山陽本線や山陽自動車道などを有し、高齢者の住まいの幅が広がるエリア

山口県の東端にある岩国市。
戦前から山口を代表するエリアのひとつでしたが、2006年にいくつもの自治体と合併してさらに大きくなりました。
広島県や島根県と隣接すると同時に、瀬戸内海にも面しています。
こうした立地条件が、市内の行政や産業に見事に活かされているのが、この都市の特徴でしょう。
海浜地区では、瀬戸内工業地帯に属する工場や倉庫が立ち並んでいます。
TVの放映内容が、長い間広島と共通していたことは有名ですが、交通機関や観光産業なども広島県内と深い結びつきを築いています。
これらの特徴は、引退した高齢者の住まいには有利に働く材料となりそうです。
山陽本線や山陽自動車道といった交通インフラは、広島やさらにその向こうに移動する上でとても便利ですし、宮島や錦帯橋などをセットで回れるツアーなどが膨大な参加者を動員しています。
岩国市は、工業都市として戦後の高度経済成長の時代に発展を遂げてきました。
人口も1970年代までは右肩上がりに伸びていましたが、その後は減少の一途をたどっています。2023年の調査では12万8,609人となっています。
とはいえ、かつて移り住んできた世代はほぼそのまま残っているため、高齢者人口は増加を続けています。
2006年に26.4%だった高齢化率は、5年後には29.0%に跳ね上がり、2023年には36.0%となっています。
山口県はもともと高齢化が全体として顕著なため、この結果は県全体の値と比べたらあまり変わりません。
しかし全国平均値と比べると7%も高く、高齢化対策は重視されています。
高齢者対象のアンケートでは、力を入れるべき施策を問われて「入所施設や高齢者向け住宅の整備充実」と回答した人は約半数に達しており、さまざまな施設の増設やサービス改善が求められています。
岩国市では確かに、有料老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅などは、まだ多いとはいえません。
しかしいろいろな条件で施設を絞り込むことが可能な程度には数がそろっています。
たとえば安さを優先する場合、月額使用料が10万円以下、あるいは入居一時金とあわせて15~20万円以下といった条件で探そうとしても、それなりの数を検出できます。
また、グループホームや特別養護老人ホームがかなりたくさんつくられているため、それらを中心に検索するという手段も使えそうです。
広島とのかかわりが深いエリアですから、広島への移動の可能性なども、施設探しの際にプラスすることもいい方法でしょう。