サービス付き高齢者向け住宅特集
入居時費用もおさえられる安心・快適の高齢者のための“住まい”

サービス付き高齢者向け住宅の特徴は、マンションやアパートのような集合住宅が基本で、バリアフリー構造になっていること。原則として25㎡以上の広さが確保されているため、のびのびとくつろぐことができます。介護福祉士やヘルパーが常駐しており、各部屋を訪ねて安否の確認をしたり、生活する上で困ったことの相談に乗ってくれたりします。介護付有料老人ホームなどと異なり、入居一時金という名目の礼金は必要ありません。必要な費用は「敷金」「家賃」「サービス料金」だけのため、費用面での安心感も大きくなっています。
褥瘡・床ずれの対応が可能な施設特集
必要な介助に加え、医療ケアも充実

褥瘡・床ずれとは、安静にしていたり寝たきりになったりしている場合に、栄養不足や不潔になるために起こる皮ふの症状のこと。褥瘡・床ずれの予防や改善には、「清潔にすること」「特定箇所を圧迫しないこと」「充分な栄養を摂ること」が大切です。ここでご紹介する介護施設では、就寝時の体位変換をはじめ、症状が重くなった際の医療ケアも充実。褥瘡・床ずれでも対応可能な施設をお探しの方は、ぜひ一度、施設概要をご確認ください。
床ずれ(褥瘡)があっても老人ホームの入居は可能。施設では手厚いケアが受けられます!
長い間寝たきりの生活が続くと、入所者によっては褥瘡(じょくそう:床ずれ)ができることがあります。人は眠っている間に無意識のうちに体位を変えています(体位変換)。同じ体位を取りつづけると体が痛くなり、寝苦しくなることにより自然に体の向きを変えるのです。このように自分自身で体位変換ができるのであれば、床ずれになるリスクはありません。
ところが、高齢になり筋力や体力の低下で思うように動けない、ケガや病気によって体の自由がきかなくなった場合「同じ体位で体が痛い」と思っても思うように向きを変えることができません。その場合、看護師や介護士が体位変換のお世話をするのですが、それができない場合に「褥瘡(とこずれ)」ができることがあります。
床ずれとは長時間同じ部位に圧力がかかることによって血流が悪くなり、皮膚の一部が赤みを帯びる、皮膚がただれる、皮膚の表面にキズができるなど症状が起きることです。表面が赤くなり痛みが生じるのは初期の褥瘡ですが、症状がすすむと赤みから皮膚のただれ、そして深い傷へと変化していきます。病気が進行すると皮膚が消失し、傷が骨や筋肉にまで到達することに。骨髄炎を引き起こすと手術の必要があります。床ずれと言っても軽度と重症の方とでは老人ホームでの対応が変わってきます。
みんなの介護に掲載されている9,000か所施設の老人ホームのうち、床ずれの入所者を受け入れできるのは約4,768施設。約半数以上の老人ホームで受け入れ可能です。ところが床ずれの処置は医療行為にあたるため「日中看護師常駐」「24時間看護師常駐」または「訪問看護」サービスが受けられる施設でなければ医療ケアができません。介護士は床ずれができないように数時間おきに体位を変換すること、そして初期の褥瘡にはワセリンとよばれる潤滑油をぬり、患部を傷めないようにケアすることです。
もしも床ずれが骨や筋肉にまで達している場合は、感染症の危険があるため老人ホームで受け入れができないこともあります。医療施設である程度の治療をうけ、治療の結果改善がみられる場合(あたらしい筋肉組織が形成されるなど)、老人ホームへ入所できる可能性も。床ずれに対応できる老人ホームは全国にたくさんあるのですが、どのレベルの褥瘡であれば対応できるかには差異があります。
一度床ずれができた高齢者は、床ずれができやすいというリスクを抱えている場合も。しびれやマヒなどで体の感覚が鈍い、自分の力で体位変換ができない。痩せてろっ骨などの骨が出っ張っている、皮膚に弾力がなくシワやたるみが多い、尿失禁や便失禁の症状がある場合はリスクが高いため、老人ホームではきめ細かな床ずれ防止のケアをおこないます。
床ずれ(褥瘡)の原因、そして症状とは
床ずれ(褥瘡)ができる原因は、長期間にわたって同じ部位が圧迫され続けることです。
寝たきりの高齢者のなかには、体がマヒしてうまく寝返りがうてない方もいますし、圧迫による痛みを感じにくい感覚障害の方も。自分自身で体位変換ができない場合は、介護者や介護職員が2時間おきに体の向きを変えることで床ずれを予防できます。もしも体位変換をせずにずっと同じ姿勢で横になり続けると、皮膚や筋肉が圧迫されると皮膚や筋肉に必要な酸素や栄養分がいきわたらなくなり皮膚が赤く変色し、やがてそれが皮膚のただれ、傷(壊死)へと変化していきます。
床ずれの症状はまず初期の段階では「皮膚の赤み」です。赤くなると同時に痛みを感じる場合も。皮膚の赤みを発見したら血行をうながすために温めたタオルをあてます。ワセリンを塗り皮膚を保護するのも効果的。皮膚を強くこすったりさらに圧迫するのは止めましょう。水分を拭きとるときは皮膚を強くこするのではなく、優しく押さえること。皮膚に赤みがみられるのはステージⅠです。
初期の床ずれが悪化すると皮膚がただれ、水泡があらわれます。皮膚障害が起きた状態です。この水泡を潰してしまうと感染症を引きおこすこともあるため、できるだけ清潔にして患部を傷めないように注意しましょう。この状態はステージⅡに分類されます。
さらに症状が進むと傷が皮膚の真皮から脂肪層にまでいたります。この状態になるとすぐに完治させるのはむずかしくなります。ステージⅡの治療期間は1か月前後ですが、ステージⅢになると完治までに数か月~1年以上かかることも。さらに症状がすすむとステージⅣ、傷が骨や筋肉組織にまで到達した状態になると老人ホームでも簡単に受けいれができません。病院での医療的なケアが必要です。
床ずれは初期のうちに対応することで症状の悪化を防ぐことができます。床ずれができる部位もおしりや背中、肩甲骨周り、後頭部、腰まわりなどある程度決まっていますので、マメな体位交換で床ずれを予防しましょう。義務づけられています。「入居一時金が高い」と感じられるときは、その根拠を開示してもらい納得したうえで契約を結びましょう。
介護施設で褥瘡ができるようでは介護に問題あり?
「たいしたことはない」と、人によっては軽くみられてしまう床ずれ(褥瘡)ですが、症状が重くなると命にかかわることがあります。床ずれを防ぐためには、定期的な体位変換が効果的です。介護職員は定期的に入所者の体を左右に方向転換させ(体位変換)、同じ場所が圧迫されないようにケアをおこないます。ところが入所者の数が多い老人ホームでは、介護職員がきちんと体位変換できない場合も。そうなると床ずれができ、治療が必要になります。
床ずれは一度できると完治に時間のかかる病気なので、予防がなによりも重要です。「介護施設にあずけているから大丈夫」ではなく、定期的にご家族との面会をおこない、体に異常がないかどうかをチェックすることも重要です。長期間面会をせずに放置していると、いつの間にか家族の体に異変が起こり、気がついたときは手遅れ……という場合もあります。家族の介護を老人ホームまかせにせず、自分の目で確認することも重要です。
もし老人ホームでの介護ケアが十分でないために床ずれができているようなら、施設とよく話しあいをおこない、床ずれのチェックやマメな体位変換をお願いしましょう。
床ずれができやすい方にはある傾向があります。体のマヒなどにより自由に体の向きが変えられない、嚥下機能の低下で栄養不足、認知症などで痛みや異変を感じにくい、うまく言葉が話せない失語症の方(異常をうまく伝えられない)、痩せていて骨がよく見える方、おむつを当てており長時間肌が蒸れた状態になる、便失禁や尿失禁の症状がでており、皮膚が不潔になりやすい―このような症状がある場合は、入所前に老人ホームの職員に対して「床ずれを起こす可能性が高い」ことを事前に話しておくとよいでしょう。