愛知県内でも住みやすい街として有名。もちろん高齢者にとっても

名古屋市と豊田市に挟まれる形で位置する日進市。
学園都市として内外に名前をとどろかせており「学生が町を毎日のように闊歩している」というフレッシュなイメージに包まれた都市です。
もっとも、日進市にはほかにもポジティブなイメージがたくさんあります。
公園や緑地、寺社仏閣や史跡、文化施設やスポーツ施設、そして福祉施設や医療機関と、住み心地がよい都市に必要だと考えられるものがことごとくそろっているためです。
東洋経済新報社が実施する、2014年度の自治体にまつわる「住みよさランキング」では、愛知県内で堂々の4位を占めました。
このような利便性は、交通インフラにもにじみ出ています。
小規模な都市のため鉄道の駅は少な目ですが、名古屋鉄道の名鉄豊田線と名古屋市営地下鉄の鶴舞線が1970年代末に開通しています。
そしてバスの種類がとても豊富です。
名鉄バスや名古屋市営バスのほか、市が運営に携わる「くるりんばす」というコミュニティバスがたくさんの高齢者に利用されています。
市内を出歩く分にはこれらのバスでじゅうぶんに間に合いますが、市外に用事ができたときは、JR東海バスやJRバス関東が、高速バスを運行しています。
このように、住み心地の素晴らしさで評価が確立されているため、住民の流入が止まる気配はほとんどありません。
1990年ころに5万人を突破した人口はその後もペースを落とすことなく伸び続け、2000年には7万人、そして2000年代後半に8万人を超えています。人口増加は、高齢化問題に対しては好影響をもたらしてくれるものですが、日進市の高齢化率は2023年の調査でも20.2%と、かなり低い水準です。
それでも、市内の要介護認定者数は2024年時点で3,320人にも上っており、行政にとってケアサービスなどの手を緩めていられる状況ではありませんが。
それでは市内の老人ホームや高齢者専用住宅の実態を見ていきましょう。
定員に空きのある施設に関しては、残念なことに多いとはいえません。
しかし費用体系に関しては好ましい兆候が見られます。
有料老人ホームのような、費用が高いと認識されている施設でも、安い価格設定がされているケースがあるからです。
特に住宅型有料老人ホームの場合、高い場合でも月額使用料と入居一時金を合わせて100万円以内、下手をすると20万円以内で間に合うケースさえあるほどです。
このような好条件を逃さないことが、利用者には求められそうです。