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第66回

介護施設で夏祭りを企画する際のコツとは?盛り上がるアイデアや注意点を解説!

最終更新日時 2025/08/26
#親の介護
目 次

介護施設で夏祭りをするメリットとは

施設で夏祭りを行うメリットとして、利用者の身体的・精神的な健康維持から、地域との交流など様々なものが挙げられます。ここでは、夏祭りがもたらす具体的なメリットを3つの視点から詳しく解説します。

生活の質が向上する

介護施設での夏祭りは、利用者に多方面でプラスの効果をもたらすことが期待できます。普段とは異なる環境で感じられる楽しみは、身体面と精神面の両方に大きなメリットをもたらします。

まず身体面では、屋台でのゲームや盆踊りなど普段やらないような動きが増えることで、身体機能に刺激を与えることができます。これは認知機能の活性化にも関係してきます。

さらに、屋外で行う場合であれば太陽光に当たることでビタミンDの生成が促され、骨や筋肉にいい影響を与えることが期待できます。これは特に室内で過ごす時間が長い利用者の方々にとって、良い機会となるでしょう。

また、夏祭りは身体面だけでなく、精神面にも良い効果が期待できます。集団での活動や交流が促進されることで、認知機能の活性化や心の安定につながる可能性があります。

夏祭りを行うと、夏の訪れを実感でき、日常とは異なる楽しみを感じる機会を増やすことができます。こうした季節行事は毎日の意欲向上や生活全体への満足度にも良い影響を与え、生活の質の向上にもつながります。


夏祭りの様子(屋台と参加者)

職員や近隣住民との社会的交流の機会になる

夏祭りは施設の外部とのつながりを深める絶好の機会でもあります。夏祭りの際、近隣住民や家族を招待する施設もあります。

家族の方々にとっても、普段とは違う環境で利用者の方々の笑顔を見ることができる貴重な機会になります。

こうした地域交流は孤立感の軽減や、施設の開かれたイメージを形成することにつながり、地域全体での支え合いの文化を育んでいくきっかけになることもあります。

コミュニケーションが増えることで脳が活性化され、認知機能低下の予防にもつながります。

夏祭りを成功させるために必要な3つの視点

介護施設での夏祭りを成功に導くためには、以下の3つの視点が重要です。これらを押さえることで、全員が安心して楽しめるイベントを実現できます。

安全管理

熱中症や感染症の予防対策が大前提となります。会場の温度管理・換気・手指衛生などの基本的な対策をしっかりと実施することが求められます。また高齢者や職員の熱中症にも気を付けましょう。出し物をする会場は空調に気をつけ、水分補給をこまめに行いましょう。

参加者への配慮

認知症や重度要介護者の方々も含めて、誰もが楽しめる工夫を取り入れることが重要です。屋台の配置や音・光の調整など、様々な身体状況や認知状況に配慮した環境づくりが求められます。それぞれの健康状態やADLなどに配慮しながら、全員が参加しやすい活動を盛り込むようにしましょう。

企画の魅力づくり

高齢者が喜ぶゲーム、音楽、食べ物など、バラエティ豊かなプログラムを組むことで楽しめる環境を整えましょう。

昔懐かしい要素を取り入れたり、世代を問わず楽しめる内容にしたりする工夫も、生活の質向上につながる重要な要素です。これら3つの視点をバランスよく取り入れることで、参加者の満足度が高く、安全で充実した夏祭りを開催できるでしょう。

介護施設の夏祭りで注意すべき点と安全対策

夏祭りを安全に楽しく開催するためには、高齢者特有の身体的特徴や認知機能の状況を十分に理解した上で、適切な安全対策を講じることが不可欠です。ここでは、夏祭りにおけるリスクとその対策方法について、具体的な実践例とともに解説していきます。

熱中症・感染症対策

夏祭り開催中は、熱中症と感染症のリスクに細心の注意を払う必要があります。高齢者のなかには体温調節機能や免疫力が低下している方も多いため、特に慎重な対策が求められるでしょう。

熱中症対策では、室内温度を26–28℃程度に保つことが推奨されています。エアコンの設定温度を適切に管理し、定期的に温度計で確認することが大切です。

会場が広い場合は、複数箇所で温度測定を行い、場所による温度差がないかチェックしましょう。

また、冷たい飲料を随時提供し、こまめな水分補給を促すことが重要です。のどの渇きを感じにくい高齢者の方も多いため、職員が積極的に声をかけて水分摂取を促す配慮が必要となります。

熱中症には、こまめな水分補給と適度な塩分摂取が有効とされます。水分補給時間を定めるなどして熱中症対策をすることが大切です。

感染症対策については、高温・高湿環境に気をつけましょう。こうした環境では感染が広がりやすいということが指摘されています。そのため、室内の換気を十分に行い、清掃・消毒の回数を通常よりも増やすことが重要です。

スタッフは定期的に会場内を巡回し、換気状況や参加者の体調変化にも注意を払いましょう。

転倒や事故を防ぐ動線・レイアウト設計の工夫

転倒リスクの軽減には、移動のしやすさや見通しの良さを考慮したレイアウト設計が不可欠です。高齢者の方々の身体機能を十分に理解した上で、安全性を最優先とした会場づくりを心がけましょう。

床面の段差をなくし、歩行スペースを広く確保する

わずかな段差でも転倒の原因となる可能性があるため、会場内はできる限りフラットな状態にしましょう。車椅子や歩行器を使用される方も多いことを考慮し、通路幅は余裕を持って設計することが重要です。

屋台の配置を工夫する

屋台の並びを直線状にするのではなく、ゆったりとした回廊型にするなど、安全かつ混雑になりにくい動線を計画することがポイントです。参加者が自然な流れで移動できるような配置にするとよいでしょう。

会場内に十分な明るさがあるか確認する

会場内が十分に明るく、段差や障害物がはっきりと見えるかどうか事前に確認しましょう。また、休憩スペースを適切に配置し、疲れた時にいつでも座れる環境を整えておきましょう。


会場レイアウトの図示

食事・嚥下への配慮

食べ物や飲み物に注意が必要な利用者がいる場合、特別な配慮が必要です。嚥下機能が衰えて誤嚥の危険性がある参加者には、スタッフが常に付き添いましょう。

飲食できるものかどうかを判断し、適切に飲食できるよう介助することで誤嚥による窒息事故を予防できます。

屋台のメニューを嚥下しやすいものに変更するのも一案です。かき氷は冷やした柔らかいゼリーで代用したり、ラムネはとろみをつけたりすることで、お祭りの雰囲気を安全に楽しみながら食事を味わうことができます。これは特に嚥下に不安のある方でも、安心して食事を楽しめるようにする工夫です。

認知症のある方への配慮

認知症のある方にとって、見慣れたものがない空間は不安の原因になりやすいです。そのため、いつも通りの空間であることを認識してもらうための要素を残しておくことも重要になります。環境の変化に敏感な方も多いため、刺激を適度に抑えた配慮が必要になってくる場面もあります。

また、何かの拍子に施設の外に出てしまうことも考えられます。出入りできる扉がある場合には常に気を配り、ベランダや窓など特に注意が必要な箇所にはスタッフを常に配置するなどの対策を取りましょう。

音や照明については、適度に控えめに設定することを心がけましょう。大きな音や強い光は混乱や不安を招く可能性があります。

特に大切なのは、参加のハードルを下げる配慮です。「失敗しても大丈夫」「自分のペースで参加できる」という雰囲気づくりにより、精神的な負担が軽減され、イベントを心から楽しんでいただける可能性が高まります。職員は常に声かけを心がけ、一人ひとりの状況に応じたサポートを行うことが重要です。

高齢者が喜ぶ!介護施設の夏祭りアイデア集

屋台ゲームから音楽・踊り、食べ物まで、参加者全員が笑顔になれるアイデアを実践的なポイントとともに解説していきます。

高齢者でも安心して楽しめる屋台ゲーム

高齢者の方々に配慮した屋台ゲームでは、立ち・歩きが少なく、握力や視力に過度な負担をかけないことがポイントになります。ゲームの難易度設定も重要で、簡単すぎず難しすぎない、適度なチャレンジ感を持たせることで参加意欲を高められます。

ヨーヨー釣り

カラフルな色、釣れたときの達成感が得られるヨーヨー釣りは、利用者はもちろん子どもから大人まで誰もが楽しめるゲームです。利用者1人でも楽しめ、手を動かすのが困難な方も介助があれば楽しめます。

ヨーヨーの中に水を入れる際は、水を少なめにすると比較的釣りやすくなります。また、利用者の安全に配慮するのであれば、水を使わないマグネット式のヨーヨー釣りもおすすめです。ヨーヨーと釣り竿にマグネットを付け、くっつけて釣り上げる方法で、安全かつ手軽に楽しめます。

輪投げ

輪投げセットが手に入るようであれば、輪投げも取り入れてみましょう。輪投げは、椅子に座った状態でもできるゲームです。的との距離を調整可能にしたり、輪の大きさを複数用意したりすることで、個々の能力に合わせた楽しみ方ができるでしょう。

輪投げセットの9つの棒を利用して、縦・横・ななめでビンゴというように、輪投げとビンゴゲームを組み合わせることも可能です。ゲーム参加者をみんなで応援する空気感をつくることで利用者同士の交流にもつながります。

ビンゴゲーム

ある程度の人数の参加者がいれば、ビンゴゲームも盛り上がるでしょう。参加者は、手元のカードに穴を開けるだけで楽しめるため、参加者のADLを問わず多くの方が参加できるゲームです。

箱の中身当てゲーム

「箱の中身当てゲーム」は、大きな箱の中身が何か、箱の中に手を入れ、触って当てるゲームです。手指を使うゲームは手指の感覚を刺激するだけでなく、中に入っているものを想像しながら進めるゲームであるため、脳のトレーニングにもなります。

音楽と踊りで無理なく楽しめる盆踊り

「夏祭りといえば盆踊り」というイメージを持っている方も多いでしょう。盆踊りは、馴染みのある曲にのって楽しめる伝統的なイベントです。高齢者の方々にとって、記憶を呼び覚ますような懐かしい体験となり、自然と笑顔が生まれる貴重な時間になるでしょう。

立って踊れる方はもちろん、車椅子の方でも手を大きく動かしたり、手拍子をしたりすることで参加できます。身体状況に合わせて参加方法を工夫することで、介護度に関わらず楽しむことができます。

「炭坑節」や「東京音頭」「東京五輪音頭」など、昔から親しまれてきた楽曲を流すことで、場に一体感が生まれます。普段は反応が少ない方でも懐かしい歌に合わせて手拍子をしたり、口ずさんだりする姿が見られるかもしれません。

盆踊りは全身の運動になるだけでなく、他の利用者と一緒に踊ることでコミュニケーションが活性化されたり、孤独感が解消されたりと、さまざまな効果が期待できます。輪になって踊ることで、自然と交流が生まれ、社会的なつながりを感じていただけるでしょう。

ただし、実施の際には、転倒などの事故に十分注意しましょう。歩行に問題がある利用者がいる場合は、簡単な振付を選んだり、スタッフがサポートしたりと、安全に楽しめるような仕組みを取り入れることが大事です。

咀嚼の状態に合わせた食べ物屋台

屋台で提供する食べ物は、高齢者の咀嚼・嚥下(えんげ)の状況に十分配慮し、柔らかく加工しやすいものを中心に選ぶことが重要です。食事は夏祭りの楽しみの大きな要素ですが、安全性を最優先にメニューを考えていくのがポイントです。

かき氷

かき氷は、かき氷機だけで簡単にできる屋台メニューです。シロップや器、使い捨てのスプーンなど、スーパーや100円ショップで簡単に用意できるものだけで実施できます。近隣住民を招待する場合は、ある程度の数を見込んでおく必要もあります。

氷は、施設の冷蔵庫だけでは足りない場合もあるため、コンビニ・スーパー・酒店など、どこで手に入るか事前に確認しておくことをおすすめします。

冷たい食べ物は暑い夏には特に喜ばれますが、あまり冷たすぎると刺激が強い場合もあるため、利用者の体調に合わせて量を調整することが大切です。

たこ焼き

料理が好きな利用者に材料の準備を手伝ってもらう、盛り付けを手伝ってもらうなど、事前の準備段階もレクリエーションになるためおすすめです。焼きたては熱いため、やけどしないようにゆっくり食べていただきましょう。

タコの代わりに、かまぼこやちくわ、チーズを入れることで、硬くて弾力のあるものが咀嚼しにくい利用者も楽しめるようになります。一口サイズにカットしたり、フォーク・スプーンで食べやすい形にしたりすることで、咀嚼に不安のある方も安心して食事を楽しめます。職員は食事の際に必ず付き添い、安全に食べられるよう見守ることが必要です。


屋台メニュー(たこ焼きなど)のイメージ

フルーツ飴・チョコバナナ・わたあめ

フルーツ飴やチョコバナナは、特別な器具を用意しなくても簡単に作ることができ、見た目も華やかです。輪切りのバナナにチョコをかける、いちごを半分に切ってから溶かした飴をコーティングするなど、どんな方でも食べやすいように食材の大きさを工夫しましょう。

ただし、飴は口内に刺さりやすいため、咀嚥や嚥下機能に不安がある場合には控えた方がよいでしょう。

まとめ

介護施設での夏祭りは、季節感を味わい、コミュニケーションを活性化し、リハビリ効果も期待できる重要なイベントです。参加者全員の安全を第一に考えながら、一人ひとりが楽しめる企画を心がけることで、利用者にとって思い出深い夏の一日を提供できるでしょう。

夏祭りは年に一度の特別なイベントです。利用者には存分に「夏らしさ」を味わってもらい、大切な思い出にしてもらえるような企画を目指しましょう。

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今井 竜彦
ソニフル 代表
2025/08/19

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