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第42回

目薬が皮膚の炎症やシミの原因に!?薬剤師が教える正しい点眼の方法

最終更新日時 2020/12/07
#介護予防 #薬

こんにちは。薬剤師の雜賀匡史です。今回は「目薬の使い方」についてご紹介いたします。

目薬は保管場所や使用順序、使用前の容器の振とう(振ること)や使用方法など、種類によって扱い方が異なります。なので、「ご自身の使用する目薬について正しく理解している人は少ない」と言われています。

また新型コロナは、目の粘膜組織である結膜から感染する可能性も示唆されており、感染拡大を防ぐためにも目薬を衛生的に取り扱うことが求められます。今回の記事で理解を深めていただければ幸いです。

衛生的に取り扱えるよう、正しい目薬の使い方を覚えよう

目薬とは、目の病気の治療や痒み・疲れなどの症状を緩和させるために、直接目に使用する薬のこと。医師の処方が必要な医療用医薬品と、市販されている一般用医薬品の目薬があります。また防腐剤など添加剤の有無で、キャップ式で何度も開閉可能なタイプと、一回のみの使い切りタイプの目薬が存在します。

正しい目薬の使用方法は以下の通りです。

目薬の使用方法

  1. 手をきれいに洗う
  2. 使用する目薬を確認する(目薬の容器に似た下剤、抗炎症剤、抗菌薬などがあるので間違えないように)
  3. 懸濁(けんだく:液体中に固体の粒子が分散しているもの)タイプの目薬は内容物が沈殿しているので、使用前によく振る(それ以外は振る必要なし)
  4. 4下まぶたを指で下にひき、上を見るように顔をかたむける
  5. もう片方の手で目薬を持ち、容器の先がまつ毛や目に触れないように必要量を滴下
  6. 滴下後はしばらく目を閉じ、鼻や口に薬液が流れないよう目頭の鼻に近い方を指で軽くおさえる(このときに目をパチパチしないこと)
  7. 目から薬液があふれ出た場合には、ティッシュやガーゼで拭き取る(皮膚に薬液が付着したままだと、かぶれなどの皮膚症状の原因に)

目薬が原因で目の周囲が黒ずむことも

通常の目薬は、正確に点眼できれば左右それぞれ1回1滴で十分な効果が出るように設計されています。目が保持できる液量には限界があるので、「たくさん滴下すれば効果も上昇する」というわけではありません。必要以上に滴下したことにより、あふれ出た薬液が目の周囲に残ると、皮膚の炎症や色素沈着を引き起こすことがあります。

特に緑内障治療薬の一部は、色素沈着により目の周囲が黒ずむ副作用が報告されていますので、点眼後は水分を含ませたティッシュなどで拭き取りましょう。洗顔前に目薬を使用するなどの工夫も有効的です。

過剰に目薬を点眼すると…

目薬の容器の先端を目尻につけるのはご法度

ときどき容器の先端を目尻につけて薬液を垂らしている人がいますが、これは非常に不衛生な使用方法です。目の周囲には見えないゴミや汚れが付着しているので、目薬の先端を目に触れさせるということは目薬の容器内に異物を侵入させ、汚染につながるのです。

点眼行為に恐怖心のある人ほど、このような誤った方法を取ってしまいます。点眼行為に恐怖心がある人は、落ちてくる雫を真剣に見てしまう傾向があるのです。今か今かと薬液が落ちて来るのを待っているうちに手がブレたり、先端に触れてしまうということが起こってしまうというわけですね。

下まぶたを抑えて安定した点眼ができる「げんこつ法」

対象法としては、落ちてくる雫を見つめないことです。まず少し上を向いて天井を見ましょう。そして、天井に何か目印となるような模様を見つけ、そこに目の焦点をあわせます。その模様を両方の目で見続けたまま、目の上に目薬を持ってきて滴下するのです。こうすることで、落ちて来る雫を見ずに点眼することができます。

しかし、これでも難しいと思う人もいらっしゃるので、もう1つの「げんこつ法」と呼ばれる方法をご紹介します。下まぶたにげんこつを当ててずらしていき、その上に目薬を持った手を乗せて固定し点眼するというものです。これによって、安定感のある点眼を行うことができます。

2種類の目薬を使うときは5分以上間隔を空ける

2種類以上の目薬を使うときは、薬液をしっかり吸収するために5分以上の間を空けてから次の薬を使用してください。使う順番を問わない組み合わせであれば、どちらから使用しても大丈夫です。薬液成分の性質上、使用順序を考えた方が良い組み合わせのときは、医師、薬剤師から説明された順番で使用しましょう。

基本的な使用順序は下記の通りです。

  1. 水性
  2. 懸濁性
  3. 油性
  4. 眼軟膏

それぞれの目薬の性質を皆さん自身で調べることは難しいと思いますので、不明な点は医師、薬剤師に確認してください。

複数の目薬を点眼するときは5分空けよう

開封した目薬の使用期限は1ヵ月

目薬は直射日光が当たらない涼しい場所に保管しましょう。医師、薬剤師から冷所保管するように言われたものは、冷蔵庫内の凍結しない場所で保管するようにしてください。光に弱い目薬には遮光の内袋(小さいビニールパックの袋)が一緒に添付されています。この袋は内側に光を通さない仕組みになっているので、これに入れて保管しましょう。

また、一般的に1度開封した目薬の使用期限は1ヵ月とされています。清潔を保つために、一定期間を過ぎたものはたとえ余っていても使わずに廃棄しましょう。1回使い切りタイプの目薬は防腐剤などの添加物が入っていないので、開封時に使い切るようにしてください。

以上、今回は目薬の使用方法や保管方法についてご紹介致しました。今一度ご自身の使い方を見直す一助となればうれしいです。

使用期間には注意

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高木 亨
株式会社 てづくり介護 代表取締役
2022/07/13

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