近年になってサービス付き高齢者向け住宅が急増中!

高知県中部の中心都市であり、太平洋に面して発展してきた高知市。
県内人口の半数近くが高知市に集中しており、県全体の産業の隆盛を支えています。
2008年に吾川郡から春野町を吸収し、ますます大規模になりました。
高知市といえば、何といっても「よさこい祭り」でしょう。
毎年8月になると、膨大な踊り手がパレードをつくって観客を楽しませます。
そのほかにも有名なのが、坂本竜馬に代表される旧跡の数々でしょう。
「高知城」や「土佐神社」は、年間を通して膨大な見物客が訪れています。
また、「四国八十八ヵ所」に選ばれている寺院が4つあり、高知市が古くから重要なエリアであったことを現在に伝えています。
高知市の鉄道は、JRが管轄する土讃線と、とさでん交通が管轄する路面電車に二分されます。
後者については、「桟橋線」「後免線」「伊野線」と路線が分かれています。
とさでん交通はバスの運行も行っており、この地域の交通を考える上では外せない存在です。
バスについては、「高知駅前観光」と「県交北部交通」が提供するサービスもよく利用されています。
幹線道路が多いとはいえませんが、車で外出する際には高知自動車道と数本の国道が使いやすいルートとなってくれます。
市内の人口は、世紀の変わり目を分岐点として、対照的な推移を示しています。
1970年代からずっと増加傾向だった高知市の人口は、2000年以後、県全体の人口低迷に伴い減少傾向へと傾きました、しかし、その進みは非常にゆっくりとしています。
2023年の集計によると、高知市の高齢化率は30.4%でした。
なお、人口が集中している点は高齢者福祉においては有利に働いており、市内の介護施設数は、四国全体でみても非常に豊富といえます。
どのタイプの施設も平均して多いですが、特に近年活躍が目立っているのはサービス付き高齢者向け住宅、そして介護付き有料老人ホーム、グループホームでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅については、入居一時金と月額使用料を合算しても15万円以下の施設が多く、なかには入居一時金が一切必要ない施設まであるほどです。
費用をあまりかけたくない方は、高知市の施設を探してみることをおすすめします。
高知市の高齢化率は2023年時点で30.4%
高知市は、高知県の県庁所在地でもある中核市ですが、総人口は減少しており2025年には30万人を割り込むと予測されています。
一方、高齢者数は年々増加中。
2010年から2025年までで高齢者人口は約2万人増加し、主に75歳以上の後期高齢者が大部分を占めるようになると予測されています。
75歳以上になると、介護保険の要支援・要介護認定者が急激に増えるため、介護保険サービスの利用者も急増すると予想されています。
高齢者数は2020年に10万人を超え、その後は横ばい状態が続きますが、85歳以上の高齢者は増え続けるようです。
反対に、65歳未満の人口は減少するため、、2035年には35%に達する予測です。2023年時点では高齢化率30.4%でした。

国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
3人に1人以上は高齢者という状況に対応するべく、高知市は現段階から介護保険サービスを含めた高齢者福祉サービスの充実を目指し、サービスの提供体制を整えようとしています。
介護療養病床やグループホームの利用率は全国平均の5倍以上
2024年度の調査によると、高知市の要支援・要介護認定者数は1万9,974人でした。
そのなかで実際に介護サービスを利用しているのは、1万8,180人となっています。

介護度別にみると、要介護1認定者が最も多く、次いで要支援1、要介護2の順で多くなっています。
全国平均と比べると、要支援1と要介護1・5の認定者が平均を上回っています。
年々認定者が増えているため、高知市地域高齢者支援センターでは介護予防を積極的に推進中です。
要支援・要介護認定者の認知症の度合いをみると、要介護2以上になると介護や医療などの認知症ケアが必要な人が急増しています。
認知症高齢者とその家族が安心して暮らせるよう、高知市は認知症対応型デイサービスを行う事業所や、グループホームの増設を検討中です。
また、高知市では介護保険サービスのひとつである施設サービスを利用する人が多く、介護療養病床やグループホームの利用率は全国平均の5倍以上となっています。
しかし、特別養護老人ホームの利用率は全国平均より2割ほど低く、老人保健施設は4割も低いです。
施設によってばらつきがあるため、高知市はそれぞれのニーズに合わせた施設の増設などを行おうとしています。
そのほかにも、訪問介護や訪問看護などの居宅サービスはやはり需要が高く、高知市は途切れないケアのためにも、サービスに携わる人材の確保や育成に力を注いでいます。
介護予防の推奨で高齢者の約95%に「かかりつけ医」がいる

高知市では自分らしく最期まで人生が楽しめるよう、介護予防活動を推進中です。
通所リハビリテーションなどの自立を促す通所型サービスの整備を行い、運動機能の向上を目指しています。
また、介護予防体操である「いきいき百歳体操」を各地で実施し、コンスタントに体を動かす習慣づくりを補助。
参加率は女性の方が高く、要支援高齢者では、男性が15.6%、女性が33.2%となっており、男女ともに75歳以上の参加率が高いです。
さらには健康維持・増進も不可欠として、健康維持活動にも力を入れています。
2020年の調査によると、高知市での死亡原因はがんが一番多いことがわかりました。
そのため、がん検診を積極的に行うことで、病気の早期発見・早期治療を目指しています。
高知市は、高齢者に「かかりつけ医」を作ることを推奨。
活動が功を奏し、介護保険の要支援・要介護認定者は、「かかりつけ医」がいる人が約95%となりました。
しかし、かかりつけ歯科医がいる人の割合はまだまだ低いため、今後も積極的に推奨活動をしていく予定です。
市では認知症予防に加え、認知症サポーターの育成講座や認知症について学べる認知症講座を実施。
高知市全体で認知症への理解を深めながら、認知症予防を行っています。
特に、認知症キャラバンメイト養成研修は、2014年度までに約1万2,000人が受講しました。
理解あるサポーターが増えることで、より高度な認知症予防や認知症相談などが行えています。
「配食サービス」などの高齢者の栄養改善サービスが充実

2010年の国勢調査によると、高知市では一人暮らしの高齢者が全国平均より多いことがわかりました。
全体的に自宅で暮らす高齢者が多く、生活支援を必要とする高齢者が増えており、孤立化や孤独死を避けるためにも見守りや食事の確保が重要になっています。
高知市では、安否確認を含めた「配食サービス」で高齢者の栄養改善などを補助。
「緊急通報システム」の貸与や「在宅高齢者あんしん相談」などを行い、安心して暮らせる環境を整えています。
さらに生活の困りごとに対応するため、シルバー人材センターでは「ワンコインサービス事業」を実施。
2013年度の利用者を対象とした調査では、「買い物代行」の利用が一番多いとわかりました。
そのほかにも、「電球の取り替え」や「掃除の手伝い」など、小さな悩みへの手助けを求める高齢者が多く、高知市は日常の小さな困りごとを解決するサービスの充実に努めています。
また、暮らしやすい環境づくりのため、バリアフリー化工事を助成する「住宅改修」や、介護ベッドなどが借りられる「福祉用具貸与」などのサポートを実施。
公共の場のバリアフリー化や交通機関の整備なども行っています。
在宅介護では介護側の負担も大きいため、おむつ代の支給などを行い介護者を支援中です。
自宅で、介護と医療を同時に受ける必要のある高齢者も多いため、介護と医療の連携にも力を入れています。
そして、介護予防・重度化防止のため、生活習慣病の予防や、社会参加の支援、生涯学習や生涯スポーツの支援などを推進。
地域の健康体操グループなど、住民主体の介護予防活動も支援しています。
高知市の福祉サービス運営適正化委員会とは?

高知市では、高齢者の悩みごとの解決をサポートするため、各種相談窓口を設けています。
高知市成年後見サポートセンターでは、一人暮らしの高齢者を対象として、「これからあんしんサポート事業」を実施。
高知市社会福祉協議会との契約が必要ですが、「介護施設に入居した後が心配」「死んだ後、自宅をどうしたらいいのかわからない。
頼る人もいないし…」といった悩みに対応しています。
介護施設への入所や入院時に立会い、必要な物を病室までお届けし、亡くなった際の葬送や埋葬などを実施。
「死後に必要な事務手続きなども代行してくれるらしいから安心」といった声も聞かれます。
サポートは有料ですが相談は無料なので、気軽に相談すると良いでしょう。
また、高知市では持ち家がある高齢者が多く、高齢者全体の80.9%を占めています。
そのため、持ち家の老朽化や維持困難などに加え、空き家の急増も問題になっています。
市では、住宅相談や空き家相談を行い、「草木が道路へはみ出して歩きにくい」といった相談に対応。
住宅政策課が総合相談窓口となり、さまざまな家に関する悩みを受け付けています。
そのほかにも、市民相談センターでの無料法律相談や、専門の消費生活相談員による消費生活相談など、さまざまな生活に密着した相談を実施。
高齢者が気軽に相談ができるよう、高知市は民間の事業所に委託し、各地に相談所を設けています。
各地域に30ヵ所以上あるので、家から行きやすいのが魅力です。