瀬戸物の名産地から工業都市、ベッドタウン、さらに観光都市へ

愛知県の北端に並ぶ都市のひとつに、瀬戸市があります。
市の西側で名古屋市と部分的に接すると同時に、東側では豊田市との間に長い境界線を持っています。
こうしたロケーションの良好さが買われて、自動車業界をはじめ数多くの大企業が事業地を、あるいは従業員の住宅地を設置するようになって久しいです。
もともとは市名の由来にもなっている、瀬戸物の名産地として県外に広く知られた都市でした。
昨今は観光業に官民一体となって全力投球しており、「愛知県陶磁美術館」のような伝統に便乗した文化施設や「瀬戸万博記念公園 愛・パーク」のような現代的な行楽地など、あらゆる名所を利用して大幅な集客に成功しています。
瀬戸市は交通インフラの完成度が高い都市です。
鉄道についてはJR線がないものの、名古屋鉄道の瀬戸線・愛知環状鉄道線があるため不便だという意見はめったに出ていません。
マイカーやタクシーで市外を目指すときは、東海環状自動車道への乗り入れ口が市内に3ヶ所あるため便利でしょう。
県道・地方道・国道は合計すると10本以上通っていてこれまた使いやすいはずです。
バスについては名鉄バスの路線がいちばん多く、次いでJRバスとなりますが、市のコミュニティバスや岐阜県を本拠地とする東濃鉄道が運営する路線も有効に機能しています。
市内の人口は、20世紀の終わりまでは一貫して増えていました。
しかし80年代、90年代と時間がたつにつれてペースが落ちており、2000年以後になると微増する程度になりました。
この数年は微減という結果になる年が続いており、今のうちに人口政策をしっかりと立てておくことが望まれるところです。
市内の高齢化率は2023年にすでに29.94%と、県内の平均値を上回るデータが出ており、市当局は気を引き締めて制作に取り掛かっている段階です。
もっとも施設関係の介護サービスについては、公営の施設のみならず民営の施設も大盛況です。
施設数で言うならグループホームの増加率が昨今は目立ちますが、コストやサービス、入居のしやすさなどで光るのは住宅型有料老人ホームでしょう。
その次に高齢者住宅や介護付き有料老人ホームです。
これらの施設に全般的に共通するのは、建物や庭地、また介護設備などが新しくてよく手入れされていることです。
介護スタッフについては経験値の高いベテランと、まだ若いもののフットワークの軽さや高いモチベーションに優れている新人のスタッフの両方が揃っているところが中心です。