みなさんこんにちは。訪問リハビリブログ「リハウルフ」を運営しています、杉浦良介です。
「リハビリテーションマネジメント加算」という言葉を聞いたことはありますか?
一言でいうと、「リハビリの質を高めるために、通所リハビリと訪問リハビリで実施されているサービス体制」のことです。
せっかくなら良質なリハビリを受けたい!という方はぜひ、参考にしてみてください。
リハビリテーションマネジメントとは
リハビリテーションマネジメント(以下、リハマネ)とは、質の高いリハビリの提供を目指す目的で実施されているものです。
具体的には、「SPDCA」と呼ばれるサイクルによって、適切なリハビリを提供できているかを継続的に管理し、心身機能向上のアプローチをバランス良く行います。
利用者にとっては良質なサービスを受けることができ、サービスを実施する専門職員は加算が受けられるため、両者にとって得がある制度と言えますね。
「SPDCA」とは
それでは、SPDCAサイクルについて詳しく見ていきましょう。
S:調査(Survey)
利用者の心身機能について、しっかりと把握すること。
入浴や排泄、移動などがどの程度まで自分でできるのか(日常生活動作)、金銭管理や電話対応などのコミュニケーションができるのか(日常生活動作)などの把握。
P:計画(Plan)
調査によって収集した情報を踏まえて、リハビリの目標・計画を立てること。
D:実行(Do)
立てた計画に基づいて、事業所の医師の指示の下、リハビリを提供すること。
C:評価(Check)
目標達成の状況を確認したり、調査したときと比較して日常生活動作、日常生活動作の状況などを改めて評価すること。
A:改善(Action)
評価したうえでサービス提供内容を見直すこと。
このSPDCAサイクルを通じ、心身機能の向上に向けて効率良くリハビリを提供しましょう!というものがリハマネなのです。
通所リハビリと訪問リハビリの違い
リハビリテーションマネジメント加算(以下、リハマネ加算)について説明をしていきますね。
通所リハビリと訪問リハビリにおけるリハマネ加算の違いは、「加算の単位数」と「算定要件」の2点です。
単位数は通所リハビリの方が高い
単位数については、訪問リハビリより通所リハビリの方が単位数が高くなっています。
単位が多いということは、つまり料金が高いということなのですが、この理由のひとつが「算定要件」です。
算定要件
リハマネ加算Ⅱ・Ⅲ・Ⅳに関しては、リハビリテーション会議(リハビリ会議)という会議を行う必要があります。
リハビリ会議とは、リハビリ職員が司会をし、医師・リハビリ職員・ケアマネージャー・その他その利用者に関わっている人が集まり、リハビリの計画を作成する会議です。
目的としては介入の頻度・時間、訪問の必要性の有無、各職種の関わり方などを決めます。
通所リハビリの算定要件では、基本的には3ヵ月に1回だけ会議を行えば良いのですが、リハマネ加算を開始するときから6ヵ月以内は会議を毎月行う必要があります。
一方、訪問リハビリの算定要件は、算定開始からリハビリ会議は3ヵ月に1回の開催で良いのです。
つまり通所リハビリの方が会議が多いことが、加算の単位数が高くなる要因のひとつなのです。
最後に一言
通所リハビリや訪問リハビリにかかわらず、生活期リハビリにおいて昨今、自立支援や社会参加支援が大切と言われています。
その時々に応じて、適切に質の高いリハビリを提供し、その人らしい生活を支援していくためにも、しっかりとリハビリ会議を通して多職種連携をすることで、リハビリの目的や目標を共有していくことが重要です。
リハマネの考え方を正しく理解し、必要なときに必要なだけのリハビリを受けられると良いですね。