こんにちは、訪問リハブログ「リハウルフ」の管理者の杉浦良介です。
今回は、訪問リハビリと通所リハビリを併用するメリットのお話をさせていただきます。
私自身、通所リハビリでも訪問リハビリでも働いた経験があり、それぞれのサービスで“できること・できないこと”があると感じています。
併用することで、利用者さんが目標達成しやすくなることも多いですので、ぜひ参考にしていただければうれしいです。
訪問リハビリと通所リハビリは、条件付きで併用可能!
そもそも「訪問リハビリと通所リハビリが併用可能なのか?」と疑問を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
介護保険サービスは基本、“通院サービスを優先する”というルールがあります。
そして、訪問リハビリは原則「通院が困難な利用者」に対して提供するサービスであるということを覚えておく必要があります。
しかし、通院している場合でも、訪問リハビリを併用することが可能です。
条件がありますので、それを理解する必要があります。
訪問リハビリを併用できる条件は以下の通りです。
訪問リハビリを併用できる条件
- 通院や通所などによるリハビリの提供では、家屋内でのADL(日常生活動作)の自立が困難であり、家屋状況の確認を含めた訪問リハビリの提供が必要である場合
- ケアマネジャーのケアマネジメントの結果、必要と判断された場合
簡単に説明をしますと、「通所リハビリではできないことがある場合は、訪問リハビリを併用することができます!」ということです。
よって、制度上、訪問リハビリでは通所リハビリと同じようなことをやってはいけないことになります。
※ただし、地域によっては訪問リハビリと通所リハビリの併用が禁止されているところもありますので注意が必要です。
通所リハビリにはできず、訪問リハビリではできること
訪問リハビリと通所リハビリの併用には、たくさんのメリットがあります。
併用する前にそれぞれの役割を理解する必要があります。
ここでは、通所リハビリではできない“訪問リハビリの役割” の例を説明していきますね。
訪問リハビリでできること
- 自宅の環境で入浴動作の練習
- 自宅の環境で移動の練習や生活導線の確認
- 自宅の環境で介助方法などの家族指導
- 自宅の環境で自主練習指導
- 自宅の環境で福祉用具の選定や適合の助言
- 公共交通機関を利用した外出練習
“自宅の環境で”ということが鍵となります。
訪問リハビリは利用者さんのご自宅で行うリハビリです。
同じことを病院や施設で行うのと自宅の環境で行うのとでは、まったくと言って良いほど効果や目的が異なります。
これらが通所リハビリではできず、訪問リハビリではできることだと思います。
訪問リハビリと通所リハビリの併用をおすすめする場合
実際に訪問リハビリと通所リハビリを併用するおすすめのケースをいくつか紹介させていただきます。
退院後の調整
退院後は、生活混乱期という状態となることが多いです。
例えば、回復期のセラピストが自宅環境を整えて退院支援しても、その後の自宅の環境での微調整が必要になる場合があるのです。
退院後、困らないためにも少しの期間でも訪問リハビリを併用して利用することをおすすめします。
福祉用具導入時の助言
福祉用具と身体機能を自宅での環境に適合させるのは、訪問セラピストの得意分野です。
実際の生活場面での反復練習・指導をすることができるのは訪問リハビリの強みです。
ちなみに、通所リハビリのセラピストも、福祉用具と身体機能を適合させることができます。
自宅での入浴動作の指導
通所介護や通所リハビリで入浴をしている場合でも、「自宅で入浴をしたい!」という目標を抱いている人も多いと思います。
そんなとき、訪問リハビリでは自宅での環境で入浴動作の指導を繰り返しでき、目標達成につながる場合もあります。
入浴をする際の介助方法や留意点などの家族指導も直接できますので、訪問リハビリの併用はおすすめです。
外出の練習
訪問リハビリの提供場所は自宅だけではありません。
自宅から外に出ることも訪問リハビリでは重要な役割です。
例えば、自宅での環境で靴を履く反復練習、扉の開閉動作、歩行器の出し入れ、自宅周辺の長距離歩行、バスや電車の乗車練習、エレベーターやエスカレーター、階段などの昇降練習、買い物動作などです。
そのような練習は通所リハビリではなかなか難しい場合が多いです。
最後に一言
ここまでお話ししてきたように、通所リハビリではできないが、訪問リハビリではできることは多岐にわたります。
“自宅での環境”でしかできない訪問リハビリを併用することで、多くのメリットがあります。
自宅での生活に困ったことがあれば、ケアマネジャーに併用を相談することをおすすめします。