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第174回

家族が倒れたときの3つの教え。判断に迷ったら7119番へ電話を!

最終更新日時 2020/09/30
#親の介護 #介護保険サービス
こんにちは、フリーライターの奥村シンゴです。今回は「介護者が倒れたとき、何に注意するべきか」をお話したいと思います。

こんにちは、フリーライターの奥村シンゴです。

総務省が公開している2016年・2017度版の『救急・救助の現況』によれば、救急自動車が出動した件数は620万9,964件で、562万1,218人が救急搬送されました。そのうちの57.2%が高齢者であり、介護者は緊急時の対応に備える必要があることがわかります。

私は30歳過ぎの頃から認知症の祖母を週4・5回、で1人で在宅介護をしていました。そのとき、祖母が何度か体調不良を訴えて緊急対応を余儀なくされたときがあります。

今回は私の体験談を通して、「家族が倒れたときに必要な注意点」と訪問看護の重要性についてお話します。少しでも「役に立った」と思っていただいたら、SNSで拡散していただければ幸いです。

介護者が知るべき3つの注意点

ある日の夜中、突然祖母の寝室から「ドン!ドン!ドン!」と大きい音が聞こえてきました。私が目を覚まして祖母の寝室に行くと、祖母が横になって倒れていたのです。この日、祖母は夕食を普通に食べて就寝していたので、あまりの急変ぶりに驚きました。私は「ばあちゃん、どないしたん?大丈夫か?」と声をかけましたが反応がなく、急いで救急車を呼びました。

祖母が急に倒れてしまった…

10分後、救急隊員が数名ほど到着して祖母に検温や問診を行い、「39℃の発熱と腹痛が診られますが命に別状はありません」と報告がありました。>結局、病院で検査したところ「尿路感染」ということで、2週間の入院が必要になりました。主治医は私に「高齢者の場合は、晩御飯を食べた後に体調が急変するのは珍しくないんですよ。原因不明なことも往々にしてあります」と説明が。この緊急入院を経験して、私は次の3つの注意点が必要と思いました。

家族の保健証とお薬手帳、診察券の場所を把握する

すぐに祖母を救急病院へ搬送することが決まったのですが、その際に救急隊員から「かかりつけの病院の保険証、診察券、お薬手帳はありますか?」と聞かれました。ところが、祖母が所持していたので場所がわからなかったのです。

救急隊員の方は、短時間で病院に搬送するか否かを判断しないといけません。場所がわかっていないと余分な時間をとらせてご迷惑をかけます。また、救急隊員にわかる範囲で、本人の心身における様子を伝えることも重要です。

119番ではなく7119番に電話する

7119番は、「病院に行くべきか」、または「救急車を呼ぶべきか」迷ったときに医師や看護師などが相談に乗ってくれて、適切な判断してくれる救急電話センターのことです。

就寝前に検温や血圧測定をする

祖母が寝る前はできる限り体温や血圧を測っていたのですが、この日は何もしていませんでした。もし測っていたら、もう少し早く祖母の異変に気がつけたかもしれません。

被介護者が倒れたときの3つの注意点

訪問看護を利用すれば緊急時に診察してくれる

祖母は、急病を発症して救急搬送されたことが年に数回あり、その間は要介護度が1から4に上がりました。そのとき、祖母の担当のケアマネージャーから私に「おばあさまが要介護4になりましたので、訪問看護をつけると急病時にかけつけて安心ですよ」と提案を受けました。そこで私は訪問看護を依頼してみたのですが、早々に効果があったのです。

ある日の夜中、祖母が突然「シンゴくん、ムカムカするよ。トイレ行ってくるね」と言い嘔吐しました。私が便器を見ると、少量の血が混じっていたのです。前回の祖母の急病の経験を踏まえて、就寝前に検温や血圧を測定してはいたのですが異常なし。しかし、私は念のために訪問看護を呼びました。

すると、すぐ訪問看護師が到着して祖母に検温や血圧測定、聴診器で胸の音を聞いて診察をしてくれたのです。訪問看護師は「おばあちゃんは平熱で血圧も心音も異常ないし血色良好。様子を見て、気になる症状が続くようなら病院に行けばいい」とアドバイスしてくれました。その後、数日間祖母の様子を観察していましたが特に異変はなく事なきを得ました。

訪問看護の5つのメリット

また、こんな出来事もありました。祖母は極度の便秘症で、内科を受診しなければいけません。移動が往復タクシーなので経済的にな負担もあることや浣腸をしてもらうのに半日かかります。

ところが訪問看護師に依頼すると、週1回訪問看護師が祖母に浣腸をしてくれました。このおかげで、祖母を病院へ定期受診以外に連れていく回数が減り、緊急対応をするケースも激減したのです。訪問看護を依頼しておくと下記のようなメリットがあります。

  1. 週1回訪問看護師に受診してもらうため急病のリスクが減少
  2. 夜中に救急車を呼んで病院へ行く回数が減る
  3. 近くの病院が休みのときでも早く駆けつけてくれる
  4. 本人と介護者の心身的・経済的な負担が減る
  5. 看護師から直接アドバイスが聞け、本人や介護者が安心できる

訪問看護に依頼してみると…

また、みんなの介護が2020年1月に実施した訪問看護のメリットについてアンケートによれば、下記のような回答が得られています。

1位:個別対応で柔軟性がある(315件)28%
2位:生活環境を変えなくて良い(267件)23.8%
3位:通所介護よりも費用が安い(234件)20.8%
4位:寝たきりなど移動が難しくても利用しやすい(85件)7.6%
5位:施設の規則などに縛られない(46件)4.1%

皆さんも、もし在宅介護で悩んだら訪問看護師に依頼してみると良いのかもしれません。

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中川 恵子
医療・介護・健康専門ライター
2021/08/02

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