こんにちは。口腔ケアを担当している日本デンタルスタッフ学院・学院長の田中法子です。
口内が乾燥している方から、よく以下のような悩みを伺います。
- 粘膜がしみる
- 乾きが治まらない
こんなとき、どういった口腔ケアグッズで対策するのが良いのでしょうか?
今回は、お口が乾燥しているときに使うデンタルグッズを選ぶときの、3つのポイントについてお伝えします。
乾燥対策をするための口腔ケアグッズの選び方
口内乾燥に対策する口腔ケアグッズを選ぶポイントは、大きく分けて3つあります。
1.内容に「エタノール」と書いてあるグッズは使わない

マウスウォッシュなどの口臭ケアをするためのグッズには、エタノールを使われている場合があります。
身体に傷があるときに消毒用アルコールを使うと、傷口にしみて痛みを感じますよね。
口が乾燥しているときにエタノールが入ったもので口腔ケアをすると、同じような現象が起きます。
そのためエタノールが入っていないもの、「ノンエタノール」と記載されているものを選ぶようにすると良いでしょう。
2.保湿剤を使う

保湿剤を選ぶときには、マヨネーズ状にとろんと流れるものから使い初めることをおすすめします。
また、ひどく乾燥している方の場合、いきなり保湿剤を塗ってしまうと、喉の奥に液体が垂れ流されて誤嚥してしまう可能性があります。
スポンジブラシに保湿剤を染み込ませて使うようにしてください。
また、保湿剤は保湿効果が高く、口臭予防効果が高い(つまり殺菌力が強い)ものを選ぶことをおすすめします。
もし口腔ケアに慣れてない方に使用する場合には、香りが強いミントやレモンは避け、甘い味がするものを選ぶと良いでしょう。
口腔ケアに慣れてきた頃に、好きそうな味を試してみるのも良いと思います。
3.キシリトール100%含有のタブレットを選ぶ
よくコンビニなどで、キシリトールが入っているガムなどが売られていますよね。
ただ、キシリトールが含有しているものを食べる場合、市販のものではなく、添加物のない歯科専売品の「キシリトール100%含有」のタブレットを選ぶと良いでしょう。
また、口腔ケアでキシリトールを使う場合には注意点があります。
それは、キシリトールには「水分を集める」という特徴があるということです。
もし被介護者に使用する場合は、キシリトールを砕いて、コップに入れた水に溶かして作る「キシリトール水」をおすすめします。
「キシリトール水」にガーゼを浸し、粘膜や舌の上をなぞるように拭きます。
最後に一言
口の乾燥は、食べ物を飲み込みにくくなることで誤嚥につながるほか、口の中が粘ついて喋りにくくなり、会話が減ってしまう原因にもなります。
口腔ケアを行うときには、ぜひ乾燥のチェックをしてみてくださいね。