こんにちは。株式会社なごみ薬局・代表の渡邊 輝です。介護をしていて、「お薬を自宅まで届けて欲しいな」と思ったことはありませんか?
そこで今回は、最近、少しずつ利用し始める方が増えている「訪問薬局」についてお話ししていきたいと思います。
お薬で困ったことはありませんか?
調剤薬局にご利用者さんとヘルパーさんが一緒に来られることがよくあります。この時、薬局で長い間待たされたり、重たい薬を持ち帰ったりと、不便さを感じる方も多いかもしれません。
また、薬剤師がお薬の飲み方を説明しても、うまく家族に説明できなかったり、医師や薬剤師にご利用者の容態や変化を説明できないこともあると思います。
ご両親やご利用者の方の薬がなぜか残っていたり、不足する。疼痛緩和など頻回な処方内容の調整が予想される。そんな時は、調剤薬局の居宅療養管理指導を活用してみましょう。
薬の管理が必要な人は7割近くも ぜひ訪問薬局を使ってみては?
在宅で介護をされている方は「薬の管理」に困ったことはありませんか?
また、訪問薬局(訪問薬剤師)って聞いたことはあるけど何をしてくれるのだろう?そういった疑問をお持ちの方もいるかと思います。
訪問薬局を利用すると、薬剤師が自宅に訪問してくれ、お薬を届けるだけでなく総合的な服薬管理をしてもらえます。(前提として、ご利用者が介護保険の認定を受けている必要があります。)
次の章で、実際に訪問薬局を利用するための手順や料金をお話していきたいと思います。
訪問薬局を利用してみよう!
- 料金は1回約500円
- 1回の訪問につき約500円(平成29年現在)で居宅療養管理指導を受けることができます。
- ご本人とご家族でまずは話し合いをし、なぜ・どのように訪問薬局を利用するのかを一緒に考えましょう。訪問薬局は介護保険の区分支給限度額の範囲外で利用できます。
- ※老人ホームなどの同一建物居住者は1回・約350円(1割負担の場合)
- ケアマネージャーに連絡
- ケアマネージャーに連絡をして、薬剤師にお薬の配達と管理をケアプランに入れてもらうようお願いすることができます。
- もしくは、すでにかかりつけの調剤薬局があれば、居宅療養管理指導ができるかどうかを確認し、ケアマネージャーと直接連絡をとってもらうようにします。
- 医師に訪問指示書を書いてもらう
- 医師から訪問指示書を書いてもらいます。処方箋の備考欄に「訪問指示」と記載してもらいましょう。初回であれば、薬剤師が医師に疑義照会し、口頭で確認することで訪問開始することもできます。
サービスの内容と利用者・ご家族のメリット
- 訪問・配達サービス
- エンシュアリキッド、輸液などの重たい薬の配送を行ってくれます。
- お薬のセット
- 担当者会議に薬剤師にも出席してもらいましょう。薬の置き場所の決定・確認や、飲み忘れのひどい認知症の患者さんに過不足なく適切にお薬を服薬してもらえるように、セット方法と服薬確認の提案をしてもらうことができます。
- 介護士を含む他職種と連携して、配薬や飲み忘れを確認できるように打ち合わせをしてくれます。
- 他科受診で沢山の薬を整理する
- 7剤以上服用している場合は、ポリファーマシーの可能性があります。多剤処方による重複問題や副作用が発現している状態です。薬剤師を活用しましょう。
- 例えば、整形外科、内科、耳鼻科、消化器科、眼科、精神科などの複数の医療機関にかかられている時は、薬剤が重複したり飲み合わせが問題になったりします。また、飲まなくてもよい薬がある場合もあります。
- 薬剤師がお薬手帳で薬の内容を把握し、各医療機関の医師に疑義照会することで、お薬を減らし、症状が改善することがあります。
- 認知症には、薬で治せる認知症があり、いわゆる薬剤による認知機能低下、例えばH2ブロッカーなどの薬を減らすことで改善する場合があります。
- 複数の科の処方薬を整理し一包化することで、誤薬や飲み忘れを防ぐこともします。
- 服薬管理の提案
- 飲み忘れが多い時は、1日1回の薬を提案してもらえたり、骨の薬では月に1回の薬がある場合もあります。
- 錠剤が苦手な方には、貼り薬や、味をマスキングする方法、口の中ですぐに溶ける薬、嚥下(えんげ)困難な方には粉砕やゼリーで服用してもらったり、胃ろうから注入できることもあります。
- 簡易懸濁(かんいけんだく)といって、ぬるま湯に溶かして服用しても効果が変わらない薬もあります。飲めなくて困っている時は、ぜひ相談してみてください。
- お薬カレンダー・お薬ボックス・アラーム・一包化
- 薬を整理・管理するカレンダーや、ボックスを購入することができる薬局もあります。
- 提供:なごみ薬局 更新
- 服薬拒否の対応
- 「介護✕薬剤師」の第1回目「服薬拒否を解消する3つのポイント!薬を快く飲んでもらうためには、薬を飲む意味、飲み方、飲む動機付けを意識しましょう。」を参照してください。
- 誤薬時のアドバイス
- 誤薬の対応なども緊急で電話によるアドバイスを受けることができます。例えば飲み忘れや、一回の服薬時に2回分服用してしまった時に予想される症状や対応方法を薬剤師に確認することができます。
- 適宜受診勧告
- 薬剤師がおかしいな?と思ったら受診勧告をしてくれます。
- 常に新しい薬をアップデートし、毎日さまざまな地域の医療機関の処方箋を応需していることから、適切な医師や医療機関を紹介していただく可能性が高いです。訪問薬剤師に気軽に相談してみてください。
- ※何か変更をする場合には自己判断ではなく、必ず薬剤師・医師に相談をしてください。
薬剤師を上手く活かして看護師(ときには介護士)のみなさんも服薬の不安や悩みをなくしましょう!
- 薬局と連携して医療材料の発注をしてみましょう
- 訪問看護師と薬剤師は薬の情報交換を含め連絡を取り合うことが多いですよね。総合的なQOLの向上に役立っていると思います。
- 訪問看護ステーションでは医療材料を卸から手に入れることが基本的にはできませんが、褥瘡用のテープや輸液セットなどは保険が効くものがあります。
- 薬局と連携をすることで経済的に安く済む提案ができる場合があるので活用してください。
- 薬の作用・副作用の面からADL(日常生活動作)の評価を行ってもらえる
- 食事、排泄、運動、睡眠に影響する薬があります。
- 薬剤師に訪問してもらい、現在の状態と薬を照らし合わせたアセスメントやアドバイスをもらいましょう。薬剤師が訪問したときの報告書がケアマネージャーと医師に共有されます。
- 薬薬連携 退院時カンファレンスや担当者会議で薬剤師を呼ぼう
- 薬剤師の人たちは、担当者会議で薬の使い方を介護士とシェアしたいことが多々あります。
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- 吸入薬、舌下錠、徐放錠の提案、新薬の提案、インフルエンザ予防、生活習慣改善のポイント
- 副作用、転倒、頻脈、眠気、疼痛、下痢・便秘のコントロール、パーキンソン、精神科、透析中の薬の使い方
- 輸液の混注の可否・薬の飲み合わせ・保管方法・服薬アドバイス
- これらの大事なポイントを多職種で定期的に共有することで、デイケア中の服用や、訪問看護師による薬の配役方法、訪問介護士による服薬チェックを安心してスムーズ行うことを可能にします。
いかがでしたでしょうか?薬局を活用することで、服薬に関する不安や悩みは解消することができます。ぜひ最寄り(提携先)の薬局に行って、薬剤師に相談してみましょう。