旧栗原郡を束ねて発足して以来、10年かけて介護施設の整備に尽力

宮城県の北西部一帯を網羅する、栗原市。
旧栗原郡が一体化する形で、2005年に発足しました。
県内でいちばんの面積を誇る都市で、内部には栗駒山のような高山地帯(栗駒国定公園は、規模が大きく一度は足を運ぶ価値があります)や迫川や二迫川といった大河の流域が広がり、自然の息吹が強く伝わってくる地域が目立ちます。
豊富な水資源や肥沃な土壌を生かした水田地帯がいまだにたくさん残っており、眺めているだけでも心がなごむ風景には事欠きません。
現在は築館地区を中心に行政やビジネスの中枢機能がだんだんと集中するようになっており、将来的にさらなる飛躍が期待されています。
市内の鉄道はJRのみですが、東北本線のほかに東北新幹線が停車する「くりこま高原」駅があるため、市外からも利用者が自然と集まってきます。
その一方東北自動車道の利用も難しくありません。
インターチェンジやパーキングエリアが複数あるため、遠路を行きたいときは頼りになります。
このほか県道が何十本も開通しており、移動のルートを縦横無尽に考案できるというメリットにつながっています。
バスは地域に根付いた会社(ミヤコーバス・グリーン観光バス・岩ヶ崎観光タクシー・東日本急行など)が市内外を含めた膨大な路線を運行しています。
コミュニティバスやタクシー会社の数も豊富なため、どこの地域に住んでも移動で不便を感じる恐れはないでしょう。
市内の人口は数十年来、減少の一途をたどっています。
980年代半ばからは特にそのペースに拍車がかかっており、2000年代後半に8万人を割りました。
2023年の調査では6万3,299人となっており、6万人を切るのはもう目前に迫っている状態です。
この事実は福祉政策に大きな影を落としていますが、少なくとも高齢化率の高さの主因となっていることは間違いありません。
2023年の調査ではすでに41.6%に達しているほどです。
市当局はこの10年を通して高い危機感のもとで福祉対策を進めてきました。
その甲斐あって、グループホームや特別養護老人ホームなどの戸数や収容人員はだいぶよくなっています。
それでも全入居希望者を収容し切れるわけではありませんが、サービス付き高齢者向け住宅などが合わせて造成されています。
これらの施設に注意を向けることが、現在の市内の高齢者とその家族にとって必要なことでしょう。
住宅型有料老人ホームなどもそうなのですが、よく見たら相当に安い施設、たとえば毎月の負担額が10万円以内でOKの施設が出てくる可能性がありますから。