「あまちゃん」のロケで人気が再燃。暮らし向きも良好

岩手県の東北部、北上山地と久慈湾に挟まれるように位置する久慈市。
「北限の海女」の町として以前から有名でしたが、数年前にNHKの朝の連続TV小説「あまちゃん」の撮影が行われたことで、かなりの話題を集めました。
もともと「久慈秋祭り」や「小久慈焼陶芸まつり」といった伝統色が強いイベントがさかんに行われ、安定した集客に成功していましたが、近年は新たなイメージづくりに成功しています。
よその自治体からモデルとされることは少なくありません。
小説や映画の舞台に選ばれることが多かったため、観光都市としての実績には優れたものがあります。
市内を走る鉄道は、JRの八戸線や三陸鉄道の北リアス線だけですが、高速道路・幹線道路の整備が活発に行われてきたため、移動の際に不便を強いられる恐れはほとんどないでしょう。
八戸久慈自動車道が、インターチェンジが2ヶ所あるせいもあっておそらくいちばん有名ですが、国道281号線をはじめそれ以外にも利用価値の高い車道がたくさん走っています。
バスは市内向けと市外向けの双方が大健闘しています。
市内の路線を管理しているのは、JRバス東北ですが、市民バスとして親しまれている「のるねっとKUJI」も欠かせない住民の足として定着しています。
市外向けの高速バスについては、岩手県北バスの管轄ですが、盛岡へ向かう便のほか東京都内へ直行する便があり、よく利用されてきました。
市内の人口がピークに達したのは今から30年以上前のこと。
それ以降は、ペースが激しかったわけではないものの下降線の一途をたどってきました。
4万人を割り込んだのは2000年代初頭でしたが、現在の傾向が止まらない場合は近いうちにに3万人を切る可能性があるとする推定が出ています。
2023年の調査では、市内の人口は3万2,645人、高齢化率は35.0%でした。
全国的に見るとけっこうな高さですが岩手県内ではそれほどの水準ではありません。
いずれにせよ市当局は特別養護老人ホームなどの公営の介護施設の収容にはかなり真剣な姿勢を見せています。
市内ではまだ民間の介護施設の進出がさかんだとは呼べない状態のため、公的な施設はひと際目立っているのです。
もっともグループホームやサービスつき高齢者向け住宅の建造も最近は目に付くようになっています。
これらの施設は安い費用で入れる可能性がありますし、独特の持ち味があるため、検討する価値はじゅうぶんにあるといえるでしょう。