交通インフラが整備され老人ホームへのアクセスも良好に

京都市の西北部を占める右京区。
2005年の(旧)北桑田郡京北町を編入したことで、市内最大の面積を持つ区域になりました。
区内には手つかずの山林が残る地域もあれば、数世紀前から残る住宅地もあって、数々のイメージを持つエリアだと呼べます。
特に北部と南部のイメージの違いはとても対照的。
このエリアに住むことは、愛宕山や小倉山といった古来よりその美しさを謳われてきた地域を散策する楽しみや、妙心寺や広隆寺といった世界的な知名度を得ている寺社仏閣を見物する楽しみが持てることになり、充実したシルバーライフを送る場所としては格好の地となるはずです。
嵐山本線や嵯峨野線、阪急京都本線や市営地下鉄東西線と、鉄道インフラも今ではかなり広がっており、移動がだいぶ楽になりました。
もちろん、京都バスや市営バスも区民の重要な足として親しまれています。
京都市全体の人口は、1980年代半ばにピークに達しました。
その後しばらくは、少しずつ減少していましたが、1990年代後半に立ち直りを見せ、21世紀に入ってからはほぼ横ばいを続けています。
右京区の人口も、近年は大きな変化は見られません。
若干ながら人口が増える年度もあり、大規模な人口減少のリスクは当面はありませんが、高齢化率については余裕がない状況です。
2005年の時点ですでに、20.3%と高い数値を示しており、2023年には28.8%に上がっています。
少子化率については、2005年に12.9%と報告されており、市全体の数値が12.4%だったことと比べると多少のゆとりが感じられますが、2010年には12.1%に下がっています。
このまま放置すると2020年代に10%を割るリスクがあると報告されており、安穏とはしていられない状態です。
京都市でもさまざまな取り組みを進めており、たとえば2012年・2013年には1年ごとに、特別養護老人ホームを5箇所増設したり、2年間でグループホームを合計20箇所以上増設したりと、施設不足に関してもできる限りの手を尽くしている様子です。
右京区には、民間の老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅も増えていますが、特に安い施設が多いエリアだとはいえません。
それでも焦らずに探せば、入居一時金と月額使用料を合わせて20~30万円程度に収まる施設はけっこう出てくるはずです。
昔ながらの別荘地が残るエリアでもあるため、中には数千万円クラスの入居一時金がかかる施設も一部にはありますが、さすがにこうしたケースはめったにありません(ただし、入居一時金が50万円前後発生する施設なら少なからずあるようです)。