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第64回

【高齢者の音楽レクリエーション】クラブミュージックで楽しむ次世代型介護予防体操

最終更新日時 2025/06/10
#介護予防

日々の介護のなかで、「楽しく続けられる体操があれば…」と思ったことはありませんか?今回は、音楽を活用して手軽に取り組める『次世代型介護予防体操』をご紹介します。

この体操を考案したのは、ケアホームカナン施設長で、音楽健康指導士でもある馬場田晃一先生です。実際にご家庭で取り入れる際のヒントを、先生へのインタビューを交えながらお届けします。

目 次

音楽健康指導士の馬場田晃一先生へインタビュー

今井:馬場田先生は、介護を受ける方と支えるご家族が一緒に楽しめるよう工夫した音楽レク動画を多数製作・公開されています。
この活動は、若い世代のご家族にも介護に関心を持ってもらい、ご家庭でも楽しく介護予防に取り組んでほしいという思いからスタートしました。

そして、その鍵となったのが「音楽」です。DJとしても活動されている経験を活かし、ヒップホップなどの要素も取り入れているとのことですが、介護の現場では少し意外に感じる方もいるかもしれませんね。

馬場田先生:たしかに驚かれることもありますが、実際にやってみるとリズムが取りやすく、「体が動かしやすい」「新鮮で楽しい」とご好評をいただいています。

QUEENなどの洋楽を使った体操も好評で、音楽の話題から話が広がることも多いです。
最近では作業療法士のYouTuberさんからコラボの依頼もいただくなど、仲間の輪が少しずつ広がっています。

今井:馬場田先生のYouTubeチャンネルで人気急上昇中の動画、『クラブミュージックで創るDJ×椅子体操』も話題ですね。

この動画は、ニューヨーク日系人会と邦人医療支援ネットワークが共催した第17回秋のヘルスフェア「ライオンズ大学・大人の教養講座シリーズ」で紹介されたもので、海外の方からも好評を博しました。音楽レクの力は、国境も越えられることに驚きです!

馬場田先生:この講演を通じて、日本式の介護予防体操を海外に紹介できたことは非常に貴重な経験でした。

日系アメリカ人コミュニティでも高齢化が進み、将来的には日本に帰国しようと考える方もいらっしゃる中で、「日本の介護は丁寧でいいね」との声もあり、関心の高さを実感しています。コロナ禍でオンライン開催となりましたが、アメリカ発祥のクラブミュージックということもあり、違和感なく盛り上がりました。

このプログラムは音楽を活用することで、誰でも取り組みやすい内容になっているのが特徴です。いくつかのプログラムで構成されていて、ご家庭でも取り入れられる内容になっていますので、気になったものから試してみてください。

動画の内容とポイント解説

  1. アイスブレイク:Panic Beats(パニックビート)

    高齢になると問題になってくるのが注意分割機能の低下です。これは運転中の事故や転倒など、重大なトラブルにつながる恐れがあります。

    「目・鼻・口」を一定のリズムで順番に触る、誰でも簡単にできる脳トレ・リズム体操で、まずは注意分割機能を楽しくトレーニングしましょう。

  2. ウォーミングアップ:Techno tongue twister(テクノタングトゥイスター)

    4つ打ちのリズムに乗って行う、楽しく継続しやすいよう工夫した早口言葉です。顔の筋肉を動かして口腔機能を鍛えることで、表情筋の活性化や美容効果が期待でき、唾液腺の働きを高めることで、誤嚥性肺炎の予防にもつながります。

    さらに、声を出すことで脳が刺激され、認知症予防の効果も期待できます。

  3. メインエクササイズA:三種類のPATAKARA REGGAE(パタカラ レゲエ)

    パタカラ体操にレゲエサウンドをMIXし、楽しく続けられる新スタイルに仕上げました。マンネリ化を防ぐため、滋賀県で活動する介護福祉士でREGGAE DEEJAYのNORISAN(ノリサン)こと中澤徳久さんと共に、高齢者に親しみやすいリズムとテンポに工夫しました。

  4. メインエクササイズB:HOUSEのビートで高齢者体操

    ダンスミュージックの定番「ハウス」と、デイサービスで馴染みのあるステップ運動を融合した体操です。普段の介護予防体操をベースにしているため、誰でも簡単に取り組めます。

    4つ打ちビートに合わせて、楽しくステップを踏んでみましょう。爽快感のあるオシャレなサウンドに乗せて、ご家族の皆さんもぜひ一緒に挑戦してみてください!

  5. メインエクササイズC:ボールを使って認知機能を刺激する簡単レク

    こちらはグループで楽しめるレクです。まず、大きさの異なるボールや風船を2種類用意し、1人がリーダー、他の参加者は円形に座ります。リーダーが音楽をかけ、色や大きさを指定しながら送る方向を指示。

    途中で逆回転させたり、組み合わせを変えたりすることで認知機能のトレーニングにもなります。

  6. メインエクササイズD:花笠音頭

    花笠音頭は全身を使って踊り、さらにタイミングよく掛け声を出すので、これまでのエクササイズの要素が詰まった介護予防にピッタリなレクです。音頭に合わせて柔軟性や体幹、筋力を無理なく楽しく鍛えることができます。

  7. エンディング:最上川舟唄 HIPHOP MIX

    私が山形県の民謡「最上川舟唄」をHIPHOP風にアレンジしました。聞くだけでも楽しめますし、動画の説明に沿って挑戦してみてください。

最後に、いつもお伝えしている大切なポイントをご紹介します。

  • 痛みがある場合は無理に行わない
  • 体操中は息をとめない(とめると血圧が上がります)
  • どこの筋肉を使っているかを意識する
  • 常に声を出す(声を出すと息をとめることなくできます)
  • 水分補給を忘れない

馬場田先生が楽曲提供を続ける理由

今井:ついに世界に飛び出した次世代型介護予防体操ですが、最近ではさらに活動の幅が広がっています。馬場田先生が手がけた『DONPAN session ~ドンパンセッション~』や『最上川舟唄 HIPHOP MIX』は、全国の高齢者施設向け映像配信サービスの音楽運動プログラムとして採用されています。

この動画では、先生と私が一緒に体操を実演しており、弊社の「良くなる子」も活用されています。

さらに新たな取り組みとして、『「Caregivers」~介護という仕事~』も制作されたんですよね。

これまで音楽レクを通じて現場の活気を届けてこられましたが、今回はなぜ楽曲制作という形を選ばれたのでしょうか?

馬場田先生:これまで、介護をもっと楽しいものにしたいという思いから、音楽レク動画の制作や情報発信に取り組んできました。しかし、介護のやりがいや魅力がまだ十分に伝わっていないと感じる場面も多く、より多くの人にその価値を届けたいと考えるようになったんです。

そんな中、「介護職の素晴らしさを代弁し、多くの人に伝えてほしい」という声を受け、その想いに応えるかたちで楽曲制作を始めました。

作詞をお願いした、仙台を拠点に活動するMC mica the bulwarkさんは、実際に私の現場を取材し、その体験をもとに制作してくださいました。あえてラッパー目線から描くことで、介護職の想いやリアルな現場の声をダイレクトに届けられる作品になったと思います。

リリース後は介護研修イベントでの上映や、求人広告への採用など、活用の場も広がっています。「この道で頑張りたい」「涙が出そうになった」といった感想も多く、改めて介護の価値を発信する意義を実感しました。この楽曲が、現場で働く方々へのエールとなり、介護を志す人の背中をそっと押すきっかけになれば嬉しいです。

まとめ

いかがでしたか?音楽を活かしたレクリエーションは、介護を受ける方だけでなく、介護に携わる皆さん自身の楽しさややりがいにもつながります。

今回ご紹介した音楽レクは、どれも簡単に取り組めるものばかりです。ぜひ動画を見ながら、日々の生活に取り入れてみてください!

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