観光客が年間を通して詰めかける、江戸情緒が漂う瀟洒な街並み

栃木県の南側に広がる、栃木市。
歴史的な建造物と、生態系が厳正に保たれた明媚な自然と、観光スポットや憩いの場所に事欠かない都市です。
江戸時代に宿場町として発展した都市で、「小江戸」と呼ばれてきた都市の中でも特に高い知名度を誇ります。
渡良瀬遊水地や太平山のような自然の保存に、市全体で協力している点も、高く評価されてきました。
柏倉温泉や栃木温泉のような、自然の恵みをそのまま活かした観光地も各地に見つけられます。
市民の暮らし向きについて視線を移すと、行政関係の施設が特に多く、遠方に出かけなくても近場でほとんどの庶務手続きを完了できるというメリットが見ものです。
栃木県を代表する鉄道といえば、JRの両毛線と、東武鉄道の日光線・宇都宮線あたりがすぐに思い浮かびますが、栃木市内には3本すべてが開通しています。
もっとも鉄道以上に県内でウェイトを占めているのは車に頼った移動です。
その点でも便利なエリアで、東北自動車道と北関東自動車道を中心に、何十本という幹線道路が日常的な物資の輸送や通勤・通学などを支えています。
バスを使う毎日のように市民も当然たくさんいますが、主にコミュニティバスを使っています(鹿沼市が提供する路線のユーザもけっこう増えています)。
なお、関東自動車が管轄する路線も小規模ながら残されています。
タクシーの利用もさかんで、2011年より「ドアツードア方式」のサービスが全面的に取り入れられました。
市内の人口は1980年代までは右肩上がりといってもいいくらいの成長ぶりを示していました。
しかし90年代に入るとそれまでと正反対の推移を見せるようになります。
2000年代後半になると、約30年ぶりに14万人以下になることが確実となり、ちょっとした物議をかもしました。
そうなれば気になるのは少子高齢化の結果ですが、2023年の調査では高齢化率が32.2%と公表されています。
県の平均値と比べると確かに、安穏としていられる数字ではなく、市当局も住民も、そして民間の介護関係者も危機感を抱きながら対策に動いてきました。
市内の介護環境に関してですが、公営の施設から民間の施設まであらゆるタイプにおいて、サービスの見直し・改善などが熱心に行われています。
介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームの中から、費用面や入居条件の面などについて手ごろさを味わいやすい施設が連続して登場するようになったことはその一環でしょう。
この流れは、しばらくの間止まらないものと思われます。