サービスの傾向や駅からの距離、価格設定などでかなりの格差

堺市の南部全域をカバーする南区。1960年代に、大阪府でもずば抜けたスケールを持つ団地「泉北ニュータウン」が切り開かれたことで、一気に地名が知れ渡りました。
それ以降どんどん区民が増えていき、それに伴って商業地区をはじめ生活に必要なサービスやインフラが適宜整えられていきました。
すでに半世紀程度の歳月が流れており、施設の老朽化や住民の高齢化が顕在化しているという諸問題は残っていますが、全体としては依然まとまった生活環境を期待できるエリアです。
南区内の交通インフラといえば、なんといっても泉北高速鉄道が絶大なインパクトを誇っています。
しかしバスも健闘しています。
特に南海バスは区民の日常的な移動を受け持っており、区内での貢献度にははかり知れないものがあります。
そのほか「南海深夜急行バス」が大阪市の中心部へ区民を連れて行ってくれることも、付け加えておいたほうがよいでしょう。
なお「サウスウェーブ号」という夜行高速バスも存在し、首都圏を目的地として運行されています。
高度経済成長の時代には、全国各地で大型の団地が無数に建造されました。
それらの団地が固まっているエリアは、ある時期から人口の減少や高齢化が急速に進みはじめるという共通点があるものですが、南区もその例外ではありません。
区内の人口はそれほど激しくはないものの、確実に年々減少しています(少し前に15万人を切ったことが一部で話題になりました)。
高齢化率についてもはっきりとわかる勢いで進んでいます。
2023年の調査では人口13万6,432人、高齢化率34.9%となっています。
ただ要介護認定率は市内では高いほうではありません。
区内では、在宅型のケアサービスを利用する高齢者はまだ多数派ですが、介護施設への入居をしている高齢者は年々増えています。
要介護度が高い場合は特別養護老人ホームへ入居するケースが圧倒的に多く、必要な介護の内容に応じて早めに入居先の調査や決定を進めていく必要がありそうです。
こういった公的な施設は、申し込みが殺到してしまうことがあるため状況によっては民間の施設に目を移す必要も出てきます。
このエリアでは、サービス付き高齢者向け住宅や各種有料老人ホームが点在しますが、サービスの傾向や駅からの距離、そして価格設定に至るまで、かなり格差があります。
この傾向は、利用者の好みにこだわって選定できるということにつながりますから、施設を多めに比較・検討したほうがよいでしょう。