これぞ山梨県の施設の特徴。富士山を毎日望める老人ホームも!

山梨県の中部に位置する甲府市は、県の中心である県庁所在地です。
甲府市は山梨県の南北を縦断する縦長の土地で、市街地はやや北寄り、甲府盆地の地域に位置しています。
甲府市は、江戸時代に甲州街道の宿場町として繁栄しました。
江戸から比較的近かったこともあり、関東の文化が大きく影響しているといわれています。
戦国時代には武田氏の本拠地となり、その後も徳川氏など有名大名の中心地となった場所で、市内には歴史名所である甲府城が建っています。
そのため市内には数々の史跡が残り、戦国ファンが多数訪れるほどの名所もあります。
甲府市は、宿場町と城下町という、文化の拠点ならではの史跡を身近に感じられる、非常に文化的な土地柄です。
先述した通り、甲府市は甲府盆地のなかに位置しています。
そのため夏場は気温が高くなりやすく、その日の最高気温を記録することも珍しくありません。
しかし夕方には気温が下がり、熱帯夜になることはほとんどないでしょう。
冬は周囲の地域より寒く、ときには雪がちらつく日もあります。
厳しい気候ではありますが、それ故に美しい自然を生み出し、野菜や果物などの作物が美味しい地域でもあります。
特に御岳昇仙峡の景色は絶景で、甲府市の美しい渓谷と緑は、国の特別名勝としても指定されているほどです。
そんな甲府市の人口は、2023年は19万3,616人でした。
65歳以上の割合である高齢化率は29.7%程度となっています。
この時点で4人に1人以上が高齢者という状況で、今後も増えていく予想です。
高齢者が増えている地域だからこそ、介護予防などは充実しています。
甲府市では、まちなか健やかサロン健康教室を開催し、介護予防のレクリエーションなどを行っています。
また、健康啓発や相談窓口を設置しているので、何か不安があればすぐに専門スタッフに相談することが可能です。
日常生活支援としてのきめ細やかなサービスも充実しています。
寝具乾燥を請け負うサービス、無料の入浴ケア、補聴器の無料点検など、日常生活で大いに役立つサービスが多いので、一度窓口で相談してみることをおすすめします。
甲府市の有料老人ホームは、周りに比べて数が多くなっています。
甲府駅周辺が一番多いですが、各地域で充分に比較検討できるでしょう。
山梨県という立地から、富士山が見える施設が多数あります。
食堂やレクリエーションルームに大きめの窓を設置し、そこから一年中富士山を眺められる工夫がしてある施設も多いです。
なかには、大浴室からいつでも富士山が望めるという粋な計らいをしている施設もあるようです。
全体的に、地域密着型の小規模ホームが多いのが特徴で、入居費用は負担が少ない設定のところばかりですから、一度実際に足を運んでみると良いでしょう。
1995年には子どもの数と高齢者の人口が逆転
甲府市は、名産のブドウで作った甲州ワインなど、さまざまなグルメが楽しめるスポットでもあります。
魅力が多い甲府市ですが、人口減少と高齢化は進んでいます。
1990年の総人口は20万626人、0歳~14歳までの年少人口は3万3,996人、65歳以上の高齢者人口は2万6,616人で、高齢者よりも子どもが多い状態でした。
しかしその後子どもの数は減り続け、1995年には子どもの数と高齢者の数が逆転。
少子高齢社会が到来しました。
2010年のデータを見ると、総人口は19万8,992人、0歳~14歳までの年少人口は2万5,261人、高齢者人口は4万8,953人となっています。

国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
その後、2023年の総人口は18万6,393人、高齢者人口は5万5,363人となり、甲府市では高齢化が進んでいるのが分かります。
なお、2023年の甲府市の高齢化率は29.7%でした。
同年、山梨県の高齢化率は31.7%、全国平均は29.1%となっており、甲府市の高齢化率は、山梨県の平均は下回っているものの、全国平均よりも高い状況です。
甲府市も、日本のほかの地域同様に、子どもだけでなく15歳から64歳の生産年齢人口も年々減少するなか、高齢者は増え続けています。
甲府市では、高齢者のための安否確認や見守り、生活支援などの福祉サービスを充実させ、市全体に普及させています。
要支援・要介護認定者数は2023年に1万人を超えた
甲府市では、介護保険サービスの認定者が増えています。
認定者数は、2010年に3万2,597人、2015年に3万7,665人、2020年に3万9,679人、2023年に4万1,878人となっており、緩やかに増加中です。

介護度別に見てみると、要介護2と要介護3の認定者が多く、次いで要介護1、要介護4が続きます。
高齢者の増加とともに認定者も増えていますので、ボランティアを含めた、地域ぐるみでの支援の充実が必要となっています。
介護認定を受けている人の割合を年齢別に見てみると、40歳~64歳の割合が0.3%となっており、65歳以下でも若年性認知症などで自立した生活が困難な人も若干ながらいらっしゃいます。
そのような方を受け入れる介護施設も増えています。
そして、65歳~74歳までの前期高齢者の割合が4.0%。
74歳までは、介護保険サービスを利用せずに健康に暮らせている人が多いことがわかります。
しかし、75歳以上の後期高齢者の割合は32.1%となっており、75歳を超えると急激に介護が必要な人が増えています。
また甲府市では、介護サポートが必要であっても、介護施設に入居している人より、自宅で暮らしている人の方が圧倒的に多いです。
要支援の人が利用できる介護予防サービス含め、多くの人が居宅サービスを利用しています。
施設サービスとしては、特別養護老人ホームを利用している人が多く、施設サービス利用者の半数以上を占めています。
甲府市では、居宅サービスや施設サービスといった介護保険サービスの普及に努め、必要な人に必要なサービスが届くよう配慮しています。
「シニア健康教室」を開催し介護予防を促進

甲府市では介護予防のために、健康寿命(健康で暮らせる期間)を伸ばす取り組みをしています。
生活習慣病予防教室や生活機能の維持・向上のための運動教室、栄養指導やウォーキング会などを開催することで、高齢者の健康づくりに役立っています。
認知症予防のためには、会話などのコミュニケーションを楽しむことが大切なため、補聴器の無料点検を実施。
甲府市役所の本庁舎の市民活動室で定期的に点検会が行われています。
公民館などでは「シニア健康教室」が開催されており、体を楽しく動かしながら、生活習慣病の予防を促進。
旧相生小学校跡地にある「健康談話室」では、40歳以上が参加できる「元気ほっと教室」や、ゲームを通して認知症予防ができる「脳!活性化教室」などを開催中です。
「一緒に学ぼう!ウォーキング健康教室」では、インストラクターが効果的な歩き方やストレッチなどを教えてくれます。
高齢者だけでなく甲府市民なら誰でも参加できるのも魅力です。
初心者コースから経験者コースまで用意されていますので、自分の体力に合わせて参加できますし、参加費用は無料です。
また、居場所や生きがいがあった方が自立した生活が続けられるという調査結果から、高齢者の生きがいづくりにも積極的で、ボランティア活動や世代を超えた地域交流会、地域コミュニティの活性化にも力を入れています。
甲府市では、シルバー人材センターなどの就労支援を実施し、高齢者が活躍できる場を広げています。
高齢者の緊急時を知らせる「ふれあいペンダント」を配布

甲府市では、住み慣れた街で、健康的な自立生活が送れるように、地域包括ケアシステムを構築中です。
さまざまな角度から高齢者支援を行っており、介護サービスの充実だけでなく、自立支援による介護予防・重度化防止、在宅介護と医療の連携や介護保険事業の円滑な運営にも力を入れています。
特に生活支援はニーズが高く、炊事や掃除などの家事代行サービスが人気です。
また、買物の手助けとして、商品の配達や出張販売を実施。
訪問の際に安否確認も行うため、孤独死などの防止にもつながっています。
ささえあう街を実現するため、ボランティア団体や地域住民と連携し、継続した見守りが行えるように努めています。
高齢者福祉課が推進する高齢者等緊急通報システム事業では、心臓や脳の慢性疾患がある高齢者を対象に、急病や事故の際に緊急通報できる機器「ふれあいペンダント」を貸与。
「24時間対応してもらえるので安心」といった声が聞かれます。
認知症対策事業では、認知症高齢者とその家族が情報などを交換できる「認知症カフェ」の運営や、認知症予防教室や認知症サポーター育成講座などを開催。
認知症も含め、病気に対する理解を深めるための取り組みを行っています。
医療の面では、かかりつけ医の普及、訪問診療なども気軽に利用できるシステムを構築中です。
甲府市では、医療系含め利用できる福祉ケアは実に多彩です。
地域包括支援センターが中心となって、高齢者に適切なサービスを紹介し提供しています。
甲府市の福祉サービス運営適正化委員会とは?

甲府市では、高齢者が悩みを何でも相談できるよう「総合相談支援事業」を実施しています。
甲府市役所本庁舎の「心配ごと相談室」では、高齢者だけでなく、地域住民の日常生活における悩みごとを受け付け、助言や指導をしています。
本庁舎の「健康談話室」では、平日は健康教室、日曜日は健康教室にくわえ、健康相談も実施。
健康に関する悩みを打ち明けられます。
また、甲府市社会福祉協議会では、「生活福祉資金貸付制度」を実施。
貸付金は返済の義務がありますが、不慮の事故などで「今月と来月だけはどうしても家賃が払えない」といった悩みに対応していますので、金銭的な悩みがある人は相談してみると良いでしょう。
さらに、健康政策課や市内9ヵ所にある地域包括支援センターでは、「もの忘れ相談」を実施。
「もの忘れ簡易テスト」を行い、認知症が心配な場合は甲府市医師会「もの忘れ相談医」などを紹介してもらえます。
地域包括支援センターでは、もの忘れ以外にも心身の悩みや人間関係の悩みなど、総合的な相談に対応。
家族や地域住民の方からの相談も受け付けています。
そして、本庁舎市民相談室では、司法書士による無料法律相談会や、弁護士によるくらしの法律無料相談、行政書士による無料相談、税理士による無料税金相談、市に対する苦情などを受け付ける行政相談などが定期的に開催中です。
そのほかにも、保健センター電話相談や、女性による甲府市女性総合相談などもあり、高齢者が悩みを抱え込まなくてすむよう、あらゆる相談に対応しています。