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第52回

在宅介護で悩む方への「3つの質問」。区分変更で負担が激減することも!

最終更新日時 2020/11/25
#親の介護 #老人ホームへの入居 #地域包括支援センター
こんにちは。介護者メンタルケア協会代表で、心理カウンセラーの橋中今日子です。今回は施設へ入居するか悩んだときに役立つ、「解決策を探るヒント3つ」をお伝えします。

こんにちは。介護の教科書「メンタル」を担当している、介護者メンタルケア協会代表で、心理カウンセラーの橋中今日子です。

施設入居は、介護を語るうえで避けては通れないテーマです。要介護者本人に加えて、兄弟や親族間で意見が異なることも多いでしょう。今回は施設へ入居するか悩んだときに役立つ、「解決策を探るヒント3つ」をお伝えします。

デイサービスの休業で介護負担が増大、施設入所を検討している

認知症で一人暮らしをされているお父様を、姉妹で介護しているAさん(40代女性・会社員)からのご相談です。

要介護の父を持つAさん

私は実家で一人暮らしをしている認知症の父(76歳・要介護1)を、妹と協力しながら支えています。実家の近くに住んでいる妹は毎日通っており、実家から車で2時間ほどの距離に住む私は、週に3・4回ほど訪問しています。

父はデイサービスに週3回通っていたのですが、コロナ禍でサービスが1ヵ月お休みになった頃からトイレの失敗や転倒が増えてきました。また、自分でエアコンのオン・オフができず、妹は1日に何度も訪問しており、負担が大きくなっています。とうとう先月、妹に「もう限界!施設に入ってもらいたい!」と言われてしまいました。

父は現状に不満を感じていない様子です。私はできれば慣れ親しんだ自宅で過ごして欲しいと考えていますが、負担が大きい妹のことを考えると悩みます。私は仕事をしていて、受験生の子どももいるので、今すぐ実家に戻って手伝うことはできません。この場合、妹が言うように施設に入居してもらった方が良いのでしょうか?

Aさんは妹さんの負担を気にかけておられますが、ご自身も片道2時間もかけて週に何回も往復して介護に参加しています。自分では意識していなくても、疲れが出ていることでしょう。Aさん自身も負担がかかっていることを、まず自覚しましょう。

父の介護に妹が限界…

自宅か施設で悩んでいる方への「3つの質問」

今回のAさんのように「自宅か、施設か?」と悩まれている方に必ず尋ねる「3つの質問」があります。

  1. ケアマネージャーに今の悩みを相談しているか
  2. ショートステイを利用しているか
  3. 介護保険の「区分変更申請」をしているか

この3点を確認すると、介護者の負担を減らせる選択肢が出てくることが多いのです。順に説明していきます。

ケアマネージャーに今の悩みを相談しているか

筆者が「ケアマネージャーに相談しましたか?」と尋ねると、「以前相談したけれど、何も解決しなかった」と、相談すること自体を諦めている方がいらっしゃいます。一番頼りたい人に対して一度でも「頼れない、理解されない」と感じることを体験すると、相談する勇気を持てなくなってしまうこともあるでしょう。

ケアマネージャーや事業所への相談をためらうときは、地域包括支援センターに相談しましょう。一度相談したからといって、期待するような対応がすぐ得られるとは限りません。しかし、苦しい状況を伝えるうちに、理解してもらえることが増え、必要な情報を得やすくなります。

ケアマネージャーに頼れないときは…?

ショートステイを利用しているか

ショートステイサービスをお奨めするのは、介護者が睡眠をしっかり取り、自分1人の時間をつくるためです。介護者の多くがほぼ毎日のように、夜中に何度も起こされています。何ヵ月間、あるいは何年も「起こされずに眠ること」が叶わない介護者もいるのです。実際に、介護殺人・心中事件を起こした方の半数以上が、慢性的な睡眠不足であったとの調査結果も出ています。

今回のケースでは、Aさんと妹さんはお父様と別居していますが、ショートステイを利用することで実家に行く回数を減らし、「1人で大丈夫だろうか?」「倒れていないか?」といった不安を減らすことができます。状況を心配するだけでも、心身の消耗は起きるのです。「施設」か「自宅」かを考える前に、まずはショートステイを利用して、介護する物理的負担を軽減。介護者が自分のために利用できる時間を確保しましょう。

介護保険の「区分変更申請」をしているか

介護度が以前より上がっている可能性がある場合には、ケアマネージャーに相談して「区分変更申請」をしましょう。現状に即した要介護度認定を受けることで、ケアマネージャーがケアプランの見直しや必要なサービスを受けるための手続きを教えてくれます。しかし実情は日々の介護トラブルに追われて相談を後回しにしたまま、家族だけで負担を抱え込んでしまうことも多いものです。

老老介護をしていた夫婦は、奥様の認知症の症状が強くなったことから区分変更申請を行いました。すると、要介護1から要介護4への大幅な変更となり、デイサービスの回数が週2回から週5回、ショートステイも最大月14日間使えるようになり、負担が激減したのです。

新しい方法を取り入れて介護量を減らそう

今回のAさんの場合は自宅か施設かの検討に入る前に、ケアマネージャーに相談して「妹さんの負担をどのように減らせるか」「ケアプランの再検討や区分変更申請の必要性」について意見を求めるのが先決です。妹さんの心身の疲労がひどい場合には、緊急ショートステイなど、一時的に介護者の負担を減らせる方法もあります。

幸い、お父様自身は現状に不満を感じていらっしゃらないようなので、お父様の入居をどうするかよりも、先に妹さんとAさんが実家に通う回数や介護量を減らすための方法を検討することをお勧めします。

前回の記事でもお伝えしましたが、余裕がないときに重要な判断をするのは避けましょう。

介護量を減らして休息を

介護する状況はもちろん、社会情勢もどんどん変わっており、これまでのやり方が通用しなくなってきています。状況に応じて支援方法を変えていくことが求められますが、介護者だけで抱えこむ必要はありません。「ケアマネージャーに相談する」「これまで使ったことがないサービスを取り入れる」など、新しいことを少しずつ取り入れてみてください。

皆さんがコロナ禍の介護で経験されていることや行っている対策について介護メンタル協会の問い合わせフォームでぜひ教えてください。お困りのことやご相談には、こちらの「介護の教科書」の記事でお答えできればと考えています。 「介護サービスを嫌がって使ってくれない」といった日々の介護の悩みについては、拙書『がんばらない介護』で解説をしています。ぜひ、手にとって参考にしていただければと思います。

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