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第24回

本人の同意なしで老人ホーム入居は可能?負担の大きい在宅介護を止めて、プロに任せるためのポイント

最終更新日時 2019/08/23
#親の介護 #老人ホームへの入居
家族が「在宅介護をするのが難しくなってきたから」入居を決めることが主流となっています。ただ、私の経験では、そんなとき素直に「そうかわかった、入居しよう」と納得される利用者さんはほとんどいません。むしろ「絶対に嫌だ」と抵抗される方がほとんどです。そんなときに、「本人が嫌がるから、このまま頑張るしかない」と抱え込まないでほしいと思います。

みなさんこんにちは。ケアマネージャーの小川風子です。

在宅介護をすることに限界を感じてきて、施設を検討している…という方は少なくありません。

なかには介護を受けている本人が施設を探す、というケースもありますが、家族が「在宅介護をするのが難しくなってきたから」入居を決めることが主流となっています。

ただ、私の経験では、そんなとき素直に「そうかわかった、入居しよう」と納得される利用者さんはほとんどいません。

むしろ「絶対に嫌だ」と抵抗される方がほとんどです。

そんなときに、「本人が嫌がるから、このまま頑張るしかない」と抱え込まないでほしいと思います。

今回は、そういった「入居拒否」について、対応を考えていきましょう。

もし可能であれば、話して納得してもらう

理想はもちろん、家族も本人も、双方納得のうえで入居することです。

施設サイドとしてもその方が助かりますし、施設によっては本人の同意がなければ入居できないところもあります。

施設入居というだけで「家族に捨てられた」と思ってしまう方が多いので、そうではないこと、安全に生活するために一番良い方法であることを本人に伝え、了承を得て入居してもらいたいですよね。

そのためには、施設の職員からも、入居後の生活についての説明をしてもらうと良いでしょう。

入居後の生活が不安で拒否をする方の場合は、ほとんどの有料老人ホームでは体験入居ができるようになっているので、それを利用するのもひとつの方法です。

この体験入居は、利用者側が施設生活について確認するのも目的ですが、施設側が利用者の人となりを把握する目的もあります。

ただし、公的な特養や老健では体験入居はありませんので、その場合はショートステイを利用しましょう(※施設によっては行っていないところもあります)。

もし入居するまでに時間的な余裕があれば、本人が慣れるまでショート利用を繰り返すと、より不安はなくなります。

それでも入居を拒否する、必要性が理解できない場合

とはいえ、説得や説明で入居を納得してくれる方ばかりではないでしょう。むしろ少数派だと思います。

私の経験上、施設入居を決められる方に多い理由としては、身体機能の障害というよりも、認知症によって介護負担が大きくなってきたから、というものです。

認知症の症状にもよりますが、進行すると在宅生活が難しくなる日は必ず来ます。

そこを家族が「本人が入居を嫌がるから」という理由で頑張って、家で介護するというのはあまり得策とは言えません。

それによって在宅介護を続けて、介護疲れから今度は家族が利用者を憎むようになる、疎ましく思うようになる…これは誰も得をしません。

ここで頭に入れておいてほしいのは、認知症がある程度進行していたり、入居の必要性を理解できなかったりする方に関しては、強引に入居させてしまうという方法もあるということです。

家族が本当にするべきことは何か

私は現在、居宅のケアマネをしていますが、施設介護職員や施設ケアマネの経験もあります。

そのうえで「入居するなんて聞いてない」「無理やり連れてこられた」「すぐにでも家に帰らせてもらう」と訴える方は少なくありませんでした。

ではこの方々は、本当に入居の話を何も聞かされず、いきなり連れてこられたのでしょうか?

ほとんどの方の場合、答えはNOです。

本当は時間をかけて、家族やケアマネ、施設の職員に説明されたはずなのですが、すべて忘れてしまっただけの話なのです。

施設入居を選んだことに、負い目は感じなくていい

施設入居が決まると、多くの家族は、本人になぜ入居しないといけないか説明します。

「もう自分の体がしんどい」
「介護がつらい」
「お互いのために施設に入居してほしい」

そう説明されて、怒る方や泣く方、納得する方もいます。でも、時間を置くとすっかり忘れていることも少なくありません。

説明したのに忘れていると家族は怒るし、利用さんも忘れているとはいえ、愉快ではない入居の話を何度も何度も聞かされると、良い気持ちはしません。

ではどうすればいいのか。

一度説明して、すっかり忘れてしまうようであれば、もう説明するのをやめてください。何度も説明したところで、誰も得しません。

100回説明されて100回入居を了承しても、100回忘れたらそれはもう「一回も聞いてない」ことと同じなんです。100回説明したのに無駄だった、そんな感情が家族に残るだけの話です。

なぜそこまでして本人を説得しようとするのか。

これは、家族が施設入居に負い目があるからなんですよね。介護に疲れて、自分が面倒をみられないから施設に入れた、それに対する負い目があるのだと思います。

だから、「本人が納得して施設入居した」という事実がほしいんです。きつい言い方ですけど、それが一番の理由だと思います。

でも、負い目を感じる必要なんて何にもありません。

家族にとって施設を探すという作業も大変で、そこにつなげるまでの事務作業、いろいろな人との話し合い、面談などもたくさんあったはずです。

それを利用者本人のために頑張ったんです。

それを当たり前に思う方もいるかもしれませんが、本当に何もしない家族というのも存在します。

このままじゃ在宅生活は無理なので、入居を考えてくださいと懇願しても動いてくれない家族もいます。

だから、入居につなげた家族は本当にご立派だと私は思います。

そのうえでお互いにつらいだけの説得なんかしなくても良いです。
することは一つ。「とにかく施設を信じてください」ということに尽きます。

最後に一言

介護職員は、納得せずに入居してくる方、帰宅願望のある方などを、たくさん経験しています。

その度にできる限りの対応をして、施設になじんでもらえるように全力を尽くします。

家族を施設に入居させても良いものかと悩んで、抱え込んでいる方はどうか、施設や施設職員を信じてください。

入居拒否は決して特別なことではありませんし、入居を納得させられなかったことを恥じる必要もありません。

よりよい施設生活が始められるように、どんなことでもけっこうです。
ぜひ周りの専門職に相談してくださいね。

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友井川 愛
一般社団法人 きらめき認知症トレーナー協会 トレーナー
2018/12/30

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