商業施設が増え、アクティブな老後を過ごせるエリアに

愛知県のほぼ中央に位置し、豊田市や岡崎市、西尾市といった広い面積を持つ自治体に囲まれている安城市。
県内では、早めに市として成立した自治体のひとつです。
戦前は、農業で目覚ましい発展を遂げた一方、戦後は隣接する豊田市と同じように、自動車工業で栄えたほか、数々の製造業が工場をこの地に建造し、中京工業地帯の一角を担いました。
現在でも農業と工業は市内の産業において高いシェアを維持しています。
この20数年で、市内各地に大規模な商業施設が続々オープンしており、既存の商店街から離れていた地域でも日常的な買い物が急速に便利になりました。
市内中心部でなくても便利な生活を営めるようになったことはもっと見直されていい利点でしょう。
愛知県内では珍しいことではありませんが、安城市においても鉄道よりも自動車、そして自転車を用いた移動が市民の間で常識と化しています。
名鉄バスが市内中心部でさまざまな路線の営業を続けていますが、21世紀に入ってからは市が主管するコミュニティバス「あんくるバス」の運行がはじまり、市民から高い評価を勝ち取りました。
本数はどんどん増やされており、医療機関への移動などで毎日のように活用されています。
2009年に入ると、碧南市のコミュニティバス(くるくるバス)との乗り継ぎがスタートし、より遠くに行けることになりました。
市内の人口は100年以上にわたって一貫して伸び続けています。
過去半世紀を振り返ると、その伸びるペースにあまり変化は見られないことがはっきりとします。
1990年代後半に15万人を、そして2000年代前半に16万人を突破し、さらに2000年代半ばになると17万人に達しました。現在は18万人をすでに超えています。
このような人口増加は、高齢化問題に対しては好影響を与えています。
市内の高齢化率は2023年になってもまだ21.7%にとどまっています。
それでも、要介護認定者が2010年から2024年までの14年間で2,000名近く増えており、高齢者福祉は「待ったなし」という認識で取り入れていく必要があります。
安城市内で専門的な施設への入居を望むなら、特別養護老人ホームやグループホームのような、自治体の管轄、ないし地域性が極めて高い施設がまず目につきます。
しかし民間主体の施設も徐々に増えている段階です。
民間の施設の場合、費用的にハードルが高いという先入観が持たれてしまっていますが、安城市内に限っては比較的安めです。
高額な場合でも、入居一時金と月額使用料を合わせて100万円に届かないことが多いです。
安さに固執しながら探すことも難しくはない模様です。