急激な高齢化に対応すべく介護付有料老人ホームが増設

山口県の南西部に位置する、宇部市。
瀬戸内海に面していることもあって、温暖で安定した気候に恵まれている土地です。
戦前から、石炭の採掘で栄えてきた場所ですが、戦後は瀬戸内工業地域~北九州工業地帯の一角を担う場所として発展してきた歴史があります。
近年は、沿岸地域を中心に開発が目覚ましく、住宅地や商業施設が増えています。
利便性を追求する一方で、宇部市はずっと前から緑化運動を進めてきたという一面もあります。
その延長から、市街地に彫刻を増やすという運動もさかんに行われており、「UBEビエンナーレ」のような著国をテーマにしたイベントも行われています。
美しさを市全体で体現しているエリアでもあるわけです。
このほか、市内に医療機関が多いことでも有名です。
医師不足などとは縁がない街となっており、高齢者にとっては、頼もしいエリアとなっています。
県内では人口の多い都市ですが、人口のピークは1980年代に終わっています。
しばらくの間人口の推移はほぼ横ばいでしたが、2000年代に入るとはっきりとした減少傾向が確認されています。2023年には16万353人でした。
市内の高齢化率は、2000年の段階で早くも20%に達しています。
2023年には33.6%となり「市民の3人に1人が高齢者」である事実が大きな反響を呼びました。
もともと山口県は全体的に高齢化率が顕著で、県全体のデータも2023年に34.8%と、全国平均を大きく超える結果になっています。
要介護認定者は2000年の時点で3,831名という記録がありますが、2023年には約1万人と、増加しています。
75歳以上で認定を受けている人の割合が高まっていることも指摘されており、高齢者福祉の大切さがたびたび話題になっています。
宇部市は人口がまだ多い都市ですし、老人ホームや高齢者専用住宅などはかなり多めに建てられる必要があります。
近年の傾向を見るとグループホーム・特別養護老人ホーム・老人保健施設・病床療養のような行政が深く関係する施設の多さが目に付きます。
しかし民間の業者がぜんぜん参入していないわけではまったくありません。
介護付有料老人ホームなどが少しずつできていますし、高齢者向け住宅についても、月額使用料が10万円台強などかなり安い料金で入れるところが見つけやすい状況となっています。