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第29回

サプリメントの飲みすぎは体に悪い?薬剤師が注意点を解説

最終更新日時 2019/12/11
#高齢者の健康
こんにちは。薬剤師の雜賀匡史です。健康維持のために健康食品・サプリメントを使っている方も多いと思います。テレビ、インターネット、雑誌などで毎日のように目にする健康食品・サプリメントですが、実は健康食品・サプリメントが原因で体調を崩してしまうことも報告されています。今回は健康食品・サプリメントとの上手な付き合い方をご紹介いたします。

こんにちは。薬剤師の雜賀匡史です。

健康維持のために健康食品・サプリメントを使っている方も多いと思います。

テレビ、インターネット、雑誌などで毎日のように目にする健康食品・サプリメントですが、実は健康食品・サプリメントが原因で体調を崩してしまうことも報告されています。

今回は健康食品・サプリメントとの上手な付き合い方をご紹介いたします。

サプリメントとは?

私たちが口から摂るものは、食品と医薬品(医薬部外品を含む)に分かれます。

健康の維持や増進の効果をうたった健康食品・サプリメントは食品に分類されるのです。

健康食品・サプリメントは国の制度によって、「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」の保健機能食品と、それ以外の「その他健康食品」に分類されます。

このなかで、特定の成分が濃縮され、錠剤やカプセルの形をした製品がサプリメントと呼ばれているのです。

サプリメントのことを話す男性看護師

健康食品・サプリメントと医薬品の違いは?

錠剤やカプセルの形状をした健康食品・サプリメントは医薬品と混同されやすいのですが、この2つは性質のまったく異なるものです。

医薬品は世に流通される前に、病気の人を対象とした有効性・安全性の科学的根拠を得るための研究が何段階にもわたり実施されます。

1つの医薬品が誕生するまでに約9~17年かかると言われており、最終的に厚生労働大臣の承認を受けた後、流通が許されます。

また、医薬品は製品の品質が一定であり、有効成分量、有害物質の混入などが厳しく管理されています。

万が一、医薬品によって健康被害が生じた場合には、医薬品副作用被害救済制度という公的な救済制度の仕組みがあります。

一方で健康食品・サプリメントには、これらの厳しい基準がありません。

健康食品・サプリメントは食品に分類されているため、発売前に臨床データを取る必要はありません。

もし成分量が表示と異なったり、製品に有害物質が混入していても、消費者は気づくことができません。

また、健康被害があった場合でも、医薬品のような救済制度はありません。

バツ印の札を掲げた男性医師と、話を聞く高齢女性

トクホって何?

お茶やジュースなどで、「特定保健用食品(トクホ)」と表記されたものを見たことがあるかと思います。

「普通の飲料より数十円高価なので、健康に良さそう」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

このトクホに分類される食品は、ほかの健康食品とは違い、国によって個別の製品ごとに安全性や有効性が評価されています。

このため、「血圧が高めの方に適する」といった健康機能に関する表示が一定の範囲内で認められています。

注意すべき点としては、トクホは医薬品ではないということです。

「血圧を下げます」という表記はできませんし、これによる降圧作用を期待してもいけません。

効能効果があるのは医薬品のみです。

つまり、「血圧が高めの方が飲むのに適しているけれど、これで血圧が下がるから治療しなくて良い」ということではありませんので注意しましょう。

サプリメントによる健康被害

「健康食品だから、たくさん摂って健康になるぞ!」と思っていませんか?健康食品でも摂り過ぎは禁物です。

錠剤やカプセル剤の形状をした健康食品・サプリメントの摂り過ぎによる健康被害が、多数報告されています。

例えば、ドラッグストアで販売されているカルシウム製剤を例に挙げてみましょう。

骨を丈夫にする目的や骨粗しょう症の予防のためにカルシウムを積極的に摂っている人も多いと思いますが、カルシウムを摂り過ぎると、動脈の石灰化を促し、心臓病のリスクを高めるという研究発表が米国でありました。

このほかにも、ビタミン剤の摂り過ぎにより、手足の痺れなどの神経障害や、感覚障害、腎臓結石など、さまざまな健康被害が報告されています。

食品の素材そのもので摂るよりも成分が濃縮されていることが多い健康食品・サプリメントは、過剰摂取による健康被害を受けやすいので、必ず決められた量を守って使用しましょう。

大量のサプリメントと矢印と頭を押さえた高齢男性

効能効果の表示、有名人の使用例の広告に騙されないで!

「これを食べると病気が治ります」とうたっている製品は明らかに法律違反ですが、「病気の人にも使えます」や「薬と違って食品だから、どんなに食べても大丈夫」など、あいまいな文言で病気の人に使用をすすめている健康食品には注意しましょう。

また、「私はこれで10kg痩せました」など、有名人の写真とともに掲載されている製品にも注意する必要があります。

さらに、「〇〇博士が推薦している」など、科学的根拠に基づいていない宣伝広告にも注意が必要です。

近年は認知症に良いと言われているサプリメントも広く販売されています。

認知症という症状は長期戦ですので、高額なサプリメントを使用し続けることの経済的負担も大きいと思います。

同じだけのお金を使えば、その人が好きな食べ物、好きな音楽、映画、絵画、旅行などの趣味や、介護サービスを今より充実させられるかもしれません。

安易な使用をせず、その必要性をよく考えて判断しましょう。

カラオケで歌を歌う高齢男性と、若い女性に入浴介助をしてもらう高齢女性

最後に一言

健康食品・サプリメントについて、メディアなどでは良い点ばかりが紹介されているので、今回はあえて悪い点についてもご紹介いたしました。

すでに健康食品・サプリメントを摂っていらっしゃる方には、必ずしも読み心地の良い情報ばかりではなかったかと思いますが、良い点と悪い点を知ったうえで納得して使用することが、皆さんの健康維持に必要なことです。

サプリメントは英語表記でsupplement、これは日本語で「補足、補う」を意味します。

仕事や介護で忙しくてバランスのとれた食事を摂ることができないときに、不足している栄養素を補う目的で使うのが健康食品・サプリメントの本来の使い方です。

皆さんの健康を支える基本は、日々のバランスの良い食事と適度な運動です。

今回は記述できませんでしたが、医薬品と相性の悪い健康食品・サプリメントも多数存在します。

ドラッグストアなどで購入する前に、必ず医師・薬剤師に相談し、上手に利用していきましょう。

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