何世紀も昔から、北陸を象徴する大都市でした

福井県の北部、日本海沿岸に位置する福井市は、越前地方の中心地として古くから発展してきました。
戦国時代には北ノ庄城を軸とした城下町が形成され、江戸時代になると独特の文化が花開いたことは、たくさんの資料から裏付けられています。
市内の中心市街地は主に中央部分にあり、東西はそれぞれ両白山地や丹生山地が広がっていて、豊かな自然がいっぱいです。
また、福井城は現在城郭の一部が残っており、本丸の跡地は県庁をはじめとした公共の施設が立ち並んでいます。
公園としても整備されており、門の一部を復元する計画が進められている最中です。
このほか、一乗谷朝倉氏遺跡や養浩館庭園が市内の象徴的な史跡でしょう。
養浩館庭園は国から名勝の指定を受けており、アメリカ合衆国で発行されている庭園専門誌のランキングで、何度も上位に食い込んでいるほど人気が高いです。
市内はもともと公園が多く、足羽山公園・福井運動公園・越前水仙の里公園などは特に有名です。
中でも、足羽川堤防は「日本さくら名所百選」に選出されており、桜の大木がたくさん両岸に植えられていて実にきれい。
もし、市内で温泉をご利用になるときは、佐野温泉や大安寺温泉、鷹巣温泉や美山森林温泉がおすすめです。
福井市で列車にお乗りになる場合は、JRの北陸本線や九頭竜線、えちぜん鉄道の勝山永平寺線・三国芦原線や福井鉄道の福武線などをお選びいただけるほか、路線バスについては、京福グループの路線が豊富です。
福井市の人口は、平成の初期まで右肩上がりの成長が続いていました。
その後は減少に転じていますがその進みは遅く、どちらかといえば横ばいに近い状態です。
2023年の調査では25万7,941人でした。
同年の高齢化率は29.5%であり、全国平均値の29.1%とあまり変わりません。
現在の福井市で介護施設をお探しになる場合は、グループホームや介護療養型医療施設のような、公営の施設が見つかりやすい状態です。
福井市の高齢化率は2023年には29.5%に
福井市は福井県の県庁所在地であり、江戸時代には大都市となって大きく賑わった場所です。
1940年代には福井大空襲や福井地震に見舞われて人口が減りましたが、その後、減少時の倍以上にまで復興しました。
福井市の交通アクセスは比較的発達しており、福井駅を中心にJR西日本の北陸本線や越美北線、福武線などが発着。
福井駅から小松空港へは、小松空港連絡バスを使えばば約1時間程度。
乗合タクシーや乗合バス、コミュニティバスなども市内を走っています。
高齢化率に関しては、年々上昇しており、2023年度の時点で29.5%まで上昇しています。

国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
一人暮らしの高齢者や老齢夫婦のみの世帯など、高齢者のみの世帯も増え続けています。
2020年の調査では高齢者のみの世帯は2万3,282世帯で、福井市の総世帯に占める割合は22.2%。
もうすぐ4世帯に1世帯は高齢者のみの世帯になりそうです。
一方、0歳から14歳までの年少人口や、15歳から64歳までの生産年齢人口は減少中です。
特に14歳以下の年少人口をみると、1985年以降は減少傾向にあり、少子高齢化が進んでいます。
また、高齢者だけの世帯の中で、一人暮らしの高齢者は1万1,323世帯となっており、総世帯に占める割合は10.8%。
一人暮らしの高齢者は増加の一途を辿っており、日常生活の支援が必要な高齢者も増えています。
相談窓口「ほやねっと」が介護サービスの利用を促進
福井市では、介護保険の要介護・要支援認定者は増えており、今後も増加すると予想されています。

2010年に9,793人であった要支援・要介護認定者数は右肩上がりに増加し、2024年には1万4,525人にまで増加。認知症高齢者も増加しており、2016年度には9,011人、高齢者人口に占める割合は12.3%でしたが、今後さらに増えていくと福井市は予測しています。
そのため、認知症の人だけが入れるグループホームや、認知症対応型デイサービスなど、認知症ケアが受けられるサービスを充実させている最中です。
訪問介護や訪問看護、夜間対応介護看護なども需要が高いので、介護スタッフの増員に力を入れています。
また、自宅で安全に暮らせる環境づくりのサポートもしており、住宅のバリアフリー化工事を助成したり、車イスや介護ベッドなどを貸し出したりしています。
介護保険サービスの内容は実に多彩ですので、利用してみたい人は、気軽に地域包括支援センター「ほやねっと」に相談してみると良いでしょう。
また、福井市では、介護保険サービスに加え、在宅介護中の家庭にオムツ代を支給。
一人暮らしの高齢者に福祉電話などを貸与しています。
地域包括支援センター「ほやねっと」が介護保険サービスも含めた高齢者福祉サービスの窓口となっており、ケアマネージャーが一人ひとりに合わせた介護保険サービスプランを作成しています。
介護予防のための「介護サポーターポイント制度」を導入
福井市では、ずっと健康に暮らせるよう、介護予防活動を推進中です。
例えば、「歯科口腔指導無料券」を配布することで「口腔機能」の維持を推奨。
指定歯科医療機関でお口の状態を無料でチェックしてもらい、口腔機能の維持・改善のための指導が受けられるようにしています。

また、介護予防体操である「いきいき百歳体操」を推進し、各地域で定期的に実施するようにしています。
コンスタントに外出し、体操を行うことで、閉じこもりなどの防止になっているのもポイントです。
介護予防教室では、自宅でも気楽に続けられる体操の紹介や、体力づくりのための有酸素運動、認知症を予防する頭の体操などを実施。
実践的な内容が特徴です。
さらに、地域交流やおしゃべりも心身の健康によいとして、「いきいき長寿よろず茶屋」を開催。
個人宅から公民館まで、さまざまな場所で喫茶や談話、健康体操やラジオ体操などを行っています。
ときにはカラオケ大会やぜんざい作りなどのイベントも行い、高齢者同士の交流の活性化を促しているのが魅力です。
加えて、生きがいづくりや社会的な活動は認知症予防にも繋がるとして、「介護サポーターポイント制度」を導入。
65歳以上の人が介護サポーターとして、介護施設や自治会型デイホームでのお茶だしや掃除、配膳などのボランティアを行い、活動内容に合わせてポイントがもらえるシステムです。
ポイントは換金できるため、「やりがいがある」といった声も聞かれます。
福井市は認知症サポーターの養成率が第4位
福井市は海や山など自然に恵まれた街で、福井港や鷹巣漁港などの港も有しますし、森林資源を活用した銀杏材木工品などの名物も有名です。
恐竜の骨が発掘された街でもあるため、恐竜博物館など、恐竜にちなんだものも多数あります。
そんなさまざまな資源を活用しながら、「人、街、自然、文化の『交・響・楽・彩 ふくい』」をスローガンにして、市民が暮らしやすい街づくりを実施中です。

街づくりの一環として、団塊の世代と呼ばれる人々が75歳以上となる2025年を目途に、安心して暮らせる環境を作ろうとしています。
認知症の高齢者も増えているため、そちらの対策にも力を入れています。
認知症の高齢者だけでなく、その家族のサポートや、認知症カフェの設置、認知症徘徊・見守りSOSネットワークなどを構築。
認知症サポーターの養成を積極的に行っており、養成率は県庁所在地の都市の中では第4位です。
そして、元気な高齢者のボランティア活動の支援や、就労支援も実施。
市全体での介護予防活動も推進しています。
福井市はさまざまな福祉サービスを実施することで、高齢者の生活を多方面からサポートしています。
福井市の福祉サービス運営適正化委員会とは?

福井市では、高齢者向けの相談窓口を設置し、悩みの解決の手助けをしています。
福井市は現在、高齢者の交通トラブルが増えているため、安全環境部県民安全課の交通安全グループで「高齢免許返納者サポート制度」を実施。
高齢運転者の免許を自主返納することについて相談を受け付けています。
返納する代わりにバス回数券や福井鉄道の回数乗車券などがもらえますし、75歳以上の人ならタクシーの運賃が1割引です
また、福井市社会福祉協議会では苦情受付窓口を設置し、福祉サービス利用者の苦情に対応しています。
電話や手紙での相談も可能ですし、各児童館などにも苦情を受け付ける担当者がいるので、相談しやすいでしょう。
第三者委員が苦情内容を聞き、公平に対処してくれるのが魅力です。
そして、福井市高齢者・障害者日常生活自立支援センターでは、福祉サービスの手続きや利用、金銭管理に不安がある高齢者を支援しています。
「サービスの手続きがさっぱりわからない」「通帳と印鑑がなくなったらと思うと…不安で寝られない」といった悩み相談が可能です。
さらに、消費者センターでは、振り込め詐欺などの消費相談にくわえ、雪かきや雪下ろしのサービス契約に関するトラブルなどにも対応。
不安のある人は遠慮なく相談すると良いでしょう。
基本的には、地域包括支援センター「ほやねっと」が高齢者福祉の総合相談窓口となり、高齢者以外にも家族や地域住民からの相談にも対応しています。
在宅介護や介護保険サービスなど相談内容は広範囲です。