

成年後見人トラブルの被害の総額
500万円未満(27%)
500万〜1000万円未満(23%)
1000万〜5000万円未満(41%)
5000万~1億円未満(7%)
1億円以上(2%)
itemcount
500万円未満27
500万〜1000万円未満23
1000万〜5000万円未満41
5000万~1億円未満7
1億円以上2

被害額も大きく、老後の人生の方向を大きく変えることになりかねない成年後見人をめぐるトラブルですが、一体どのような不正があるのでしょうか?

財産の使い込み

成年後見制度のトラブルでもっとも多いのが後見人による財産の使い込み

先に取り上げたグラフからも分かる通り、後見人トラブルに繋がる人の4人に1人が、自分の財産と後見を任されている本人の財産との区別をする認識がない人となっています。成年後見人に就任し、最初はしっかり管理をしていても、だんだんその管理している財産が自分のもののように思えてきて、管理がずさんになっていくことはままあること。

こうした認識が日常的にあれば、財産を自分のために使ってしまう「使い込み」のケースも生じてしまいます。特に親子関係ですと、もともとその親の金で自分は育てられてきたという経緯もあるだけに、親の財産が「別の人のものである」という意識が薄いので、財産を自由にしてしまおうという意識に繋がってしまうのだと推測できます。

「争族」問題へと発展

成年後見制度のトラブルが「相続」問題にまで発展することも珍しくない

親のお金であろうと、それを自分のものとして使い込んでしまうのは、成年後見人としてやってはいけないことなのはもちろん、親の財産が子に渡るというのは、贈与もしくは相続ということであり、この場合は本来、“贈与”にあたるお金を勝手に使ってしまったということになります。。

本来、贈与や相続の対象となる財産となれば、もし他に相続人がいる場合、後から大問題になるのも当然。状況が状況だけに、相続から「争続」問題に発展してしまうことは必至です。

最初から財産目当てで親族後見人となるケースも

ここまでお話してきた内容は、「後見人になった当初は、財産を自分で使ってしまおうなんて考えていなかった」という前提のお話でした。実はもっと悪質なケースがあり、最初から後見する方の財産を目的に、親族が成年後見人を名乗り出るというケースまで出てきているのが現状です。。

本来、本人のために使われるべき費用分を、自分のためにあてがってしまうわけですから、本人は当然、人間らしい生活を送ることができない状況になります。これは高齢者虐待そのものであり、受け取り方次第では、窃盗や詐欺と判断されます。

成年後見人トラブルを避けるためには

増えてきている成年後見人を第三者に任せるという選択肢

2005年 2012年
件数 件数
本人との
関係/総数
17,491 100.0 32,263 100.0
配偶者 1,487 8.5 1,401 4.3
1,872 10.7 1,198 3.7
5,317 30.4 8,158 25.3
兄弟姉妹 2,729 15.6 2,315 7.2
その他親族 2,134 12.2 2,589 8.0
親族小計 13,538 77.4 15,651 48.5
弁護士 1,345 7.7 4,613 14.3
司法書士 1,428 8.2 6,382 19.8
社会福祉士 580 3.3 3,119 9.7
法人 179 3.3
知人 87 0.5
社会福祉協議会 402 1.2
税理士 71 0.2
行政書士 829 2.6
精神保健福祉士 21 0.1
市民後見人 131 0.4
その他法人 877 2.7
その他個人 157 0.5
その他 332 1.9 829 2.6
第三者小計 3,952 22.6 16,602 51.5

成年後見人を親族に任せることによって起こる「財産の使い込み」や「相続トラブル」などを避けるためのひとつの方法として挙げられるのが、後見人を弁護士や司法書士など第三者に任せるという考え方です。。

平成12年から始まった成年後見人制度を利用して、後見人を認定する際、親族以外の第三者に任せる人の割合は平成17年には22.6パーセントだったのに対し、平成24年には51.5パーセントと半数を占めており、親族が成年後見人になる場合よりも割合としては多くなっています。。

後見人になると、1年ごとに財産の用途などの記録をつけ、裁判所に報告をする義務があります。親族の場合は、この労力のかかる事務作業を無料で行うことになることから「ちょっとくらいは…」という気分になってしまうのかもしれません。。

高齢化に伴い、後見人を任せたい子供や配偶者も高齢化してしまうなかで、親族にこだわることがなければ、縁の遠い親戚に後見人をお願いする必要もなくなります。また、親族間で金銭をめぐるトラブルを避けるためにも、きちんと報酬を払うことで後見人を請け負ってくれる第三者に任せることは有効な手段ではないでしょうか?

後見制度支援信託とは?

後見制度支援信託のイメージ図、本人(受託者・受益者)および後見人(法定代理人)は信託銀行等と金銭を管理する機関と信託契約を結び金銭の移転をしたり必要に応じた金銭の交付を受けたりする、家庭裁判所の指示を仰ぎ報告する義務が生じる

後見人を誰に選任するにしても、大切な財産の管理を人に任せることに抵抗を覚える方もいらっしゃるかもしれません。第三者に成年後見人を任せたとしても、100パーセント信頼はできない…と不安を感じる方は、「後見制度支援信託」を利用してみてはいかがでしょうか?。

財産を金融機関等に「信託」という形で預け、家庭裁判所が作成する指示書に基づき、月々の生活費や介護施設等への支払い等、必要に応じて定期的に一定額が後見人の管理する預貯金口座に振り込まれる制度である「後見制度支援信託」。

後見人が管理する預貯金口座にあるお金以外は、家庭裁判所の指示書に基づき信託銀行等が管理することに。「後見制度支援信託」を利用すれば、財産をしっかりと守れる安心を手にすることができます。

お金は生活を守るために必要であると同時に、トラブルにも繋がりかねない存在だからこそ、しっかりと制度のいい点・悪い点を把握して、大切な人との関係と自分の財産を壊さないよう、使いこなしていきましょう。

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