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第32回

コロナ禍にお薦めの音楽レク3選。身体機能の向上が認知症予防に!

最終更新日時 2020/12/11
#親の介護 #介護予防
こんにちは。今井竜彦です。今回は、音楽健康指導士の馬場田晃一先生に、『コロナ禍における、介護現場での音楽レク実施のポイントとおすすめプログラム』をインタビューしてきました。

こんにちは。「音でタノしむ、音でラクする」をテーマにして、高齢者介護現場での活用を目的とした楽器を開発しているソニフルの代表“いまたつ”こと、今井竜彦です。音楽が持つさまざまな「チカラ」をご紹介し、介護の現場に素敵な時間をたくさんお届けしたいと思います。

今回は音楽健康指導士の馬場田晃一先生に、「コロナ禍における、介護現場での音楽レク実施のポイントとおすすめプログラム」についてインタビューしてきました。それではいまたつと一緒に、楽しく学んでいきましょう!

自画像

職員も利用者も両方楽しめる音楽レクが必要

今井:馬場田先生は、主任介護支援専門員・社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士といった素晴らしいご経歴を持ちながら、現在は「ケアホーム/デイサービス カナン」の取締役としてご活躍されていますよね。また、音楽健康指導士として、ご自身の施設では音楽を用いたさまざまなレクにも力を入れておられます。

また「うたと音楽」を使った健康づくり活動の秀逸な事例を表彰する「音健アワード」では、2年連続で優秀賞を受賞されており、さらに今年は最優秀賞を目指して挑戦されています。

介護現場での音楽レクというとカラオケという発想になることが多いと思います。馬場田先生がいろいろな音楽を活用しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

馬場田先生:介護の現場を見て「なぜ、高齢者施設では、童謡や演歌しか流れていないのだろう」と疑問を抱いたのがきっかけでした。ビートルズが来日した頃は、今80代前半の方がちょうど30歳くらいのとき。つまり、「懐メロ」が「洋楽」という方がいても不思議ではないんです。

私はヒップホップやハウス、レゲエなどの音楽が大好きです。高校生のときからDJもしているので、音楽のこだわりは人一倍強いんですが、高齢者の方でも音楽に強いこだわりを持つ方はたくさんいらっしゃいます。介護現場での音楽のニーズの多様化にもきちんと向き合い、職員も利用者も両方楽しめる音楽レクが必要だと感じました。

現在は「演歌や童謡」と「新しい音楽」の良い部分をMIXした、自作音源の音楽レクを作成して活用しているんです。

つらい運動も音楽があると負担感少なく行える

今井: ヒップホップと介護はなかなか結びつきにくいイメージですが、DJの経験も活かし、新しい音楽レクを生み出されているんですね。音楽を使うメリットは、どのようなものなのでしょうか。

馬場田先生:例えば、足踏みを100歩行おうとします。音楽なしで足踏みを100歩行うのはつらいのですが、自分の好きな音楽にのせてなら楽しく、簡単にできてしまうのです。僕らはこういった力を利用し、福祉と専門的な音楽の観点から、高齢者が体の動かしやすいテンポやメロディの計算・調整を行います。さらに、音楽健康指導士視点の体操やエクササイズを組み合わせることで、より効果を引き出しやすい音楽レクとしているのです。

今井:確かに僕もジョギングをするときに音楽を聞いていると、すぐに時間が過ぎているときがありました。しかし、高齢者に向けてヒップホップを用いるのは挑戦的ですよね。参加されている方の反応はいかがでしたか。

馬場田先生:実はヒップホップなどの音楽は、同じ旋律が続く構成が多いためわかりやすいのです。そういう意味では少し民謡に似ているので、利用者さんにもすんなりと受け入れていただけましたよ。

またヒップホップの「サンプリング(音楽の一部を流用して再構築し、新たな楽曲をつくること)」という手法を使い、山形民謡をアレンジ。作成した『最上川舟歌 HIPHOP MIX』は、高齢者にはもちろん、若者にも興味や関心を持っていただきました。介護業界に新しい風や華やかさが生まれ、少しでも介護の魅力のアピールにつながり、裾野(すその)が広がればいいなと思っています。

今井:現在多くの介護の現場では、新型コロナウイルス感染拡大防止ということで、満足に音楽レクができない状況が続いています。先生の施設の対策方法について教えてください。

馬場田先生:私の施設では以下の点に留意して、音楽レクを実施しています。あくまで一例ですので、実施の際には地域の感染拡大状況などを考慮したうえでご判断ください。

  1. 非接触型検温器を用いた検温の実施
  2. スタッフと参加者ともに手洗いや消毒の徹底
  3. レクの陣形を対面ではなくシネマ形式にし、可能な限り距離を開けて、密を避ける
  4. 対面の場合は2mの間隔を空け、歌唱をする際はクリアマスクを使用
  5. 感染拡大状況がひどいときには、なるべく発声の少ないコンテンツを選ぶ
  6. 歌唱が少ない場合は、打楽器(「良くなる子」やマラカス、鈴など)を用いて、参加意欲や一体感を上げる
  7. 換気をこまめにする(可能であれば、屋外での実施)

密を避けて音楽レクを

お奨めの音楽レク3つ

今井:馬場田先生が作成された曲の中からお奨めの音楽レクを3つ紹介していきたいのですが、その前に先生から5つのお願いがあるんですよね。

馬場田先生:私が音楽レクを行う際には、以下のお願いをしています。リズムに乗って楽しみながら継続し、介護の要らない身体に大逆転していきましょう。

  1. 痛みがある場合は無理に行わない
  2. 体操中は息を止めない(とめると血圧が上がります)
  3. どこの筋肉を使っているかを意識する
  4. 常に声を出す(声を出すと息をとめることなくできます)
  5. 水分補給を忘れない

水分補給をしっかりする

1:パタカラレゲエでリラックスしながら運動できる

今井:さぁ、まず1つ目は「パタカラレゲエ♪ PA-TA-KA-RA REGGAE」です。 レゲエの曲調はリズムに乗りやすく、ラッパーになったような気分でとても楽しく体操ができます。

馬場田先生:パタカラ体操を毎日同じやり方でやればマンネリ化してしまいます。レゲエシンガー介護士NORISAN(ノリサン)こと中澤徳久さんが生み出すレゲエのリズムに乗せて、肩の力を抜いて楽しんでトライしてみてください。「ぱ・た・か・ら」すべてに意味がある言葉なので、1文字ずつ意識しながら発声してみましょう。

2:ヨガチルホップで姿勢と日常生活動作の改善

今井:そして2つ目は、「Yoga×Chill hop(ヨガチルホップ) ~ヨガとチルのチカラで介護の要らない身体へ大逆転~」です。こちらは運動健康指導士でヨガ講師の、川合先生とのコラボ企画。映像もオシャレで、老若男女どなたでもできる内容なので、私もデスクワークで疲れたときはこの体操をしてリフレッシュしています。

馬場田先生:この動画は、背骨や胸の周りの動きを改善する体操を中心に構成されています。 そのため、姿勢の改善や日常生活動作が、楽に行える効果があるのです。「背骨を横に倒す」「捩じる」「反らす」「丸める」など、色んな方向へと動かしていきましょう。「バンザイ深呼吸」や、手を上げてさらに天井方向へと腕を伸ばす動きは、意識することでさらに効果が高まります。

3:2.6ステップでデュアルタスクを意識

今井:そして最後は、「2.6ステップ ナンバ歩きバージョン」です。 実は簡単そうで難しいナンバ歩き。動画では、段階的に難易度が上がっていきますが、これにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

馬場田先生:これはデュアルタスク(二重課題)を意識しながら、作成しました。踊り方は以下になります。

  1. ナンバ歩きで足踏み
  2. 2・6に手拍子を入れながらナンバ歩きで足踏み
  3. 慣れてきたら2・6の部分を英語で言う

このように変化させることで最初は頭が混乱しますが、この混乱が脳に刺激を与え、認知症予防に効果的といわれています。

身体機能の向上が認知症予防に

いかがでしたか。外出を控えて何もしなければ、足腰も弱っていまいます。身体機能の低下は認知症を引き起こす要因にもつながるので、音楽にあわせて楽しみながら運動を継続してみましょう。

馬場田先生のYoutubeチャンネルでは、自宅でできる介護予防体操も配信しています。ぜひチェックしてみてくださいね。音楽を活用した楽しい毎日で、新型コロナウイルスに打ち勝ち、体は要介護からより元気な状態へ、そして心はもっと元気な状態へと大逆転させましょう。次回もお楽しみに。

要介護状態を音楽レクリエーションで解消!

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