こんにちは。口腔ケア部門を担当している日本デンタルスタッフ学院・学院長の田中法子です。32年前に歯科衛生士国家資格取得後、一般歯科に勤務しながら訪問歯科診療に従事しました。
欧米で生まれ育った知人からこんな質問をされました。
「日本人がマスクしているのは自分の歯が恥ずかしいから?笑う時も口を隠すけど、恥ずかしいからなの?」
私は、ハッとしました。そうかそんな風に感じるんだな〜と。
欧米の文化の中では歯を見せて笑うことが自信と信頼の証であると言われているので、その文化の中で生活してきた欧米人からしてみれば、日本人が笑う時に口元を隠す習性があることについては信じられないのではないでしょうか。
また、大手家電会社が「自分の口の中に自信がありますか?」とアンケートを行なったところ、「ある」と答えた方はたった4%でした。
みなさんも、どうせなら口に自信を持って笑いたいですよね?今回紹介するのは、口臭対策についてです。
自信を持って笑うには口臭を解消しよう

口に自信があるかないかの基準として、一番先に思い浮かぶのは「口臭」です。口臭の原因は、90%が口腔内の病気によるものと言われており、舌の上や歯周ポケット・のどの奥に存在する菌が臭いを出します。
私がある介護施設に口腔ケア指導に行った際、臭いを消すために「消臭剤」が置いてありました。しかし、これでは根本的な解決にはなりません。腐敗したニオイは消すのではなく原因を取ることが大事です。「口臭を取りたいから口腔ケアをする」のではなく「口腔ケアで口臭の元となる口腔内の菌を取って健康になる」と考え方を変えてほしいのです。
口臭の原因をとる3つの方法

口臭の原因には、以下の3つがあります。
舌の上に菌がある
舌の上が白かったり乾いていたりすると、菌があるサインです。あまり大きく空かなくてもチラッっと見ただけでも色は確認できると思います。
除去するには舌ブラシを使うことが大切です。できれば柔らかい毛先がUの時に植毛されているものがおすすめ。ゴシゴシしてしまうと、舌の表面に傷がついて味覚に変化が出てしまう場合もありますので、保湿剤をスポンジブラシにつけて優しく拭うようにしてください。
歯周病ポケットやむし歯など歯の病気
かかりつけの歯科医または訪問歯科の先生に依頼してしっかりと確認してもらい、治療もしくは専門的口腔ケアを受けて下さい。
のどの奥や口腔乾燥に菌がある
水分をあまり取らない方や、口を開けっ放しで寝る人は、のどの奥に菌が繁殖して口臭が発生することもありますので、こまめに水分をとることも大切です。
これらを、自立のできる方であればご自信で確認する。介護が必要な方は口臭を感じた時点でこの3ポイントを確認してもらってください。
「人が生き甲斐を感じるときは人のために尽くしているとき、その気持ちは他の感情が薄れていっても最後まで残る」と老年心理学では言われています。私たちも遠くない将来、高齢になります。そんなとき、自分の生活が健康で満足したものであれば、他の人のためになりたい気持ちが芽生え、人生で最高の生き甲斐になります。
何を食べた、どこに旅行にいった、という思い出も大事ですが、まず自分の心身を健康に過ごし、そして自分以外の人たちとたくさんコミュニケーションを取りながらそれを生き甲斐としたいものです。
昨今の歯科医院では、「予防」に積極的に取り組むところもたくさんでてきました。削って詰める、かぶせるという今までの歯科のかかり方ではなく、「どうしたら歯を守れますか?」という観点から歯科医院に定期的に行っていただきたいと願います。
そうすることで、自分の人生が健康で送れることはもちろんですが、未来を担うこれからの子供達の負担も少なくなります。今回は、高齢者の口腔ケアをどうするか?というノウハウ的なことよりも、考え方というか、根本的なところからお話ししました。
次回は、どのような道具をどう使うと口腔ケアを受ける側の方が快適か、という内容をお伝えしたいと思います。