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老老介護・認認介護を知ろう

老老介護・認認介護は重大な社会問題

老々介護・認認介護は増加の一途

日本における老老介護・認認介護の現状について

介護は入浴介助や移乗介助、食事介助、排泄介助など肉体的にも負担の大きいことが多く、働く世代である介護施設のスタッフですら腰痛は職業病と言われています。在宅介護の現場では、こうした介護を高齢者が担わざるを得ない状況となっています。

高齢化を迎えた日本において、高齢者を高齢者が介護するいわゆる“老老介護”は、既に珍しいものではなくなってきました。また、認知症高齢者が同居する認知症高齢者の介護を行う“認認介護”も、老老介護と同様に近年増えつつあります。

そこで今回は、現在問題となっている老老介護と認認介護について、理解を深めていきましょう。

老老介護とは

増加傾向にある65歳以上の高齢者による介護

厚生労働省・国立社会保障・人口問題研究所が発表している1950年から2060年にかけての平均寿命の推移と将来推計のグラフ、1950年は女性:61.50歳・男性58.00歳だったものが2012年には女性86.41歳・男性79.94歳に上昇し、2060年の推計では女性:90.93歳・男性84.19歳にまで伸びるとされている

男性も83.55歳と最新の平均寿命よりもあと3年は長生きすると推計されています。今後さらに加速していくとみられている高齢化は、結果的に夫婦揃って定年後のセカンドライフを送る世帯が増えることを示唆しています。日本人の平均寿命は男性が80.21歳、女性が86.61歳となっており、厚生労働省が毎年発表する「高齢社会白書(平成26年版)」では、2050年には女性の平均寿命が90.29歳と90歳を超える予想。

しかしながら、健康寿命の伸びが見られる一方で、日常生活において介護などを必要としないでいられる期間である健康寿命は2013年で男性は71.19歳、女性は74.21歳となっており平均寿命との差が男性で約9年、女性で約12年もあるのです。

平均寿命と健康寿命との差はそのまま介護が必要な期間を指しますから、高齢化に伴い介護を必要とする人が今後増々増加することは明らかです。

厚生労働省が発表している2001年から2013年にかけての年齢別にみた同居の主な介護者と要介護者等の割合の推移グラフ、2001年には60歳以上同士が54.4%・65歳以上同士40.6%・75歳以上同士:18.7%だったものが、2013年には60歳以上同士:69.0%・65歳以上同士:51.2%・75歳以上同士:29.0%に増加すると推計されている

こうした高齢化に伴い増えてきているのが、介護が必要な高齢者を65歳以上の方が介護している状態である「老老介護」です。厚生労働省が発表する「国民生活基礎調査(平成25年)」では、自宅で暮らす要介護者を主に介護する介護者が65歳以上の世帯の割合は51.2パーセントとなっています。

さらに、介護者と要介護者が75歳以上という超老老介護の世帯の割合も、29パーセントと、在宅介護者の半数以上が老老介護と直面している事実が明らかになっています。

いわゆる歳の差婚で、ご夫婦の年齢がもともと15歳、20歳と離れていたというのであれば、老老介護にはならないケースもあると思うのですが、ご夫婦の年齢が近い場合、お互いが65歳以上になり、介護が必要な人を介護する人も65歳を超えているという世帯が出てくるのは想定内です。

時代の変化に伴い、2世代同居や3世代同居が少なくなり、夫婦のみで構成される核家族化が進んでいますので、老老介護の世帯が増えていくのは当然なのです。

長寿大国日本ゆえに起こる問題

近年、成人になっても未婚のまま中年、老年になる人が増えてきています。こうした場合起こりうるのが、親と未婚の子供が同居している世帯の増加。老老介護は高齢の夫婦のみで構成される高齢者世帯だけでなく、2世代同居をしている世帯でも見られる事例です。

例えば96歳になった母親の介護を、その女性のお子様が同居されて行っていたと仮定しましょう。現在96歳の女性が、その介護を担っているお子様を20歳の時に出産していたとしたら、そのお子様は現在、76歳という事になります。これも、老老介護の現実。長寿国日本だけに、そのお子様も既に介護が必要になってもおかしくない年代というケースが出てきているのです。

認認介護とは

夫婦もしくは親子・兄弟共々が認知症

高齢化に伴い、日本では認知症患者数も増えており、要介護申請を行っている認知症患者は平成22年には65歳以上高齢者のうち約9.5パーセントを占める280万人と報告され、2025年には470万人になると予想されています。

また、要介護認定を申請していない認知症予備軍はおよそ800万人以上と言われており、介護が必要になった主な原因としても認知症は第2位にランクインしています。

<要介護度別にみた介護が必要となった主な原因(上位3位)>

要介護度 第1位 第2
第3
総数 脳血管疾患(脳卒中) 18.5% 認知症 15.8% 高齢による衰弱 13.4%
要支援1 関節疾患 23.5% 高齢による衰弱 17.3% 骨折・転倒 11.3%
要支援2 関節疾患 18.2% 骨折・転倒 17.6% 脳血管疾患(脳卒中) 14.1%
要介護1 認知症 22.6% 高齢による衰弱 16.1% 脳血管疾患(脳卒中) 13.9%
要介護2 認知症 19.2% 脳血管疾患(脳卒中) 18.9% 高齢による衰弱 13.8%
要介護3 認知症 24.8% 脳血管疾患(脳卒中) 23.5% 高齢による衰弱 10.2%
要介護4 脳血管疾患(脳卒中) 30.9% 認知症 17.3% 骨折・転倒 14.0%
要介護5 脳血管疾患(脳卒中) 34.5% 認知症 23.7% 高齢による衰弱 8.7%
出典:厚生労働省「国民生活基礎調査(2013年)」
厚生労働省が発表している2010年から2025年にかけての認知症高齢者の日常生活自立度U以上の高齢者数と将来推計のグラフ、2010年には認知症高齢者:280万人・65歳以上人口に対する比率が9.5%だったものが2025年には認知症高齢者:470万人・65歳以上人口に対する比率が12.8%に上昇すると推計されている

65歳以上の高齢者の実に10人に1人が要介護認定を申請している認知症患者であるという実態は、在宅介護を行う介護者も認知症であることが珍しくないことを示しています。最近、話題になりはじめている認認介護は、老老介護の状態であるうえに、介護者と要介護者の両方が認知症であるというケースを言います。

山口県の「在宅介護における認認介護の出現率」の調査結果、1人が認知症だった場合在宅介護を100とした出現率は12.6%・老々介護を100とした出現率は51.5%、2人共認知症だった場合在宅介護を100とした出現率は2.5%・老々介護を100とした出現率は10.4%となっている

例えば全国平均よりも高齢化が10年近く速く進んでいると言われている山口県では、県内に認認介護世帯がどの程度あるのかを予測するための調査を実施。この調査を受けて2010年に発表されている「在宅介護における認認介護の出現率」報告では、老老介護を行っている世帯の約10.4パーセントが認認介護であると推測しています。

この推計では、老老介護の割合が在宅介護を行っている世帯のうち約24.5%と厚労省が発表している老老介護の割合よりもかなり少なく推計されていることから、参考程度ではありますが、さらに認認介護の出現率が高い可能性も考えられます。

実際のところ、認知症高齢者が認知症高齢者を介護する認認介護の実態は、要介護申請がされていないと正確な人数が把握できないことや、認知症であっても日常生活が送れるために介護申請をしていない高齢者が、同居の認知症高齢者の介護をしていることが予想されるため、正確な実態を把握できていないのが現状です。

そのため、認知症の発症率を元に80歳ごろの夫婦における認認介護の出現率を計算する方法でどの程度、認認介護をする世帯がいるのかを推測されることが多くなっています。

認知症出現率をもとにした認認介護世帯の推計を計算、80歳くらいの認知症出現率が20%という前提として、夫婦ともに80歳の場合どちらかが認知症である確率は0.2×2=40%、夫婦ともに80歳の場合2人とも認知症である確率は0.2×0.2×2=8%、つまり夫婦ともに80歳くらいの世帯のうち11組中1組が認認介護をしていることになる

こちらの推計方法では、上記の表にある通り、共に80歳ごろの夫婦で認認介護を行っている世帯は約8パーセント。11組の高齢者夫婦のうち1組は認認介護に直面していると言う信じがたい現状が推測されているのです。今や他人事とは言えない認認介護には具体的にはどのような課題があるのでしょうか?

認認介護は事件をも引き起こす

認認介護は、認知症の度合いにもよりますが、お互いがお互いを介護するどころか、自分のことさえも認知できない状況になっている可能性が高くなります。

例えば双方で「食事をする」という記憶ができていなければ、低栄養状態になり命を維持することが難しくなってしまいます。また、火の不始末や介護放棄、虐待等も起こりやすいと言われており、実際に認知症の夫の介護をする認知症の妻が、排泄介助を嫌がる夫を殺害してしまった事件も報告されています。

この事件では、妻は自分が行ったことや夫の死なども認知できない状態だったそうです。このように、「認認介護は大変だ!」では済まされない深刻な事態となってきているのです。

認認介護がなぜ起こってしまうのか

厚生労働省が発表している2001年から2013年にかけての世帯構造別にみた要介護者等のいる世帯の構成割合の推移グラフ

要介護者がいる世帯のうち、約半数が高齢者世帯となっている今。認認介護はいつ起こってもおかしくない状況にあると言えます。上記に挙げた核家族世帯には夫婦のみの世帯も含まれており、夫婦のみの世帯では夫婦同世代の場合が多いことから、より一層、認認介護の可能性が高まってきます。

核家族化が進み、親世代と子世代が別々に暮らしているのは仕方がないとして、せめてお互いが近所に住んでいて、常日頃から子ども家族が足を運んでいれば認認介護などの異変を気付くこともできます。しかし、お互いが離れて暮らしていれば、日常的に高齢者の状況を確認できない、つまり認知症である事実を知らず、認認介護状態になっている高齢者世帯を二人きりにしてしまっているというのが、認認介護が起こる一番の原因です。

家族の目が行き届かないとなると、周囲が認認介護に気が付くのは難しくなります。また、介護施設に入居したくても「空きがない」「お金がない」などの理由で、致し方がなく老老介護をしているうちに、気が付いたら認認介護状態になっていたというケースも少なくはありません。

アメリカのユタ州立大学の研究チームによると、夫婦どちらか一方が認知症を発症した場合、もう一方が同じく認知症を発症する確率は、一方が認知症ではないケースと比較すると、6倍ほど高いという発表をしており、これも認認介護を生み出す原因の一つと考えられます。

認認介護は未然に防ぐべき

認知症高齢者が認知症高齢者を介護する認認介護について

認認介護状態にならないようにするためには、高齢者が認知症であるということに少しでも早く気が付くことが重要です。日常的に高齢者の様子を身内が確認できない場合、地域包括支援センターに相談するなど、早めの対策を家族として行う事が大切です。

また、近所付き合いが薄れ人間関係が希薄となっている今こそ、再度、高齢者の暮らしを地域住民全体で見守れるような地域のあり方を考えてみることも必要になってきています。

離れて暮らすご家族が高齢の方、自分自身が認認介護・老老介護になるのではないかと感じるのであれば、老人ホームなどの施設に入居する事も視野に入れ、安全に豊かなシニアライフを送れるよう、本人だけでなく周囲も動くことが求められます。

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