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宇佐美典也の質問箱
質問

Q.53先日、「日本の医療制度は最短5年で破綻する」という記事を見ました。その現実性について宇佐美さんはどう思いますか?

年金も介護もヤバイ状況であることに違いはないと思うのですが、医療制度も先行き不安…となると、日本の社会保障はどうなっているのか!?声を荒げたくもなってしまいます。…ところで、本当に医療制度も破綻寸前なのでしょうか?(おぼちょ・自営業)

A.「最短5年」は煽りすぎ。でも、税の投入が青天井で、危機的状況にあることに違いはありません

前に一度記事を書かせていただきましたが、我が国の健康保険財政が危機的な状況にあるのは間違いありません。ただ、「日本の医療制度は最短5年で破綻する」という言葉は少し煽りが過ぎると思います。

確かに今の制度のままでは早晩キャッシュが回らなくなることは事実なので、そういう意味では「破綻する」ことになるのですが、だからと言って医療保険財政が急にゼロになるというわけではありません。40兆円弱の保険財政のキャップの範囲の中で、医療保険の自己負担率の引き上げ、高額医療の一部対象除外、さらには増税などを含む改革が実行され、持続可能な仕組みが作られることになるのでしょう。なので正確には「日本の医療制度は最短5年で破綻し、そこで大きな改革が実行されることになる」ということなんだろうと思います。

「保険とは名ばかりで税金で補填されている」ということ自体が批判されがちですが、そもそも医療保険制度に国費が投入されることはおかしいことでもなんでもありません。民間のみで医療保険を運営していると、多数の国民が経済的事情や健康上の問題で医療保険に入ることができず、無保険を強いられることになります。医療サービスを受けられない状況は国民の生命の危機に直結します。あのアメリカですら、このような状況が問題視され、オバマ大統領政権下で医療保険制度に政府が介入したことはみなさんご存知の通りです。

現代社会では、国民誰しもが医療保険制度に加入できる状態を作ることは、国家の義務で、そのために政府が一定の財政支援や規制を導入するのは当たり前のことといっても過言ではないでしょう。

問題なのは「税金が投入されていること」ではなく、「投入される税金の規模にキャップがなく、天井知らずになっていること」です。その意味では近い将来の健康保険制度の財政危機を見据えて、どのような改革を実行していくか、ということを議論することが政治には求められると思います。このような議論は既得権益を擁護せざるをえない与党では難しいので、野党の動きに期待したいところです。

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